DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。8月23日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- フォードが3,000人の雇用を削減する。この人員削減は、自動車メーカーのフォード(Ford)が電気自動車に照準を合わせるなかで進められており、主に北米とインドの従業員が対象となります。
Ford is shedding 3,000 jobs. The cuts will mostly affect workers in North America and India, and comes as the carmaker focuses its sights on electric vehicles. - ブリティッシュ・エアウェイズは、1万便のフライトをキャンセル。慢性的な人員不足に加え、ロンドン・ヒースロー空港が旅客数の制限措置を延長したことで、ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)は航空券販売の縮小を余儀なくされています。
BritishAirways is canceling 10,000 flights. Persistent staff shortages and an extended visitor cap at Heathrow Airport has forced the airline to sell fewer trips. - フランスのスーパーマーケットチェーン、カルフールは、商品100点の価格を100日間凍結する。この決定は、ライバルのルクレール(E.Leclerc)が消費者のインフレ対策を支援するために行った同様の動きに続くものです。
French supermarket chain Carrefour will freeze prices on 100 products for 100 days. The decision follows a similar move by competitor E.Leclerc to help consumers tackle inflation. - パキスタンの元指導者、イムラン・カーンが「反テロ」法違反容疑で訴追された。元クリケット選手でもあるカーン元首相は、自身の集会でパキスタン当局に対するヘイトスピーチを行った疑いがもたれています。
Former Pakistani leader Imran Khan was charged under an“anti-terror” law. The former cricketer has beenaccused of engagingin hate speech against the country’s authorities at his rallies. - バングラデシュは節電のために新たな手段を講じた…。ロシアのウクライナ侵攻に関連したエネルギーコストの増加による燃料不足に対処するため、学校やオフィスの営業時間を短縮することになりました。
Bangladesh took new steps to save power…School and office hours will be cut tocope with fuel shortages due to increased energy costs associated withRussia’s war in Ukraine. - …一方、キプロスではガスが見つかる。「Cronos-1」で発見された堆積物には、約2.5兆立方フィートの天然ガスが含まれると推定されています。
…while Cyprus found more gas. The deposit discovered at the Cronos-1 well is estimated to contain around 2.5 trillion cubic feet of natural gas. - 弁護士のストライキにより、イングランドとウェールズの裁判所が混乱する可能性がある。刑事事件を担当する法廷弁護士たちは、9月5日から法服とかつらを脱ぐ予定で、ストライキの終了のめどは立っていません。
A lawyer strike could disrupt courts in England and Wales. Criminal barristers will hang their robes and wigs starting Sept. 5, with no end date in sight.
What to watch for
迫るネクストステップ
NFTの台頭を可能にしたブロックチェーンプラットフォーム、イーサリアムが、クリプト界隈で最注目の試みをスタートさせようとしています。
その試みとは、「プルーフ・オブ・ワーク」(PoW)から「プルーフ・オブ・ステーク」(PoS)への移行。タイミングは、9月15日前後が予定されています。イーサリアム財団によれば、この移行によってマイニングにかかる消費電力は99%削減されることになります。つまり、炭素排出量もまた、99%削減されるということです。
この移行は、イーサリアムにとっては待ち望まれたアップグレードです。同時に、イーサリアムのみならず、より持続可能かつ安全なコンセンサスメカニズムへの切り替えだといえます。
この移行──「マージ(統合)」と呼ばれるプロセス──に立ちはだかる大きな試練のひとつは、PoSが巨大なるイーサリアムのスケールで機能するかどうかという点です。また、マイニングの機器にこれまで何千ドルも投資してきた人たちにとっても大打撃となるでしょう。移行後もそのままマイニングを続けることを選ぶマイナーもいるでしょうが、おそらく彼らの収益性は落ちることになるはずです。
The battle of the prequel
二大「前日譚」の戦い
この週末、HBOでは人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚となる「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の放送が始まりました(日本では22日から配信開始)。あまりに高い需要から、ストリーミングサービスでは複数の障害が発生していたほどです。
そして「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」に遅れること9月2日には、Amazon Primeで「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚、「The Lord of the Rings: The Rings of Power」が公開される予定です。
両者を比べると、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の方が、配信が始まる前からより多くの熱狂を集めていたようです。Google Trendsの過去30日間のデータによると、この竜の物語が、J・R・R・トールキン原作の剣と魔法の物語をベースにした新作よりもはるかに多くの潜在的視聴者の関心を集めていることがわかります(両作品の最初の予告編が公開された6月までは、両作品の検索回数はほぼ同じでした)。
Amazonの“オリジナルコンテンツ制作スタジオ”としての足場はいまだ盤石とはいえないのは明らかでしょう。HBOは「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のマーケティングでも予算を抑え上手にやりくりしています(語学学習サービス「Duolingo」で実施した作品内の架空の言語「『高地ヴァリリア語』の学習コース」はいい感じでした)。アマゾンには、それらの取り組みから学ぶべきことがありそうです。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- ブラジルは、独立記念式典の中心に初代皇帝の心臓を据えている。ペドロ1世(Dom Pedro I)の防腐処理された心臓は、独立200周年を記念してポルトガルから一時的に贈られたものです。
- 1970年代のApple-1コンピュータのプロトタイプが、オークションで70万ドル近い価格で落札された。競売関係者は、これを「スティーブ・ジョブズとアップルを記念する聖杯のようなもの」と表現しました。
- 「ウェールズのアトランティス」の物語は、結局のところ史実に根ざしているのかもしれない。中世の地図には、現在は姿を消したケレディジョン沖の2つの島が描かれていました。
- 銀行支店で牛が大暴れ。ブルマーケット(強気相場)は歓迎ですが…。
- 謎に包まれた古代エラム文字に対する新しい解釈が、研究者を分裂させた。フランスの研究者は72文字を解読したと主張していますが、誰もが納得しているわけではありません。