🌍 今週アフリカで起きたこと 8/3-8/9

アフリカのいまを知ることは、世界のビジネスの未来の可能性を知ること──今夜のニュースレターでは1週間のニュースのほか、現地のスタートアップの情報をお届けします。
Image for article titled 🌍 今週アフリカで起きたこと 8/3-8/9
Photo: Quartz

アフリカのいまを知ることは、世界のビジネスの未来の可能性を知ること──今夜のニュースレターでは1週間のニュースのほか、現地のスタートアップの情報をお届けします。


STORIES THIS WEEK

アフリカで起きている事

  1. Flatterwaveがケニア、ガーナで直面する危機。フィンテックスタートアップのFla tterwaveが、ケニアの銀行との取引を禁じられました。同国中央銀行はその理由として「認可を得ずに送金や決済サービスを行ってきたこと」を挙げています。ガーナの中央銀行もまたFlatterwaveへの監視を強化しており、同社をめぐる状況はほかのスタートアップにも影響を与える可能性があります。
  2. 選挙があるとお酒が売れる…。東アフリカの酒造メーカーEABLは、ケニアにおけるアルコール売上が30%増加したというデータを発表しました。ケニアでは選挙運動費用の上限が撤廃されており、それがアルコールの売上に貢献した可能性があります。
  3. …さらに特定の都市への渡航が制限される。在ケニア米国大使館は、同国西部の都市キスムへの渡航勧告を発表しました。キスムは今月9日の大統領選にも出馬しているライラ・オディンガの故郷であり、選挙期間中に暴動や暴力的なデモがたびたび起きています。この勧告に対し、ケニアのソーシャルメディアではなぜ特定の都市だけに勧告を発するのかといった声や、米国がどの候補者の勝利を期待しているかを物語っていると指摘する声もあがっています。
  4. アル・シャバーブの元幹部が閣僚入り。ソマリアを拠点に活動するスンニ派過激組織、アル・シャバーブの創設メンバーで元幹部のムクタル・ロボウが、同国の寄付・宗教問題・対テロイデオロギー担当大臣に指名されました。ロボウは2013年にアル・シャバーブのほかの指導者と激しく対立し離反、投降しています。
  5. Instagramとスタートアップの協業。InstagramはアフリカのスタートアップBumpaと協力し、DMを使って売上増加を目指しています。BumpaはShopifyに似たナイジェリアのウェブサイトで、ユーザーがオンラインストアを作成できるほか、売上の記録や支払いのトラッキングなどの機能も備えています。
  6. ナイジェリアがTechstarsのアフリカ拠点に。米国のスタートアップアクセラレーターTechstarsが、ナイジェリアのラゴスに進出します。Techstarsはこれまでニューヨークやトロント、ロンドンで長年アクセラレータープログラムを展開してきました。
  7. アクティビストたちがアフリカのリーダーを批判。アフリカ連合(AU)が発表したテクニカルペーパーのなかで、今後アフリカは再生可能エネルギーと非再生可能エネルギーの両方を利用する準備を進めていることが明らかになりました。太陽光発電のポテンシャルが全大陸の中で最も高いアフリカのこの動きに対し、気候変動の活動家たちは怒りをあらわにしています。

DEALMAKER

今週の注目ディール

  • ナイジェリアのベンチャーキャピタルOui Capitalが、アフリカのスタートアップへの投資を目的とした3,000万ドル(約40億円)のファンドのファーストクローズを完了しました。このファンドは同社にとってふたつめで、最初の500万ドル(約6億6,622万円)のファンドはTeamAptやMVX、Duploといったスタートアップへの投資に使われました。
  • ケニアのインシュアテック・スタートアップLamiは、Harlem Capitalが主導したラウンドで370万ドル(約4億9,300万円)を調達しました。Lamiは2021年にも180万ドル(約2億3,984万円)を調達し、保険ソリューションをつくりたい企業向けのサービスを開発していました。

THE CASE STUDY

注目のスタートアップ

  • 企業名:Zipline
  • 創業:2014å¹´
  • 本社所在地:米国
  • 創業者: Keller Rinaudo、Keenan Wyrobek、Will Hetzler
  • 評価額:27.5億ドル(約3,664億円/2021å¹´6月時点)

Ziplineは「ヘルステック企業」というよりは「運送会社」だというべきでしょう。同社は過去10年にわたってアフリカの政府と協力し、自社の無人ドローンを使って血液製剤やワクチン、医薬品を配送してきました。

