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Asia:Google、FBがインド投資を続けるワケ

Image copyright: REUTERS/Sankalp Phartiyal
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This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
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Asia Explosion

爆発するアジア

Quartz読者のみなさん、こんにちは。コロナ禍以前から失速が伝えられていたインド経済。しかしながら、この国に対するテックジャイアントの期待は失われていません。その根拠とは? 英語版(参考)はこちら

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インド経済は決して良好とはいえません。しかし、世界最大手のテック企業にとって、インドへの賭けをやめるという選択肢はないようです。

7月13日、Googleは、今後5~7年間でインドに100億ドル(約1兆70億円)を投資することを発表しました。CEOのスンダー・ピチャイによると、この投資は新たなパートナーシップの構築や、より強固なインフラやエコシステムの構築に充てられるようです。同社はブログでも、「(この投資は)インドとそのデジタル経済の将来に対する我々の自信を反映したものです」と述べています。

先立つこと数カ月前、Facebookは、「活気に満ちたインドのデジタル経済」での地位をさらに強固なものにするべく、リライアンス・インダストリーズの子会社Jio Platformsに57億ドル(約6,140億円)を投資しました。さらに遡ること1月には、Amazonが今後5年間にわたるインドへの10億ドル(約1,100億円)の投資を約束しています。ジェフ・ベゾス率いる同社は、すでにインドに55億ドル以上を投資してもいます。

Image copyright: 2020年1月15日、ニューデリーにて。REUTERS/ANUSHREE FADNAVIS

今年、インド経済は40年ぶりの縮小期を迎え、その縮小幅は5〜10%にも及ぶと懸念されています。しかし、エコノミストたちは、テックジャイアントの賭けを驚くべきものではないと考えています。信用機関CARE RatingsのシニアエコノミストKavita Chackoは、次のように言います。

「長期的な視点から見ると、インドには基礎的な強さと、未開発ゆえの大きな可能性があります。インドは投資するに魅力的な選択肢なのです」

Dream of digital India

デジタル・インドの夢

現在、インドのインターネット人口は、世界第2位を誇っています。そして、さらに未開拓のままの巨大な消費者層が存在しています。2019年、インドのインターネットユーザー数は5億6,000万人でしたが、これは総人口の50%にも満たない数字です。

この国のデジタル経済がより活況を呈することは当然で、Google、Facebook、Amazonは“初期投資”を行っているのだ、と言う声もあります。

「インドには、素晴らしい人材が揃っています」と言うのは、インドアメリカ商工会議所(IACC)のNaushad Panjwaniです。

Panjawani氏は、「質の高い労働力に加え、流出していたタレントも、パンデミックで世界的に仕事が失われるなかで逆転することが予想されます」とも語ります。

ムンバイに拠点を置くソーシャルメディアマーケティング会社IntelliAssistの共同創設者Ami Shahは、Google、Facebook、Amazonの投資はインドにおけるデジタルの機会をさらに加速させると考えています。

「これからのインドでは、消費がさらに増え、テック系人材の採用が増加し、モバイル/インターネットの普及率はより高くなるでしょう。今のところ、経済全体に占めるインターネット経済のシェアは大きくはありません。が、グローバルな直接投資(FDI; foreign direct investments)が非常に重要な役割を果たしており、いくつものレイヤーにおいて事業の効率性を高めています」

こうした内部的な強みに加えて、外的要因もインドにとっては有効に働いています。

Because China…

中国は、閉じた

しばしば、インドは「次の中国」と言われています。そして、それこそが投資家にとってインドという選択肢を魅力的なものにしているようです。

「20年ほど前、中国のGDPは現在のインドと同程度でした。この20年間で中国のGDPは5倍に成長しています」と、前出のPanjwani氏は言います。「そして、インドも同様の成長を遂げる可能性があるのです」

COVID-19発生後、世界の中国に対する嫌悪感は高まっています。そしてそれゆえに、インドはメリットを得ています。例えば、米国に拠点をもつ約200の製造業各社は、その製造基盤を中国からのインドに移すことを模索しているともいわれています。

Image copyright: REUTERS/TYRONE SIU

また、中国は“閉ざされている”がゆえに、多くのグローバル企業にとっては選択肢にはなりにくいという側面もあります。

Panjawani氏は、「現在インドに投資している企業(Google、Facebook、Amazon)は、いずれも中国での営業を許可されていません。インドのポテンシャルの方が有意義なのです」とも言います。

A promising future

約束された未来、そして

FDIは、技術、インフラ、サプライチェーンをアップグレードするためのリソースを提供し、直接的/間接的に経済全体の成長に寄与するものだと、前出IntelliAssistのShah氏は言います。

デジタルインフラが強化されれば、同国の経済を支える中小企業の支援にもつながります。体験型旅行会社ZostelのCSOのAviral Guptaは、「(Google、Facebook、Amazonからの投資によって)いまだ組織化されていない小売のほか、通信やテクノロジーハードウェア、エドテック、フィンテックなどの分野が恩恵を受けるだろう」と言います。

もっとも、インド政府は、海外企業がこうした莫大な投資によって国内資源を自由に食い荒らすことがないようにしなければならないという面もあります。Gupta氏は、インド政府は国民の安全と安心を確保するためにも、強力なデータ保護法を制定する必要があると言います。

「ユーザーデータに対する企業の影響力がますます増大していることを監視するためにも、法規制は不可欠です。健全な競争にとっても不可欠で、他のインド企業に成長と革新の機会を提供することになるでしょう」

Image copyright: REUTERS

This week’s top stories

今週の注目ニュース4選

  1. 韓国の働き盛りは辛い。韓国の雇用状況は悪化の一途を辿っています。7月20日の統計庁の発表によると、6月の40代の雇用率は76.9%で、前年同月から1.6ポイント減少。同月基準として、アジア通貨危機の煽りを受けた1999年以来、21年ぶりの低水準。卸・小売業と製造業業界の状況が同時に悪化して40代の雇用を直撃したと、関係者はみています。全体の雇用率は同1.2ポイント減の60.4%でした。
  2. シンガポールの高級住宅は相変わらず…。6月18日の都市再開発庁(URA)の不動産情報システムのデータによると、直近での最も高額な取引は、シンガポール中央部にある高級コンドミニアム「アードモアパーク」内の約812平米のユニットで、1,985万米ドル(約2,130億円)で販売されました。不動産に明るいコンサルタントは、サーキットブレーカーの最中でも確固たる需要が存在していたと言います
  3. 映画チケット販売からの転身。新型コロナウイルス感染拡大が収まらないインドで打撃を受けるエンタメ業界。特に映画館は再開の目処が立たず、企業は生き残りをかけて新たな道を模索しています。国内最大のエンタメチケット販売プラットフォームを運営していたBookMyShowは、映画のチケット事業がストップしたことで、オンラインイベントのホスト事業を拡大。ロックダウンに突入して3カ月で750以上の家庭用コンテンツが提供され、最初の4週間で400万人の視聴があったそうです。
  4. TikTokは中国事業の拡充を計画。TikTokを運営するBytedance(字節跳動)が一部の投資家に対し、今後は中国事業に注力する方針を説明したと報じられました。新たなアプリを開発し、事業領域を拡大する計画だそうです。Bytedanceの今後について、IPOの可能性も報じられていますが、インドや米国によるTikTok禁止の動きを受け、評価は3割減少する可能性があります。

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