Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。今日も「世界で今起きている事」をお伝えします。
- サウジアラビアが原油の価格を人民元建てに変更するかもしれない。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、中国政府と交渉中のこの案は、国際石油市場で米ドルが支配的地位を築いていることと、米国との安全保障上の取り決めに対するサウジ側の不満を受けたものです。
Saudi Arabia may price oil in yuan. The change would come after the US dollar’s stronghold on the global petroleum market, according to The Wall Street Journal. - 欧州の首脳がキエフに向かった。チェコ、ポーランド、スロベニアの首相は、ロシアが首都キエフに侵攻するなか、ウクライナとの連帯を示すために、この地を訪れました。ジョー・バイデン米大統領も来週欧州を訪れ、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する予定です。
European leaders headed to Kyiv. The prime ministers from Czech Republic, Poland, and Slovenia made the trip in a show of solidarity with Ukraine as Russia advances on the capital. US president Joe Biden will also travel to Europe next week to meet with NATO officials. - ロシアが欧州評議会から脱退。人権保護などを目的とする国際機関である欧州評議会は、ウクライナ侵攻を理由にロシアの除名をめぐる採決を実施する予定でしたが、ロシアはその数時間前に脱退を表明しました。これとは別に、ロシアは本日(16日)、ドル建てロシア国債の利息の支払日を迎える予定で、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性があります。
Russia withdrew from the Council of Europe. The departure is preemptive of the human rights watchdog kicking the country out for attacking Ukraine. Separately, Russia has some debt due today, and it may default. - 中国で新型コロナウイルスの新規感染者数が倍増した。中国の感染者数はいまだに他国を大きく下回っていますが、「ゼロコロナ」対策により、同国の経済ハブが弱体化する可能性があります。
New covid cases doubled in China. Though counts remain well below other countries’, zero-covid measures could weaken the country’s economic hubs. - アマゾンによるMGM買収はハードルを乗り越えた。欧州の規制当局は、米国のEコマース大手のアマゾンが米映画会社、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収する取引について、反トラスト法上の懸念は見つからなかった、としています。
Amazon’s MGM takeover jumped a hurdle. European regulators didn’t find antitrust concerns between the US e-commerce giant and the media company. - テスラが値上げ。米EVメーカーのテスラ(Tesla)が米国と中国での値上げを発表する前に、イーロン・マスクCEOはインフレによる原材料費への影響について警告していました。一方、フォルクスワーゲン(Volkswagen)はすでに2022年分のEVの一部を完売しています。
Tesla raised prices. Before hikes on models in the US and China were announced, CEO Elon Musk had warned about the effects of inflation on the cost of raw materials. Meanwhile, Volkswagen already sold out of some of its electric vehicles for this year.
What to watch for
ゼロ対策が与える影響
アップルのiPhoneの生産を請け負う台湾のフォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology Group、鴻海科技集団)は、中国・深圳にある2つの工場を閉鎖したまま、本日(16日)、決算を発表します。中国政府は、COVID-19の感染者数増加を受けて、3月14日から1週間、この地域の不要不急の事業をすべて停止するよう命じました。フォックスコンは生産を他の工場にシフトして混乱を抑えることを宣言しましたが、ロックダウンが長引けば、新商品を発表したばかりのアップルにとって供給上の問題が発生する可能性があります。
深圳に主要な事業所を持つほかの企業と同様に、フォックスコンも中国政府のロックダウン発表後に株価が下落しました。経営陣は本日の決算説明会で投資家を安心させようとするでしょう。しかし、この出来事は、世界経済がパンデミックによる供給ショックに対して依然として脆弱であることを浮き彫りにしています。とくに、「ゼロコロナ」対策に固執し、たとえ小規模な感染発生でも、広範囲にロックダウンを実施している中国でのビジネスに、これは言えることでしょう。
The world has never needed less oil
世界が必要な石油量
原油価格は下がっているかもしれませんが、米国に続いてロシア産原油の輸入を禁止する国が増えれば、価格は再び急騰し、ここ数十年で最高水準となる可能性があります。良いニュースといえば、世界経済はこれまで以上に効率的に原油を使用しているため、かつてでは考えられないほど、原油価格の高騰にあまり影響を受けていません。
悪い面としては、ロシアから入ってきているエネルギー源は原油だけでなく、現在では石炭もほとんど入ってきていないため、石炭の価格は高騰しています。各国がエネルギーを他国に依存することの脆弱性を痛感するなかで、このような化石燃料の高騰が、再生可能エネルギーの開発を加速させる可能性があるという意味では、なかば良いニュースであるとも言えるでしょう。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- コンテナ船「エバーギブン」の姉妹船が立ち往生している。「エバーフォワード」は、米メリーランド州のチェサピーク湾で座礁してしまいました。
- キングコブラは4種で構成されている。長年にわたる毒ヘビの捕獲と新しい技術によって、その発見につながりました。
- iTunesのシングルは、決して人気がないわけではない。ストリーミングによって音楽業界の収益が回復した一方、デジタルダウンロードは救いようがないほどの衰退に追い込まれています。
- 科学者たちは「ヨークシャーのアトランティス」を探している。地質学者によれば、1362年に嵐で水没した港町の再発見に近づいているそうです。
- NASAの宇宙飛行士が、宇宙飛行の最長記録を更新。これまでの記録は340日と8時間42分でした。
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