Daily Brief:中国、猛暑で工場が閉鎖に

8月19日、世界で今起きていること。中国の破壊的な熱波が水力発電に頼る多くの工場を直撃。これにより、世界経済が深刻な打撃を受けることになりそうです。

DAILY BRIEF

世界で今起きていること

Quartz読者の皆さん、おはようございます。8月19日金曜日、今朝の「世界で今起きていること」をお届けします。

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Photo: Thomas Peter (Reuters)
  1. 中国の破壊的な熱波が、世界経済を焦がす。危険なほどに乾燥し、水位が低下した長江の流域では、トヨタ自動車やリチウム電池メーカーのCATL(寧徳時代新能源科技)、原材料メーカーなど、水力発電による電力に頼る工場が操業停止を余儀なくされています
    China’s destructive heat wave will burn the global economy. A dangerously dry Yangtze river basin has forced shutdowns of hydro powered factories, including Toyota, lithium battery-maker CATL, and raw material companies.
  2. 国連とトルコがウクライナに指導者を派遣している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談しました。世界はウクライナ産の穀物を必要としていますが、ロシアとの戦争は収まる気配がなく、ロシアに占領されたザポリージャ原子力発電所の安全性への懸念も高まっています。
    The UN and Turkey are sending their leaders to Ukraine. The war with Russia shows no signs of stopping while the world needs Ukraine’s grain—plus there’s the Russian-occupied Zaporizhzhia nuclear power plant to worry about.
  3. グーグルの従業員が中絶の権利を求めている。650人以上の従業員が、グーグルの親会社であるアルファベット(Alphabet)に対し、契約社員への中絶手当を保証することや、強制的な出産を推進する政治家への支援を停止することなどを求めました
    Google workers petition for abortion rights. More than 650employees asked Alphabet to guarantee abortion benefits for contractors, stop supporting pro-forced birth politicians, and more.
  4. サウジアラビアの裁判所は、噂を広めたとして学生に禁錮34年を言い渡した。英国在住でサウジ帰国中に逮捕されたサルマ・シェハブ(Salma al-Shehab)への判決は、反体制派に対する弾圧が激化していることを示しています。
    A Saudi court sentenced a student to 34 years in prison for spreading rumors. The case of Salma al-Shehab, who had been living in the UK, indicates intensifying crackdowns on dissent.
  5. エストニアを標的にしたロシアの大規模サイバー攻撃が発生。ロシアのハッカー集団、キルネット(Killnet)によると、エストニアが公共の場にある旧ソ連時代の記念碑の撤去を決めたことに抗議して、数百の公共・民間施設のサイトを攻撃しました。
    A huge Russian cyber attack targeted Estonia. Hacker group Killnet said it caused hundreds of public and private institutions to go dark in protest of the removal of Soviet monuments.
  6. 米国がサル痘ワクチンの国産化に近づいている。ホワイトハウスは、生産量を増やすために、サル痘ワクチンの唯一のメーカーであるバイエルン・ノルディック(Bavarian Nordi)に、生産を外部委託するか、米製薬会社と提携するよう求めています。
    The US is closer to homegrown monkeypox vaccines. To ramp up production, the White House is asking the shot’s sole manufacturer, Bavarian Nordic, to outsource production or team up with an American pharmaceutical company.
  7. 欧米でオートクチュールとして認められたアジア初のデザイナーが亡くなった。「マダム・バタフライ」とも呼ばれた日本人デザイナー、森英恵は、女性は周りに溶け込むのではなく、目立つべきだと考えていました。
    Asia’s first designer to be considered haute couture by the West has died.  Japan’s Hanae Mori, also known as “Madame Butterfly,” thought women should stand out, not fit in.

What to watch for

HKEXの需要が増加?

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Photo: Tingshu Wang/File Photo (Reuters)

香港の株式市場を運営する香港証券取引所(HKEX)は今週、期待はずれの第2四半期決算を発表しました。IPOと取引が鈍化したため、利益は前年同期比27%減となりました。

しかし、必ずしも悲観的なことばかりではなさそうです。香港証券取引所の「IPOパイプライン」には、現在、189件の申請が出されています。中国企業の米国市場撤退が続けば さらに多くの中国企業が米国の株式市場から撤退すれば、この件数はさらに多くなる可能性があります。

先週、中国の国有企業5社が、米規制当局が求める監査基準との不一致を理由に、ニューヨーク証券取引所からの自主的な上場廃止を発表しました。今後、国営航空会社など、さらに多くの企業が上場廃止を選ぶかもしれません。これらの企業はすでにHKEXに上場していますが、米市場からの撤退に伴い、HKEXでの取引量が増加する可能性があります。


Covid has warped how we hear

なんて聞こえる?

パンデミック以前は、たとえば近所のカフェのテーブルで「ノックダウンプライス」(最低価格)の話を聞いたら、何の話題について話しているのかすぐに分かったはずです。しかし、いまは全く違うことばが浮かぶのではないでしょうか。

科学者たちは最近、28の単語を録音し、その一部に混雑した環境でよく耳にする「咳」などの雑音をかぶせてみました。そして、約900人にこの録音を聞かせ、何が聞こえたかテストをすると、パンデミックの後、わたしたちの脳が言葉を理解する方法に、劇的で長期的な認知的影響が生じていたことがわかったのです。

ここでは、科学者たちが記録した言葉の混同を紹介します。

  • タスク➡️マスク
  • テンプティング(誘惑)➡️テスティング(検査)
  • ノックダウンプライス➡️ロックダウンプライス
  • インジェクション(注射)➡️インフェクション(感染)

Surprising discoveries

世界のトリビア

  1. 巨大サメ「メガロドン」は、たった5回噛むだけでシャチ1頭を食い尽くすことができる。この絶滅したサメを3Dモデルにすると、サイズがこれまで考えられていたよりも大きいことが明らかになりました
  2. 口はあるが肛門がない5億年前の化石は、人類とは関係がない。科学者たちは、この古代動物をクモや昆虫の祖先であると結論づけました。
  3. 中国のある都市では、魚のCOVID-19検査が求められた。漁師とその獲物になる魚は、ウイルスに感染しないようにする必要があるようです。
  4. インフルエンサーたちがキリマンジャロからライブストリーミングできるようになった。アフリカで最も高い山が、高速インターネットに対応したのです。
  5. ガリレオの貴重な「手書き原稿」は偽造だった。ミシガン大学が所蔵するガリレオ・ガリレイのものとされる原稿に対して、歴史学者のニック・ワイルディング(Nick Wilding)の「直感」が働き、調査の結果、判明しました。