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Africa:告発されたユニコーン

今日から「Africa」ニュースレターをアップデート。注目スタートアップのみならず、最新ニュースをピックアップしてお届けします。

This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
Published
アフリカのいまを知ることは、世界のビジネスの未来の可能性を知ること──今日から「Africa」ニュースレターをアップデート。注目のスタートアップのみならず、最新ニュースをピックアップしてお届けします。

今日のニュースレター目次

  1. アフリカで起きている事(今週の注目ニュース)
  1. チャートでみる:エチオピアのインフレ
  1. 今週の注目ディール:Autochek(ナイジェリア)
  1. 今週のスタートアップ:Sendy(ケニア)
  1. ファウンダーに訊く:マライカ・ジャッド(Sendy CFO)
  1. メディアが語るアフリカ(海外メディアで報じられたニュースピックアップ)

STORIES THIS WEEK

アフリカで起きている事

  1. Flutterwaveがまたもやトラブルに。ケニア当局はナイジェリアを代表するユニコーン企業、Flutterwaveを5,200万ドル(約70億7,675万円)規模のマネーロンダリングに関与しているとして告発しました
  1. ザンビアは「バーチャルカード」を歓迎する。ザンビアのフィンテック企業であるUnion54は、キャッシュレス社会が銀行口座を持たないアフリカの人々の助けになると考えています。都市部を除けば経済的に疎外されていることの多いアフリカの人々にとって、バーチャルクレジットカードはEコマースを利用するための唯一の選択肢になる可能性があります
  1. ジンバブエの送金市場で競争が激化。ジンバブエでは国内外のフィンテック企業が十数億ドル規模の送金市場に参入しようと躍起になっています。同国では国外に居住している人が故郷にいる家族や友人に送金することが多く、送金市場が急成長する要因にもなっています。
  1. タンザニアの鉄道が「電車」になった。タンザニアでは政府が新たに購入した42台の電気列車の試運転を始めました。これはタンザニアによるCO2排出量削減の取り組みのひとつです。
  1. オンラインバンキング普及が進まない原因は? メタは「WhatsApp」でメッセージを送るのと同じくらい手軽かつ迅速な送金の実現を目指しています。しかし、言語の壁や認知度の低さなどが原因でWhatsAppのオンラインバンキングサービスはなかなか普及が進んでいません。
  1. トルコがスーダンの土地に再び興味を示している。食料不足に悩むトルコ政府は、スーダンの農地をリースして自国で生産できない作物を生産する計画を発表しました。トルコは2016年にも類似したリース計画を発表していましたが、その際は所有権や食料の貯蔵方法、安全保障上の問題などからプロジェクトが頓挫していました。トルコ政府いわく、今回の計画は以前とは方法が違うということです。

HYPERINFLATION IN ETHIOPIA

チャートでみる

エチオピア人にとってインフレとの戦いは珍しいことではありません。世界市場が安定していた時代から同国の消費財の価格は常に不安定で、2000年代以降エチオピアのインフレ率が10%を下回ったのはたった5年です。特にこの1年はインフレ率が常に25%を超えており、これは過去10年で初めての出来事です。

労働者階級にとっては、生活もままならない状況が続いています。同国では長年にわたり賃金の支払が停滞を続けており、エチオピアは世界で最も賃金が低い国のひとつとなっているのです。政府は2022年5月に37%だったインフレ率を11%に下げようとしましたが、これも度重なる失策のひとつとなりました。

DEALMAKER

今週の注目ディール

自動車マーケットプレイスの運営を手がけるナイジェリアのAutochekが、アフリカのフランス語圏諸国でマーケットプレイスを展開するCoinAfriqueを買収しました。今回の買収はセネガルとコートジボワールにおける自動車融資サービスの普及を目的としており、買収価格は非公開です。

THE CASE STUDY

今週のスタートアップ

企業名:Sendy
業界:物流
本社所在地:ケニア
評価額:8,000万ドル〜1億2,000万ドル(Dealroom.coによる推定)

Sendyは2014年にメシャック・アロイ(Meshack Alloys)とマライカ・ジャッド(Malaika Judd)、ドン・オコス(Don Okoth)、エヴァンソン・ビウォット(Evanson Biwott)の4人がケニアで共同創業した会社です。創業当時は企業や個人の顧客とライダーやドライバーをつなぐオンデマンド型配達プラットフォームを展開していました。

走行距離に応じた課金という透明性の高い料金体系リアルタイムの追跡機能強いセキュリティ、そして物流コストを把握するための分析機能もついたこのサービスは、特にオンラインで商品を販売する企業の間で瞬く間に人気を博しました。サービス開始からこれまでに、Sendyは1万社以上の企業にサービスを提供しています。

2015年11月、Sendyは当時Safaricomが立ち上げたばかりだった投資ファンドSpark Fundの最初の投資先となりました。この際、Spark FundはSendyについて「この分野でナンバーワンかツーになる可能性を秘めている」 とコメントしています。

