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Weekend:気候非常事態に意味はあるか

今週最も気になったニュースを深掘りしてお伝えします。7月最後の金曜日、今週は米大統領が進める気候変動政策について。

This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
  • Sota Toshiyoshi
By Sota Toshiyoshi

Editor in Chief (Quartz Japan)

Published
Topic of this week: バイデン米大統領、猛暑対策を発表。ただし、気候変動への緊急事態宣言はしない方向──The Guardian

各国の首脳が宣言しているかどうかにかかわらず、わたしたちは気候の非常事態に直面しています。これは、ロンドンや米オクラホマ州ロートンで先週、熱波が過去最高気温の記録を塗り替えるずっと以前から始まっていたものです。竜巻やハリケーンが比較的狭い進路をとるのとは異なり、地球の熱は(その影響は均等でも人口比例でもありませんが)わたしたち全員を脅かしています。

では、(もしあなたが幸運にも所有しているのならば)エアコンをより頻繁に稼働させて気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を悪化させる以外に、どのような対応が適切なのでしょうか?

小さな都市から国全体まで、気候の緊急事態を宣言する拘束力のある決議をした行政機関は世界で2,248に及びますが、この問題はその視野をはるかに超えたものです。ある意味では、世界で最も強力な役職をも凌駕しているかもしれません。石油輸出の停止など思い切った行動を取るために、ジョー・バイデン米大統領はその権限の行使を迫られていますが、事態はすでにそれによって対応できる状況を超えているのです。

バイデンはこれまで、気候の非常事態を宣言するよう求める圧力に抵抗してきましたが、それも当然のことです。大統領令は政治的に民主党にとって逆風になる可能性があり、世界の気温上昇を抑制するための法案を成立させるという希望が失われかねないからです。そして現時点では、Quartzの気候レポーターであるTim McDonnellが指摘するように、気候変動に賢く対処する方法は、「1人の大統領の就任期間よりも長く続く規制や税制改革を通じて行われる、広範な経済改革」以外にはないのです。

いずれにせよ、先週、英国の温度計が史上初めて40℃(104º F)を記録したことを考えると、科学者が何年も前から主張してきたことを政治家が肯定する必要があるという考えは、馬鹿げているように思えます。いま必要なのは大胆な行動であって、さらなる熱気ではないのです。

The Backstory

背景を整理する

  • バイデンは6月、再生可能エネルギー製造を加速させるために、その権限を行使しました。しかし、ウクライナ戦争とガソリン価格の高騰を受け、彼が緊急権限を行使して石油の掘削を抑制したり、米国の化石燃料輸出を制限しようとする可能性は低いとみられます。
  • ガソリン価格高騰は、大きな政治的脅威です。バイデンはそれを封じ込めようと躍起になっており、7月15日、彼は最近のサウジアラビア訪問についての発言の中で、「私はアメリカ合衆国のために(石油の)供給を増やすため、できることはすべてやっている」と述べました。
  • この戦略は、環境に関するバイデン政権の長期目標とは矛盾します。ただし、ガソリン価格の抑制がインフレのペースを遅らせるという点では、目標達成に資するかもしれません。バイデンの気候変動対策への主要抵抗勢力である民主党のジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州選出)は先週、彼にとっての最優先課題はインフレ対策であり、翌月にインフレ率が下がれば、気候変動対策を再検討するつもりだ述べています

WHAT’S YOUR EMERGENCY?

気候非常事態宣言って?

最初の気候非常事態宣言(Climate Emergency Declaration、CED)は、2016年、オーストラリアのデアビン市によって宣言されました。環境保護運動家が宣言の現状を追跡するために立ち上げた組織「Cedamia」によると、現在、世界人口の14%が何らかの形で正式に気候非常事態宣言の対象となっています。

WHAT TO WATCH FOR NEXT

注目すべき動き

こうした気候非常事態宣言は、今後も増え続けるのでしょうか? この2週間で、英国のノース・ヨークシャー郡議会とスウィンドン市議会が気候に関する非常事態宣言を行い、日本では広島市も同様の宣言をしています。

しかし、世界最大の排出国はまだこうした動きに続いていません。何らかの形で気候非常事態宣言の影響下にあるのは、米国の人口のわずか13%、中国の人口に至っては0%です。

今日のニュースレターは、QuartzのHeather Landy(エグゼクティブ・エディター)がお届けしました。

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