Daily Brief:アップルのインドシフト

8月24日、世界で今起きていること。アップルは最新モデル「iPhone 14」について、インドでの生産を始めるとみられています。

DAILY BRIEF

世界で今起きていること

Quartz読者の皆さん、おはようございます。8月24日の「世界で今起きていること」をお届けします。

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Photo: Adnan Abidi (Reuters)
  1. アップルは、インドと中国の間でiPhoneの「組み立て格差」を縮めようとしている。アップルは最新モデル「iPhone 14」について、中国でのリリースから約2カ月遅れでインドでの生産を始めるとみられています。このタイムラグの短縮は、ハイテク企業がサプライチェーンを多様化するための動きのひとつです。
    Apple is narrowing the iPhone assembly gap between India and China. It’s another move meant to diversify the tech company’s supply chain.
  2. ツイッターに対する内部告発者のレポートが、イーロン・マスクに燃料を投下している。ツイッターの元セキュリティー責任者、ピーター・ザトコ(Peiter Zatko)の訴えは、ビリオネアであるマスクがツイッターに対する440億ドル(約6兆円)規模の買収提案から手を引きたがっている理由のいくつかを裏付けているように見えます
    A whistleblower’s report against Twitter fuels Elon Musk’s fire. Peiter Zatko’s complaint appears to support some of the billionaire’s reasons for wanting out of the $44 billion takeover bid.
  3. 英フェリックストウ港でのストライキに伴う物流遅滞で、損害額は47億ドル(約6,400億円)に上る可能性も。会社側はインフレ率を下回る8%の賃上げを提案しましたが、労働者側はこれを拒否し、8日間のストライキに突入しました。
    The strike at UK’s Felixstowe port could cost $4.7 billion in trade delays. Workers staged an eight-day walkout after rejecting a pay raise of 8%, which is below inflation.
  4. 上海を象徴するスカイラインが明かりを消した。記録的な暑さによる電力不足のため、金融ハブである上海の夜景のライトアップは、節電のため停止されることになりました。
    Shanghai’s iconic skyline dimmed its lights. The financial hub went dark to save energy as a record heat caused a power shortage.
  5. ゴータム・アダニは、インドのメディア企業の支配権を求めて株式を購入する。インド財閥のアダニ・グループ(Adani Group)を率いるアダニは、インドのテレビ局、NDTVの過半数の株式を購入するために、総額60億7,000万ルピー(約103億円)を提示しました。一方、大手格付け会社、フィッチグループ(Fitch Group)傘下のCreditSightsの報告書は、アダニ帝国はすでに「借り入れ過多」に陥っていると警告しています。
    Gautam Adani bid for a controlling stake in an Indian media company. The billionaire offered a total 6.07 billion rupees ($76 million), but a report from Fitch Group unit CreditSights warned his empire is already “deeply overleveraged.”
  6. ウクライナのサッカーリーグが開幕した。半年前にロシアによる軍事侵攻が始まって以来、初めてとなる試合は、無観客で厳重な警備のもと行われました。
    Ukraine kickstarted its soccer league. The first matches to take place since Russia’s invasion six months ago will be played behind closed doors and under heavy security.

What to watch for

マイホームは遠い夢

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Photo: MIKE SEGAR (Reuters)

本日24日、米国不動産協会(NAR)が7月の住宅販売保留指数」を発表します。この指数は、売買契約が終わっているものの引き渡しが完了していない物件の動きを追跡するもので、パンデミック下で一時高まった住宅需要がどの程度落ち込んでいるかを詳細に知るための手がかりになります。

7月、新築住宅の販売は前月比で13%近くも下落しました。これは、住宅購入がより手頃になっているということを示すわけでは必ずしもありません。実際のところ、6月に40万2,400ドルだった新築住宅の価格の中央値は、7月には43万9,400ドルに上昇しています。

需要が減っているにもかかわらず価格が高止まりしているのは、米国の場合、単純に住宅が不足しているからです。そして住宅が不足している状況下では、富裕層の予算が価格を決めることになります。

住宅ローン金利はまだ上昇中で、6月には「住宅の買いやすさ」が33年ぶりの低水準に落ち込んでいます。川沿いでのバン暮らしを検討するなら、いまが絶好の機会だといえるでしょう。


Don’t call it a knockoff

模造品と呼ばないで

あなたが副業を探しているならば(バンを買うのだってお金を貯めなければなりません)、アイコニックなファッションブランドのパロディ製品をつくるなんて選択肢を考えたことはありませんか?

昨年、黒川暢朗なる人物が、一見何の変哲もないブランド名「CUGGL」をアパレル製品に使用する商標を日本で取得しました。しかし、このロゴが実際に製品となってファッション界にデビューしてみると、ロゴの姿は半分も見えない状態でした。

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Screenshot: CUGGL

見覚えが…ありますよね? それはイタリアのファッションブランド、グッチも同じでした。同ブランドは、自社の商標およびブランドの価値を下げるとして、商標の取り消しを求めました。しかし、特許庁はその主張を退けたのです。

特許庁は、一般大衆はパロディかそうでないかを見分けられると考える傾向があります。そして、今回の取り消し請求が退けられたことは「企業が法律を拡大解釈し、無害なパロディや自社ブランドのリミックスを阻止してきた」と主張する知的財産権の進歩主義者にとってすれば、大きな勝利だといえるでしょう。

黒川がこれ以外の商標登録出願にも成功していることから、彼が大衆の風刺を認識する能力に依拠していることだけは確かです。


Surprising discoveries

世界のトリビア

  1. テキサス大学、油田で儲ける。その利益は1日あたり600万ドル(約8.2億円)にも及び、基金規模はハーバード大学のそれを超えようとしています
  2. セルビアでドナウ川が干上がり、第二次世界大戦の戦艦が何十隻も発見された。発見されたナチスの艦船は弾薬を積んでいることが確認されており、現地の環境および漁業操業に不安が立ちこめています。
  3. 中国の検閲で映画『ミニオンズ フィーバー』の結末が変更された。犯罪は結局報われない」というメッセージでも伝えたかったのでしょうか。
  4. 犬は飼い主と再会すると涙を流すという研究結果。涙の量は、「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンと相関があるようです
  5. ウィンストン・チャーチルの象徴的な肖像写真が、レプリカにすり替えられた。オタワのフェアモント・シャトー・ローリエ・ホテルにあったオリジナルがいつ消えたのか、一切わかっていません