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コロナ対策で鉄道網封鎖。インドは「鉄のカーテン」を用意する

Stay off the streets.
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Image: AP Photo/Rafiq Maqbool
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隔離の「予行演習」

インドはコロナウイルスの蔓延を抑制することに本気で取り組んでいます。

インド医学研究評議会は3月22日の記者会見において、政府がコロナウイルスの感染が確認された22の州にまたがる75の地区において、完全な封鎖を決定したと発表しました。

この発表は、「Janata curfew」(ジャナタ門限)が実施された日に行われました。ジャナタ門限は、ナレンドラ・モディ首相が呼びかけたもので、3月22日の午前7時から午後9時の間、自宅待機をするという自主的な運動です。

保健家族福祉局の共同長官Lav Agarwal(ラブ・アガルワル)は、今回の公式の封鎖が、ジャナタ門限の「自然で論理的な延長」であると記者会見で述べました。すでに多くの国民は、ジャナタ門限が長期間に及ぶ封鎖のための予行演習だと疑っていました。

さらに同日、デリー警察は4人以上の不法な集会を制限するインドの刑事訴訟法第144条の発動を発表しました。

マハーラシュートラ州の首長Uddhav Thackeray(ウダフ・タークレー)も、ムンバイ、プネー、ナーグプルで課されていた、第144条の適用範囲を州全体に拡大しました。

もうひとつの措置として、メトロの鉄道サービスと州間バスの運行は3月31日まで停止されています。インド鉄道も、3月31日まですべての旅客列車を運休することを決定しました。ただし、商品を運ぶ列車など一部の例外も存在します。

全長7億7,925万kmに及ぶネットワークは、インドの公共交通機関の生命線です。2019年に発表されたインド鉄道の年鑑によると、2018〜19年に鉄道は全国で80億人以上の乗客を運んだとされています。すべての旅客列車の運行が停止されることで、同国の人口の大部分が移動できなくなり、パンデミック下における不要な集会を避けるのに役立つと思われます。

特筆すべきこととして、鉄道は毎日約 9,000 本の旅客列車と 3,000 本の貨物列車を運行しています。また、この状況下でも、営業を継続する重要サービスには以下のものが含まれています。

・野菜、果物、牛乳などを含む食料品
・調理用ガスの供給
・電気通信サービス
・食品宅配
・Eコマース
・銀行/ATMサービス
・病院・薬局
・必要不可欠なニーズに対応した交通手段の利用可能性

N95マスク・手術用マスクや個人保護のための器具は、必要に応じて州に提供されており、州はこれらの十分な量を調達できていると、前出のアガルワル長官は述べています。

これからのインドの対策

日本時間3月23日14:00現在で、インドでのコロナウイルスの陽性反応は、359件以上が報告されています(政府発表による)。

世界保健機関(WHO)が強調しているにもかかわらず、3月中旬の時点で、インドは100万人あたり10件以下と、十分な検査を行っていないとして非難を受ています

しかし、当局はそのような批判は不当であると主張しています。ICMRのバルラム・バルガヴァ事務局長は22日、ニューデリーでメディアの取材に応じ、「インドはすでに15,000件以上の検査を完了しており、1日に10,000件の検査を行う能力がある」と述べました。

これはインドで1週間に60,000回から70,000回の試験ができることを意味しています。

バルガヴァは、世界の他の国々と比較しても、インドは十分な検査を実施できるとしています。

  • フランス:10,000回/週
  • イギリス:16,000回/週
  • アメリカ:26,000回/週
  • ドイツ:42,000回/週
  • イタリア:52,000回/週
  • 韓国:80,000回/週

政府が運営する国立ウイルス学研究所(NIV)の検査場の数は、1カ所から111カ所に増加しています。さらに、何千もの検査場のネットワークをもつ民間の研究所も増加しています。

バルガヴァは、そのうち約60もの研究所が政府に活動の許可を求めており、政府は迅速にそれらを承認しているとし、民間を含めて、毎日70,000件以上の検査を行える可能性があるので、市民に安心するように伝えています。

国は現在、旅行者や関係者だけでなく、症状を訴える者は皆検査してます。しかし、「無差別検査は海外から来た人がいればするものではない。今強調しているのはとにかく隔離、隔離、隔離だ」とバルカヴァは言います。「症状が出るまで、検査はしてはいけないのです」

(Text by Ananya Bhattacharya & Niharika Sharma, Translation by Yusuke Konishi)


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