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Africa:#2 フィンテックの新展開

7月いっぱい、火曜の夜はアフリカのビジネスニュースやスタートアップ動向、その他の「アフリカのいま」を知るための情報をお届けしていきます。

Image copyright: REUTERS/ROGAN WARD
This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
  • Sota Toshiyoshi
By Sota Toshiyoshi

Editor in Chief (Quartz Japan)

Published

Quartz Japan読者のみなさん、こんばんは。先週の第1号はいかがでしたか? 7月いっぱい、火曜の夜はアフリカのビジネスニュースやスタートアップ動向、その他の「アフリカのいま」を知るための情報をお届けしていきます。

Image copyright: REUTERS/ROGAN WARD

Weekly Africa Insight

フィンテックの新展開

アフリカのスタートアップシーンで注目すべきセクターといえば、フィンテック。アフリカのスタートアップをウォッチし続けているウェブサイト『Disrupt Africa』によると、この数年、フィンテックはアフリカ大陸においてプレイヤーも資金調達額も最多のセクターであり、スタートアップの調達額は約9億ドルに及びます。

フィンテック企業は、革新的なデジタルシステムやインフラを通じて、従来の金融サービスをディスラプトしています。アフリカ大陸では、これまで決済や融資保険、投資などの分野が中心でしたが、いま、その対象は広範になっており、より多様なサービスを提供し、スケールアップしようとしています。

『Disrupt Africa』の新しいレポートでは、アフリカのフィンテック・スタートアップでの資金調達がどのように進んできたかが、さまざまなレンズを通して明らかにされています。例えば、フィンテックスタートアップが投資誘致でリードしていること。あるいは国別でみるとナイジェリア南アフリカケニアのフィンテックスタートアップが多額の資金提供を受けていること。さらには、アフリカのフィンテック投資のほとんどが決済・送金分野のスタートアップに対して行われていることなどが確認されています。

さらに、『Disrupt Africa』が初めて取り上げたカテゴリー「オープンバンキング」をはじめ、注目すべき点はまだまだあります。

銀行業界をディスラプトすると期待されているオープンバンキングは、サードパーティのアプリケーションを通じて消費者の銀行口座を管理できるシステムです。この分野はまだ新しく、プレイヤーも少ないのですが、『Disrupt Africa』ではナイジェリアのPngmeや南アフリカのtruIDをはじめ、6社をウォッチしています。

アフリカにおけるフィンテックの資金調達額は全体の1.8%を占めています。なかでも、オープンバンキングは「アフリカで発達したフィンテック市場において、とくに今後2、3年間、最も注目すべきものである」と報告書はまとめています。

STORIES THIS WEEK

アフリカ1週間

  1. 野心的な暗号化スタートアップの失敗。KuBitXの創業者たちは、QuartzのコントリビューターのChikezie Omejeに対して、自分たちがいかに独自の暗号化事業を構築しようとし、失敗したのかを説明してくれています。Quartzのこの記事は、アフリカのスタートアップが規模を拡大しようとする際に直面してきた障害についての興味を満たしてくれるでしょう。
  2. スタートアップの資金調達はまだ不公平。アフリカ大陸に対する投資家の関心が高まっているにもかかわらず、その資金のほとんどは、白人が率いるアフリカのスタートアップ企業に提供され続けています。Quartzでは、テック系スタートアップの起業に関して、アフリカ人の間に根深く残る不平等が増幅しているさまをレポートしています
  3. ウガンダ:インターネット利用に対する課税強化。2018年に施行されたソーシャルメディア税で成功を収めたウガンダは、今度はデータバンドルに12%の税金を課しました。Stephen Kafeeroが、言論をコントロールするための政府の最新の方法についてレポートしています
  4. エスワティニ:民主主義活動家の弾圧。アフリカ最後の君主制国家であるエスワティニ。南部内陸部のこの王国では、ここ数週間、民主化を求めるデモが行われ、多数の死者が出ています。デモ参加者を黙らせるために、政府はアフリカの権威主義政権が好む現代的な方法──すなわちインターネットの遮断に乗り出しています。
  5. モーリシャス:スマートシティの流れ。ナイジェリア、ケニア、セネガルなど、アフリカ大陸でもスマートシティのプロジェクトには事欠きません。壮大なユートピアのビジョンを示す目論見書はあっても、しかし実現可能性、実用性、現場での作業についての具体性はほとんど示されていません。Amindeh Blaise Atabongがモーリシャスのメディアシティが先行するプロジェクトの「落とし穴」について、探りました