Ziplineは2016年のルワンダでの初飛行以来、ドローンを30万回飛ばしています。ルワンダでの取り組みは、2019年のガーナ、そして2022年のナイジェリアで始まったドローン運用の礎を築きました。

Image for article titled 🌍 今週アフリカで起きたこと 8/3-8/9
Photo: Handout (Reuters)

その仕組みはいたってシンプルです。まずZiplineは政府の倉庫から医療品を受け取り、飛行場を兼ねた自社の配送センターに保管します。ここからドローンが離陸し、病院へ製品を届けるのです。Ziplineとの契約や支払いは連邦政府や州政府が行ないますが、配送依頼は病院から送られます。同社のシステムを使えば、医師がテキストメッセージやWhatsApp、電話、あるいはウェブ上でオーダーできるのです。

一方、ドローンの設計となるとシンプルなだけは済みません。Ziplineの機体は本や食料ではなく、医薬品という繊細な積み荷を運ばなくてはなりません。また、医療従事者が安全に荷物を受け取れなければ意味がありません。そこで、Ziplineのドローンは配送中、着陸することなく空中で一時停止して積み荷を落下し、元の基地に戻ってくるようつくられています。

これまでルワンダとガーナ、米国の2,000以上の病院に荷物を届けてきたZiplineは、ドローンがほかの航空機をリアルタイムで検知し事故を未然に防ぐ技術を発表しました。同社は現在、難しい条件下でもドローンを運用できることを最大の売りとしています。「わたしたちは物流最大の難所のひとつであるナイジェリアに医薬品の即時配送をもたらそうとしているのです」と、同社でアフリカ担当上級副社長を務めるダニエル・マルフォー(Daniel Marfo)は話します。

5億ドル(約666億円)近い潤沢な資金を擁するZiplineは、自社でドローンを設計・製造するのに十分な経済力をもっています。こうした多額の資本や政府との契約が必要であること、あるいは複雑なドローン規制を鑑みれば、新規参入者にとってはいまだ高い障壁がそびえ立っています。Ziplineが解決したのは、アメリカ大陸の54カ国に存在する大きな問題の氷山の一角でしかないのです。


IN CONVERSATION WITH

話を聞いてみました

ダニエル・マルフォーは、Ziplineのアフリカ担当上級副社長です。ナイジェリアでの運用開始を前に、『Quartz』は彼に話を聞きました。

⚠️ Ziplineが難しい条件下で事業を展開する理由はなんですか?

「現在ナイジェリアでは盗賊行為が発生しており、北西部の街カドゥナから西部にわずかな医薬品を移動するにも軍の車列が必要になっています。道路が危険で医薬品が届かないために閉鎖されてしまったカドゥナの医療施設に行ったこともあります。こうした場所こそ、最も物資を必要としているのです」

🤝 Ziplineは、政府との契約にどの程度依存していますか?

「ルワンダとガーナの主要顧客は国の政府ですが、顧客はほかにもいます。わたしたちのシステムはほかのユースケースにも対応可能で、例えばルワンダでは家畜の人工精液をコールドチェーンで農村部の農家に輸送しています。医療用医薬品の配送が最も多く、最も大きなインパクトを与えていますが、収益モデルはそれだけではありません」


OTHER THINGS WE LIKED

メディアが語るアフリカ

  1. ウガンダは誰の助けも借りない。今月4日、米国国連大使リンダ・トーマスグリーンフィールドはウガンダの首都カンパラを訪問しました。その直前、BBCのインタビューに応じたウガンダ大統領のヨウェリ・ムセベニは「誰もわれわれに指示はできない」と語っていました。ムセベニは、海外からの支援がなくとも自国は繁栄できるとも付け加えています。[ウガンダ、8月6日、BBC]
  2. 軍が民間人死亡の責任を認めた。西アフリカの内陸国ブルキナファソでは、イスラム過激派との争いが激しさを増しています。同国軍は、今週初めに行われた対テロ作戦において亡くなった少なくとも 37 名について、誤って殺害してしまったものだと発表しました。[ブルキナファソ、8月3日、ロイター]
  3. 「アフリカ最速の男」優勝のヒミツ。英バーミンガムでは8日まで、英連邦に属する国や地域が参加する競技大会「コモンウェルスゲーム」が開催されていました。この大会の100メートル走で、ケニアに初の金メダルをもたらしたのが、「アフリカ最速の男」ことフェルディナンド・オマンヤラでした。彼の勝利がケニアにもたらすものを詳報しています。[ケニア、8月4日、Nation]