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Culture:コロナ後の「食べる」が変わる

This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
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Deep Dive: New Cool

これからのクール

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Quartz読者のみなさん、こんにちは。毎週金曜夕方の「Deep Dive」は、今、そしてこれから世界で起きるビジネス変革の背景にあるカルチャーを深掘りします。今日は、サステイナブルな取り組みとしても注目される「Farm to Fork」が、パンデミックでどのように消費者の意識を変化させたかを考えます。英語版はこちら(参考)。

REUTERS/WOLFGANG RATTAY

1年におよぶロックダウンによって、人びとはこれまでになく「健康的な食生活」を求めるなど、世界では食習慣に大きな変化起きています

そして、わたしたちの食事は、その「食料源」なしには語れません。

European Institute of Innovation & Technology(EIT Food)は、パンデミックによる人びとの行動変容のうち、食に関連するものを追跡するために、欧州10カ国の成人消費者5,000人を対象にインタビューを実施。その調査によると、回答者の約35%が「パンデミックが始まってから地元の食材を買うようになった」と答え、87%が「パンデミックが終わったとしても地元で食材を買い続ける」と回答しました。

farm-to-fork strategy

農場から食卓へ

この調査は、欧州委員会が2020年5月20日に発表した「farm-to-fork  strategy」(農場から食卓まで戦略)の声明に続いて行われました。

farm-to-fork  strategyとは、農家も企業も消費者も、自然環境も一体として考え、公平で持続可能な食料システムを構築する戦略のこと。この取り組みを進める背景には「人びとの健康、社会の健康、地球環境の健康のあいだには、切っても切れないつながりがある」というメッセージがあります。

さらにパンデミックが「わたしたちの健康、生態系、サプライチェーン、消費パターン、惑星の境界線のあいだの相互関係を強く認識させることになった」とも指摘されています。

Image copyright: John Thys/Pool via REUTERS

こうした動きは、ヨーロッパやその他先進国に限ったことではありません。例えば、インドでは特に都市部において、人びとがより地元で生産された食品を購入して食べようとするようになりました。

ロックダウン期間中にキッチンで過ごす時間が増えるなか、家事手伝いを他の誰かに頼むこともできず、あるいは自身の料理の腕を上げるために地元の農場から食材を調達することが新たな習慣になっていたのです。

FOR CONSUMERS

消費者に発信する

一方で、農場を営む人びとは、Instagramやその他のソーシャルメディアを利用して、エシカルで化学薬品を使用しない農産物、季節の果物や野菜、あるいは「地球のために」地元の農産物を購入することのメリットを消費者に啓蒙しました。

たとえば、インド・デリー郊外を拠点とする農家のコレクティブであるクリシ・クレス(Krishi Cress)は、サプライヤーとしてだけではなく、個人や家庭の消費者に向けて販売を始めました。

Image copyright: PHOTO VIA INSTAGRAM OF KRISHI CRESS

彼らは、ソーシャルメディアを活用してロックダウンで退屈しているインド人に向けたレシピを共有するシェフたちによって、助けられました。シェフと農場のコラボレーションは、レシピに必要なすべての材料を一度に注文できるキュレーションボックスのコンセプトにもつながりました。

ただし、食品廃棄物の削減と高品質の材料を価値提案の一部としている世界のミールキット産業は、2027年までに200億ドル(約2.07兆円)の産業になると予想されていますが、消費者がこのアイデアに長期的にコミットすることになるかどうかは未知数です。

CHANGING THE HABIT

食に対して慎重に

今回の調査では、地元での購入が増えたことに加えて、パンデミックの影響で、人々はまとめ買いやオンラインでの買い物が増え、より慎重に買い物をするようになったことが分かりました。

しかし、EIT Foodの調査結果の全てがポジティブなものだったわけではありません。多くの回答者が「生活をやりくりするのに苦労している」と報告しており、一部の消費者は手軽なスナックやアルコールに目を向けるようになりました。

「消費者は“一夜にして”消費活動を変え、ロックダウンが解除された後も『いつも通り』に戻るという兆しはありません」と、EIT Foodのコミュニケーション・ディレクター、サスキア・ヌイテン(Saskia Nuijten)は述べています。

食べることにより意識的になることは、病気に対する免疫力を高めることにもつながります。つまりこれは、生き延びるための変化のひとつなのかもしれません。

デリーとカシミールを行き来するフードライターのマリヤム・H・レジイ(Marryam H Reshii)は、「多くの人にとって、ペースダウンする時間があったのでしょう」と『Quartz』に話します。「(パンデミックによって)身近なところで病気を見た人もいれば、仕事を失った人もいる。これまでのように、消費者天国のような“何でもあり”の世界に戻る人はいないと思います」

This week’s top stories

今週の注目ニュース4選

  1. パンデミックで成長するアプリ業界。アップアニー(App Annie)が毎年発表している業界レポート「State of Mobile」によると、2020年のモバイルアプリのダウンロード数は前年比7%増の2,180億件となり、過去最高を記録しました。一方、消費者支出も20%増加し、中国、米国、日本、韓国、英国を含む市場が牽引し、全体で1,430億ドル(約14.9兆円)を記録しています。
  1. 「セルフコントロール」が長生きの秘訣。1,000人のニュージーランド人を出生時から追跡したコホート研究から、長生きの秘訣が見つかりました。デューク大学を中心とした23人の世界的な研究者のチームは、セルフコントロールの高いレベルを示した子どもたちが、より健康的で若々しい大人に成長し、ゆっくりと年齢を重ねることを発見。「ゆっくりと年齢を重ねる」とは、身体が生物学的に若く、脳が老化している兆候が通常の中年の人たちよりも少ないということです。
  1. 実は最高のタイミングだった? 文化的背景や金銭面から、「結婚する余裕がない」人が多かったミレニアル世代。しかし、このパンデミックによって婚約する人たちが増加しているといいます。婚約・結婚指輪の予約(パンデミックの影響で結婚式への支出などが減ったことが関係している)や、引っ越し先で住宅を購入する人々が増加(遠距離カップルは一緒に住んだほうが合理的)し、以前よりも「地に足をつけた」生活をし始めているようです。
  1. Garage』が休刊へ。ヴァイス・メディア・グループが発行していた、アートとファッションの雑誌『Garage』が、今年の春の発売を最後に休刊することが分かりました。同誌は、ロシア人のビジネスウーマンでアートコレクターのダーシャ・ズコバが2011年に創刊。昨年はコロナウイルスの影響で、広告予算が当初予定していた1,000万ドル(約10.4億円)から、400万ドル(約4.15億円)下回ると予測されていました。

(翻訳・編集:福津くるみ)

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