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Obsession:英首相、なぜ辞める?

辞意を表明したボリス・ジョンソン。でも、なぜ辞めるの? 反ジョンソンを主張した閣僚は? 英国政府はどうなる? 彼のやったことって?

Boris Johnson
This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
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週に一度、夜にお届けする日本版ニュースレター「Obsessions」では、グローバル版の人気シリーズ「Obsessions」の翻訳をはじめとするレポート、インサイトをお送りしていきます。

2019年から英国首相を務め、2016年のブレグジットキャンペーンでは急先鋒でもあったボリス・ジョンソンが、本日辞任することになりました

ジョンソンの辞任は、保守党からの激しい反発を受けたもので、この間、火曜日の夜から36時間の間に50人以上の閣僚・高官らが辞任。閣僚からも、リシ・スナック財務相とサジド・ジャビット保健相が政府を去りました。辞任した者の多くは、ジョンソンの下ではもはや務められないと語っており、ほとんどがジョンソンの退陣を求めました。

ジョンソンは近く声明を発表するとみられています。

Why Boris Johnson quit

なぜ辞めるの?

とりわけこの数カ月間、ジョンソン政権およびジョンソン自身を苦しめてきたのが、度重なるスキャンダルと批判の声でした。

ジョンソンは4月、英国でのCOVID-19ロックダウン期間中にもかかわらず複数のパーティーに出席、あるいは参加を許可したとして、罰金を科されました(少なくとも1回のパーティーは、彼の公邸であるダウニング街10番地で開催されたもの)。

6月には倫理顧問であるクリストファー・ガイトが辞任。さらに同月下旬、2つの選挙区で行われた補欠選挙で保守党は大差で敗れ、党による統制が不安定になりつつあることも明らかになりました。

さらに6月末、保守党の副幹事長に任命されていたクリス・ピンチャーが、会員制プライベートクラブで2人の客に手を出したとの告発を受けて辞任したことが決定打となりました。ジョンソンはピンチャーを起用した際には、彼の過去の疑惑について詳細を聞かされていなかったとしていましたが、あとになってこの問題について説明を受けていたことを認めました。

resignations and calls to leave

反ジョンソンの閣僚

ジャビットとスナックの2閣僚が相次いで辞任した後、ジョンソンが直面したのは、さらに多くの閣僚が職を辞し、彼のリーダーシップの下から距離を置くという事態でした。ただし、ジョンソンの辞任を求めながら自らの進退については残留を選んだ閣僚もいました。

ブレグジット派の中心人物でもあるマイケル・ゴーブ(レベリングアップ・住宅・コミュニティ担当相)は6日水曜日にジョンソンに辞任を求め、その後即座に解雇されています。プリティ・パテル(内務大臣)も同じく辞任を求めたとされていますが、自分はそのポストに留まりました。

本日(7月7日)、ジョンソン氏がわずか1日前に財務相に指名したナディム・ザハウィ前教育相は、ツイートでジョンソン氏に辞任するよう求めており、新教育相に任命されたミシェル・ドネランは、24時間以内に辞任しています。

What happens next?

英国政府はどうなる?

報道では、ジョンソンは今秋まで首相の座に留まり、その間に党が新リーダーを選出すると伝えられています。しかし、そのプロセスを決めるのは保守党です。保守党党員の多くは、ジョンソン不支持の声がここまで高まる前に身を引かずに政権にしがみつくことを選んだことに怒りを表明しています。

ジョンソンが即座の退陣を余儀なくされた場合、その職は暫定首相が務めることになります。2020年にジョンソンが牛疫で入院していた際にその職務を果たしたドミニク・ラーブ副首相が、その候補者のひとりとして挙がっています。

保守党の新しいリーダーが選出される際には、候補者を決めるために総選挙が実施される可能性もあります。党内で新党首を選出し、その人物が次期英国首相となることもあります。

候補者は多く、ペニー・モーダント(元国防長官)のほか、前出のスナックやザハウィ、ジャビット、ゴーブ、あるいはベン・ウォレス(国防長官)のほか、最近ロシア・ウクライナとの取引が話題になったリズ・トラス(外相)、ブレグジット強硬派のスティーブ・ベーカー、ジェレミー・ハント(元保健長官)、党首選に立候補すると言いながら自分は辞任しなかったステラ・ブラヴァーマン(司法長官)などの名前が挙がっています。

Boris Johnson’s legacy

彼のやったこと

ジョンソンの任期中には、3つの大きな出来事がありました。

  • ブレグジット。ジョンソンがテリーザ・メイの後を継いだのは2019年。当時、英国は2016年に英国人の過半数が投票したブレグジットに関する協議に巻き込まれていました。北アイルランドをめぐる難問は未解決のままですが、長い時間と大きな経済的コストを支払ったうえで、彼は実際に国をEUから離脱させました。
  • COVID-19。ジョンソンは、パンデミックの全期間を通じて首相を務めてきました。国家的なロックダウンを命じるとともに、それを無視したわけです。特筆すべき点として、彼は大規模なワクチン展開を指揮し、結果として英国民は、他国よりも迅速に大量のワクチン接種・ブーストを受けることができました。
  • ウクライナ問題。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、ジョンソンは侵攻を批判し、ウクライナの支援者となっています。この支援には、ロシア経済への制裁や、38億ポンド(約6,183億円)の軍事支援などが含まれています。
本日のメールは、Cassie Werberによるものです。日本版の編集は年吉聡太が担当しています。

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