DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。8月9日火曜日、今朝の「世界で今起きていること」をお伝えします。
- バイドゥが中国初のロボットタクシーサービスを開始した。中国インターネット検索大手のバイドゥ(Baidu、百度)の完全無人運転タクシーは昨日(8日)、重慶市と武漢市で運行を開始しました。まずは、両都市に5台ずつ配備されています。
Baidu launched China’s first robotaxi services. The driverless cabs began operating in Chongqing and Wuhan yesterday, with five vehicles in each city. - 国連合意後初となったウクライナからの輸送貨物の受け取りをバイヤーが拒否。5カ月の納期遅れを拒否の理由としています。先月、トルコと国連の仲介でロシアとウクライナが海上輸送再開に合意して以降、10隻の船が「穀物回廊」を航行しています。
A buyer rejected Ukraine’s first cargo shipment since the UN-deal. A five-month delivery delay was cited as grounds for refusal. Ten ships have sailed through the grain corridor since last month’s agreement. - ファイザーがグローバル・ブラッド・セラピューティクスを買収。米製薬大手のファイザー(Pfizer)は、「鎌状赤血球貧血」の治療薬などで知られる米グローバル・ブラッド・セラピューティクス(Global Blood Therapeutics)を54億ドル(約7,200億円)で買収すると発表しました。
Pfizer bought Global Blood Therapeutics. The American pharmaceutical giant paid $5.4 billion to acquire the sickle cell disease drugmaker. - フランスを第4の熱波が襲っている。フランスは深刻な干ばつにも見舞われています。一方、スペインでは7月に観測史上最も高い気温を記録し、英国では新たな熱波に備えています。
A fourth heat wave is hitting France. The country is also undergoing a severe drought. Meanwhile, Spain marked July as its hottest month on record, and the UK is bracing for another heat wave. - テンセントは、アプリ「看点」を閉鎖する。バイトダンス(ByteDance、字節跳動)に対抗することを目的としたテンセント(Tencent、騰訊)の短編動画アプリ「看点」(Kandian)の一部機能は、テック大手が成長鈍化で統合を目指すなか、チャットアプリの「QQ」に引き継がれることになります。
Tencent will shut down its app Kandian. The app, intended to compete with ByteDance, will be merged with chat app QQ as the tech giant seeks to consolidate amid a slowdown in growth. - 暗号資産貸し付けのホドルノートが引き出しを凍結した。暗号業界全体が流動性の問題に直面しているため、シンガポールに拠点を置く暗号プラットフォーム、ホドルノート(Hodlnaut)は交換と入金も一時停止しています。
Crypto lender Hodlnaut froze withdrawals. The Singapore-based platform has also paused swaps and deposits as the industry at large faces ongoing problems with liquidity. - ソフトバンクグループは四半期ベースで過去最高の230億ドル(約3.1兆円)の最終赤字を計上した。投資コングロマリットのソフトバンクグループ(SBG)は、ハイテク株の低迷で打撃を受けました。
SoftBank reported a record $23 billion quarterly loss. The investment conglomerate was hit by a downturn in tech stocks.
What to watch for
ケニアの期待と暴力
ケニアでは今日(9日)、大統領選の投票が行われます。現職のウフル・ケニヤッタに代わる後継者争いをリードするのは元首相で野党指導者のライラ・オディンガで、副大統領ウィリアム・ルト、移民弁護士のジョージ・ワジャコヤ(大麻の合法化を主張するワイルドカード)、弁護士で聖職者のムワウレ・ワイヒガが続きます。
有権者は高騰する生活費や汚職といった問題の解決を期待していますが、投票を前にアルコールの売り上げが伸び、小額紙幣が不足しています。これらはいずれも有権者を買収するための賄賂である可能性が指摘されています。
過去3回のケニアの大統領選挙を振り返ると、2007年の投票後には結果を不服とした対立候補が抗議し、大規模な暴動に発展しています。2013年ならびに2017年に行われた選挙でこそ2007年の再現は避けられたものの、今回も政治的暴力のリスクが懸念されています。
在ケニア米国大使館は「十分な注意」が必要だとして、大統領選候補のひとりで2007年選挙での対立候補でもあったオディンガの出身地であるキスム市に治安警報を発令。職員に対して、この地域を避けるよう警告しています。
The biggest climate bill in US history
米国の大きな決断
7日に米上院で可決された「インフレ抑制法案」は、これまでで最大かつ最も重要な気候変動対策法案だとされています。その内容は以下の通りです。
- 📉 医療や税金に関する条項も含まれているが、低炭素エネルギーへの移行に向けた3,690億ドル(約49.8兆円)規模の投資は大きな話題に。2030年までに2005年比で排出量半減に近づけることを目指す
- 🔌 消費者に対する、電気自動車、エネルギー効率の高い家電製品、ソーラーパネルの購入支援
- ☀️ ソーラーパネル・大型電池製造業者への融資
- 🌱 CO2貯留を実施する農家への支援
- 🛢️ 一方で化石燃料業界にも譲歩。200億ドル(約2.6兆円)の補助金や海洋掘削のための新しい土地など
- 🖋️ 下院は週末にかけて法案を採決する見込み。可決されれば、ジョー・バイデン大統領のもとで署名による成立を待つことに
Surprising discoveries
世界のトリビア
- 食後に120秒歩くだけで気分が良くなる、という研究結果。血糖値を下げる効果も得られますが、それはおまけのひとつでしかありません。
- コロンビアで12年ぶりに目撃されたハチドリ。史上3例目となるSanta Marta sabrewing(アイガシラハチドリ)の目撃報告がされています。
- イタリアの河川で第二次世界大戦時の爆弾が発見された。熱波で干上がった川底から、450キロの爆薬が姿を現しました。
- 米動物園の「氷の福利厚生」。動物たちへの夏のおやつのひとつとして、パンプキンスパイス味のアイスブロックが導入されています。
- フロリダで開催、ヘビの駆除コンテスト。800人の出場者がビルマニシキヘビを捕まえて賞金を得ようとしています。