DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。昨日お伝えした通り、Quartz Japanのサービスは9月30日に終了しますが、それまでの間、平日毎日ニュースレターをお届けします!
- 中国四川省が深刻な電力不足を警告。60年ぶりの規模の干ばつに見舞われている四川省では、一部製造業への電力供給制限措置が当初予定よりも5日間延長され、8月25日まで続く予定です。
China’s Sichuan region warned of severe power outages. Some businesses will have power curtailed until Aug. 25,five days later than expected, as the province faces its worst drought in 60 years. - 英国最大の海運コンテナ港の労働者が仕事を放棄している。英国内のコンテナ輸送の半分を取り扱うフェリックストウ港で、約2,000人の労働者が賃上げを求めてストライキを行っています。
Workers at the UK’s largest shipping container port walked off the job. About 2,000 employees at the Port of Felixstowe,which intakes more than half of the country’s incoming freight, are striking for higher pay. - さらに別の米国議員が台湾に上陸した。インディアナ州の知事と代表団が昨日(21日)、台湾に到着しました。半導体投資など、経済協力について台湾側と会談する予定です。
Another US lawmaker landed in Taiwan. The governor of Indiana and a delegation arrived yesterday for aneconomic development trip to talk about semiconductor investments. - 「プーチンの頭脳」の娘が殺された。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ介入を後押ししたとされる右派思想家、アレクサンドル・ドゥーギンの娘でジャーナリストのダリアは、モスクワ郊外で運転していた乗用車が爆発し、死亡しました。
The daughter of a spiritual aid to Vladimir Putin was killed. Darya Dugin, whose father Alexander Dugin has been guiding the Russian president in his invasion of Ukraine,died in a car bombing on the outskirts of Moscow. - シンガポールが男性同士のセックスを禁止する法律を撤廃する。シンガポールは、英植民地時代に導入され、男性同士の性行為を犯罪として罰する内容の刑法377A条を撤廃する一方で、同性婚を認める考えはないとしています。
Singapore lifted a ban on gay sex. While the government is ending the colonial-era377A law that criminalized sex between men, it doubled down on its same-sex marriage ban. - 岸田文雄首相が昨日(21日)、新型コロナ検査で陽性反応。日本の首相は10日間自宅療養となり、アフリカ開発会議(TICAD8)が開かれるチュニジア訪問は見合わせ、オンライン参加とする見通しです。
Fumio Kishida tested positive for covid yesterday. The Japanese prime minister will likely be isolated for 10 days and could miss a trip to Tunisia.
What to watch for
今日は何の日?
今日8月22日は、「世界植物性ミルクの日」(World Plant Milk Day)なんだとか。植物性ミルクがもたらす利益への認知を拡大すべく始まった世界植物性ミルクの日ですが、“ヴィーガンによるヴィーガンのためのPR”ばかりかというと、そんなことはありません。
植物性ミルクはいまやビッグビジネスへと発展しています。例えば、オートミルク市場にいたっては飽和状態になっており、多くのコーヒーショップで「オートミルク使用」が追加料金なしで選べるほどの“あたりまえの商品”に拡大しています。
以下、世界の植物性乳製品市場の現状を簡単にまとめてみました。
- 177億ドル(約2.4兆円):2021年の代替ミルクの世界売上高(2016年は144億ドル)
- 2億7,790万ドル(約380億円):2021年の米国におけるオートミルクの売上高(2017年は50万ドル未満)
- 65%:世界人口のうち、乳糖不耐性のある人(消化酵素が足りずミルクに含まれる乳糖を消化できない)の割合
- 1994年:スウェーデンでオートミルクブランド、オートリー(Oatly)が設立された年
- 100億ドル(約1.3兆円):オートリー上場時の評価額
- 6倍:アーモンドの栽培に必要な水の量をとオート麦のそれと比較すると
Carbon capture’s leap forward
注目の気候テック
米国で16日に成立した、気候変動対策に関する巨大法案「インフレ抑制法」(Inflation Reduction Act、IRA)。この施行によって、温室効果ガスの排出抑制に関するテクノロジーが一大ブームを迎えることになりそうです。なかでも今日注目するのは、化石燃料の燃焼によって排出された二酸化炭素(CO2)が、大気中に拡がる前に吸収・貯蔵しようというテクノロジー、「二酸化炭素回収・貯留」(Carbon dioxide Capture and Storage、CCS)です。
CCSは、気候科学者の多くからは歓迎されていません。というのも、石油・ガスをエネルギー源として燃焼させることから脱け出そうという流れに対して、その“抜け道”となりえるからです。また、このテクノロジーそのものは、「化石燃料による温室効果ガス排出を大幅に削減する」という世界が掲げた目標に貢献するものではありません。
しかし、鉄鋼やセメントなどの工業生産には、電力生産とは違い、いまだクリーンで実用的な代替手段がみつかっていません。その点で、CCSにはその価値があるといえます。
施行されるIRAでは、CCSプロジェクトに対する税額控除が大幅に拡大されています。これによって、以前は手が届かなかった(かつ、あまり議論されてこなかった)このテクノロジーがようやく競争力をもつものになりそうです。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- 2人のアーティストが、どちらが先にフルーツを壁にテープで貼ったか争っている。この訴訟は実にばかげています。
- ニュージーランドの民家にアザラシが侵入し、一家のネコを恐怖に陥れた。その家に住む海洋生物学者が帰宅すると、ラウンジにアザラシがいました。
- 英国では、木々が例年よりずっと早く葉を落としていまる。カボチャのラティスやキャンドルは片付けましょう。季節の変わり目には、まだ早すぎますよ。
- 英国の次なる「侵攻」はチキン・ビッグマック。英国で大ヒットしたマクドナルド(McDonald)のハンバーガーが、米国に上陸することになりました。
- ニューヨークの美術館は、ナチスが盗んだ美術品かどうかを公表しなければならない。この新しいルールは、ホロコーストの生存者を支援するために署名された法律の一部です。