CHARTING Covid-19 Vaccines

ワクチン打てども…

アフリカで投与されているCOVID-19ワクチンの約87%は、世界保健機関(WHO)で承認されているにもかかわらず、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)では認められていません。このため、アフリカ人やインド人の大多数は、ヨーロッパ人が受けたものと同じワクチンをインドで接種したとしても、現行のルールではEUに渡航することができません

DEALMAKER

スタートアップ動向

  • ナイジェリアとインドで事業を展開するネオバンクのFairMoneyが、シリーズB資金として4,200万ドルを調達。今回の資金調達は、Tiger Global Managementが主導し、既存の投資家DST PartnersFlourish VenturesNewfundSpeedinvestが参加しました。今回の資金調達により、FairMoneyは、コア市場でのサービスの多様化、優秀な人材の採用、顧客獲得の加速を目指します。
  • エジプトのB2B電子商取引プラットフォームであるMaxABが、国内およびMENA地域(中東・北アフリカ)での事業拡大のため、シリーズA資金として4,000万ドルを調達。このラウンドをリードしたのはRMBVIFCFlourish VenturesCrystal Stream CapitalRise CapitalEndeavour CatalystBeco Capital4DX Venturesが参加しました。
  • 北米とアフリカの間で事業を展開しているモロッコのフィンテック・スタートアップYalla Xashは、さらなる国際展開のために67万5,000ドルを調達。投資元は、Maroc Numeric Fund II。Yalla Xashのアプリは、カナダや米国に住むモロッコ人が自国への送金を可能にします。今回の投資は、その他の国際展開を支援するものです。

OTHER THINGS WE LIKED

その他、気になったこと

  1. エジプトの刑務所で性的虐待が横行。カイロでは、若い女性が逮捕されると、それが些細な犯罪であっても、体を触られたり裸にされたりといった性的暴行が横行していることを『New York Times』が明らかにしています。家父長制社会が根強く残るエジプトでは、警官(男女を問わず)がこうした虐待の責任を問われ罰せられることはほとんどありません。
  2. Zamrockに何が起きたのか? 英国のバンドから多大な影響を受けたザンビア生まれのロック、ザムロック(Zamrock)。このジャンルは1970年代に一世を風靡したものの、経済危機や近隣諸国との紛争あるいはエイズの蔓延などによって、世界ではその勢いを失ってしまいました。『Guardian』のJames Balmontが、ザムロックを代表するバンド・ウィッチ(1973〜80s)のフロントマンであるJagariに密着し、その栄光の日々と希望に満ちた復活を綴っています。
  3. 南アフリカでポッドキャストがマス化。南アフリカのメディア界では、ポッドキャストが「ニッチ」な地位を超えて注目を集め、今年に入って爆発的に普及しています。Sabelo Mkhabelaは『Mail & Guardian』に寄稿し、ポッドキャストが南アフリカのポップカルチャーをいかに牽引しているか、また、ビジネスとして成り立つかどうかを説明してくれています。
  4. KKは米国に味方を見つけた。初代大統領として1964〜91年までザンビアを率いたケネス・カウンダ(Kenneth David Kaunda, 1924〜2021)。彼の、人種差別や植民地主義、病気のないアフリカを目指すというビジョンは、その死後も語られるところです。しかし、アンディ・デローシュが『Africa is a Country』で書いているように、その活動の根底には、複雑かつ曰く言いがたい米国との関係性があったようです。
  5. ケニアの八百長、ヤミ金のゆくえ。ケニアのサッカー界では、オンライン・スポーツベッティングの台頭と法整備の不備により、八百長が蔓延しています。『New Frame』がその起源と地元のスポーツベッティング会社を含めた経済的影響を追跡し報道しています

ICYMI

今週のToDo

  • 13日は、メディアで語らえる「アフリカ」について考えるAfrica No Filterでは、アフリカのナラティブを定義する上でのメディアの役割に関するウェビナーシリーズが開催されます。
  • 15日は、北アフリカのコロナ後を知るAfrican Businessは、法律事務所ホーガン・ロヴェルズと共同で、北アフリカのパンデミック後の成長を牽引する産業に焦点を当てたシリーズを開催します。(7月)
  • 16日は、金融のイロハを学ぶB Lab East Africaは、ケニアの女性ビジネスマンを対象とした金融リテラシープログラムを実施。このワンデイ・イベントでは、ビジネスの効率化、インパクトのあるビジネスモデル、スケールアップのための金融資本へのアクセスについて語られる予定です。

🎵 今週の「Weekly Africa」は、Be Kuduroの「Mauro Roda – Esse é o Foi」を聴きながらお届けしました。

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