Sendyはその後も成長を続け、数百万ドル規模の投資に支えられながらサービスを充実させてきました。2019年にはオランダのインパクト投資ファンドであるGoodwell Investmentsから200万ドル(約2億7,218万円)を調達し、さらに翌年の2020年にはAtlantica Venturesが主導するシリーズBラウンドで2,000万ドル(約27億2,182万円)を調達しています。このラウンドにはトヨタの投資部門である豊田通商株式会社も参加しました。

そして2021年の第4四半期、Sendyは商品をA地点からB地点へ届ける配送会社から、アフリカ大陸中のeコマースブランドや消費者ブランドをターゲットにしたフルフィルメント・インフラストラクチャのプロバイダーへと軸足を移しました。いまや同社のプラットフォームでは、小売業者がサプライヤーから在庫を直接購入できるようになったほか、無料の翌日配送や柔軟な在庫ファイナンスといったサービスも提供されています。

Sendyは現在、ケニアウガンダナイジェリアで事業を展開しているほか、2021年にはコートジボワールとセネガルで5,000人以上のドライバーをネットワークにもつデジタル物流のスタートアップ、Kamtarへの戦略的株式投資を通してコートジボワールにも進出しました。

世界経済フォーラム(WEF)の「Technology Pioneers 2022」の100社にも選出されたSendyは、現在シリーズCラウンドで1億ドル(約136億914万円)の資金調達を目指しています。ここで調達した資金はナイジェリアとコートジボワールでの事業拡大に使われる予定ですが、同社はエジプト南アフリカガーナなどの市場への進出も視野に入れているということです。

IN CONVERSATION WITH

ファウンダーに訊く

Malaika Judd

マライカ・ジャッドは、センディの最高経営責任者(CFO)兼共同創業者です。

🧰 軸足を配送サービスからフルフィルメント・インフラの構築に移行したことについて:

「わたしたちが提供するサービスの軸は、フルフィルメント(倉庫や在庫の管理、ラストワンマイルソリューション)とB2Bコマース、金融サービスを組み合わせたものです。小売業者がメーカーや流通業者と直接取引できるようにすることで、必要な商品をすべて手に入れられるようなマーケットプレイスをつくり、業者が複数のサプライヤーからモノを購入する手間やコストを減らしたいと考えました。わたしたちのプラットフォームを利用している業者の数は前四半期比で80%以上増加しました」

🛵 電気自動車の導入について:

「電気自動車を導入したことで燃料価格の高騰からパートナー企業を守り、また温室効果ガスの削減も実現しました。わたしたちはESGへの貢献の一環として電動ヴァンを導入し、環境への取り組みをさらに進める予定です」

🗺️  Kamtarへの投資を通じた西アフリカ進出について:

「Kamtarへの投資では、両社間のシナジーによってコートジボワールでの市場優位性を維持できたので、大きな収穫がありました。わたしたちが西アフリカのフランス語圏の国々への事業拡大を目指す上でも、戦略的によいポジションにつけたと思っています」

💰 小売業向けの在庫ファイナンスの導入について:

「わたしたちはこれまでも、小売業者が与信によってわたしたちのサービスを利用できるよう、ベンダー向けのトレードファイナンスを提供してきました。このサービスはプラットフォームへの加盟や顧客維持につながり、結果としてフルフィルメントサービスの成長に大いに貢献したと言えます。フルフィルメントサービスの拡大を加速させるべく、いまわたしたちは独自の顧客契約や目標、独自の信用スコアリング・アルゴリズムをもった専門チームを立ち上げ、このサービスを正式に立ち上げようとしています」
今日のニュースレターは、Quartz Africaチームがお送りしています。翻訳はAsuka Kawanabe、編集はSota Toshiyoshiが担当しました。

OTHER THINGS WE LIKED

メディアが語るアフリカ

Image copyright: REUTERS/Rey Byhre
  • ブラザヴィルの「サプール」たち。『Avaunt Magazine』のソフィ・ロバーツ(Sophy Roberts)は、コンゴ共和国のSociety of Ambiance-Creators and Elegant People(おしゃれで優雅な紳士協会)、略して「SAPE」のメンバーを訪ねました。フランスによる植民地支配への抵抗に起源をもつ「Sapeurism(サプリズム)」は単なるファッションの哲学ではなく、20世紀を通じて発展してきた明確なイデオロギーです。
  • NBA、アフリカでスラムダンクを目指す。NBAと国際バスケットボール連盟が共同で運営する「バスケットボールアフリカリーグ(BAL)」は、アフリカの若者たちにとって何を意味するのでしょうか? 『Quartz』の元特派員でもあるオマール・モハマド(Omar Mohammed)が『The Guardian』紙に寄稿しています
  • エチオピアで激化する民族虐殺。エチオピアのオロミアで2度目の虐殺が行なわれたという申し立てが、この国の北部で起きている内戦に拍車をかけていると『The New York Times』のアブディ・ラティフ・ダヒル(Abdi Latif Dahir)が報じています。
  • ツイッターの怠慢とケニアの民主主義。政治家がツイッターを利用して虚偽の情報やヘイトスピーチを広め、反対意見を封殺しているにもかかわらず、ツイッターは何もしていない──。『The Elephant』のオダンガ・マドゥング(Odanga Madung)がそうしたケニアの現状を説明しています

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