DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。新しい月のスタートです! 9日1日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- 中国Eコマース大手のアリババとJDが、米国の監査状況検査の対象に。審査は今月から始まります。ロイターによると、両社は中国企業の上場廃止リスクを軽減するための監査状況検査の対象とされています。
The US will audit Chinese e-commerce giants Alibaba and JD. Vetting starts this month, according to Reuters, following a landmark audit deal that may reduce delisting risks for China. - ロシアがドイツへの天然ガス供給を停止した。パイプライン「ノルドストリーム1」の操業停止はメンテナンスのためとされていますが、欧州側はエネルギー削減が「戦争の武器」として使われることを懸念しています。
Russia shut its natural gas supply to Germany. The Nord Stream 1 pipeline was suspended for maintenance, but Europe fears energy cuts are being used as a “weapon of war.” - ユーロ圏のインフレ率は9.1%に。9カ月連続で消費者物価が過去最高となり、欧州中央銀行(ECB)に対し、来週の大幅利上げを求める声が強まっています。
Eurozone inflation hit 9.1%. Nine consecutive months of record high consumer prices have intensified calls for a big ECB rate hike next week. - トヨタが56億ドルを投じてEV用電池を増産する。世界最大の自動車メーカーは、米国と日本の工場で2024〜2026年の間にも生産を開始する計画です。
Toyota will invest $5.6 billion to boost EV battery output. The world’s largest carmaker plans to begin production between 2024 and 2026 at its US and Japanese plants. - イタリアは、アリタリア航空をデルタ航空・エールフランス航空に売却するための協議に入った。米投資会社Certaresが率いるデルタ・エールフランス連合による入札が、ライバルであるスイス海運大手MSCとルフトハンザドイツ航空のグループが進めてきた買収計画を打ち負かすかたちとなりました。
Italy entered talks to sell Alitalia airline to Delta and Air France. Their bid, led by investment firm Certares, beat out a rival offer from MSC-Lufthansa to acquire the former national carrier. - ガーナの通貨が過去最低水準に下落した。世界で最もパフォーマンスが悪い通貨のひとつであるセディの為替は、1ドル=10円を割り込みました。同国は30億ドル(約4,170億円)の融資を受けるため、国際通貨基金(IMF)と交渉中です。
Ghana’s currency fell to a record low. The cedi, one of the world’s worst performing currencies, hit below 10 to a dollar. The country is in talks with the IMF for a $3 billion loan. - テンセントとソニーが、フロム・ソフトウェアの3分の1を買う。新株式の割当先は、テンセント子会社とSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)です。多くのファンをもつゲーム「エルデンリング」のディベロッパーである同社は、この取引で2億6,300万ドル(約364億円)の資金を得ることになります。
Tencent and Sony will buy nearly a third of FromSoftware. The developer of the fan favorite game “Elden Ring” will get $263 million from the transaction.
What to watch for
米国コロナ事情
米政府が、感染の有無を調べるCOVID-19検査キットの無料配布を始めたのは、今年1月19日のことでした。それから9カ月が経ち、各家庭に配布されたキットは約6億個に及びます。そして今週金曜、政府はこの無料配布を停止します。これは、議会が十分な資金を承認していないためです。
同時に、学校や隔離施設、刑務所で実施されてきた無料検査も停止となる予定です。これについては、政府が冬期の感染拡大を警戒してキットを備蓄しているのが原因です。米政府はさらに、年末までに検査キットやワクチン、治療薬の購入を中止し、その調達および配布を民間医療機関に委ねることも示唆しています。
米政府はいま、パンデミックから距離を置き、その管理を第三セクターに負わせる流れにあります。検査キットの無料配布停止は、そうした流れのひとつといえるでしょう。ちなみにブースターショットの再実施は、来週にも出荷の準備が整うとされており、1,500万回分の投与が予定されています。
DALL-E is coming for animation
AIがアニメをつくる日
OpenAIの「DALL-E 2」や「Midjourney」がいま話題を集めていますが、とくにグラフィックデザイン界では、“機械が生成したコンテンツ”に関する議論が大いに盛り上がっています。「晴れた日に木に止まったレンブラント風の鳥」と入力してレンダリングされた人工的な画像は果たしてアートと呼べるかどうか、という話です。
このように生成される画像そのものが嫌いだという人もいるでしょう。あるいは、これでアンディ・ウォーホルがつくりあげた工場のような製作プロセスを真似できるという人もいるでしょう。いずれにしても、これから先、DALL-E 2やMidjourneyが人工的に生成した画像をさらにアニメーション化までしてしまう可能性を否定はできません。いざスーパーマンとスパイダーマンの新しい映像作品が欲しいとなれば、上記Quartz記者のAdario StrangeがMidjourneyで生成したAI画像だけでなく、そのアニメーションまで得られる日が来るかもしれないのです。
このテクノロジーはとてもクールなものに思えます。が同時に、米国6万2,000人以上の、さらに世界中のアニメーター・特殊効果アーティストに、大きな影響を与える可能性があります。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- 日本の老人ホームは、保育園のような雰囲気を目指している。この施設では、八十代の入居者を楽しませるため、幼児を募集しています。
- アメリカグリ(栗)が遺伝子操作によって絶滅の危機から救われるかもしれない。しかし、この方法には批判もあり、規制当局の判断が必要になります。
- ザトウクジラの歌のバズり方。ザトウクジラは集団から集団へと歌を伝え、何千キロもの距離を越えて歌を広めていきます。
- AIがフランスで未申告の住宅プールを発見。航空写真と土地登記簿のデータベースを比較して見つけ、税務当局は1,000万ユーロ(約13億9,000万円)の税収を得たといいます。
- 「Bongo’s Bingo」のパーティーほど楽しいパーティーはない。イギリスのリバプールでは、小さな四角がたくさん描かれたビンゴカードが、街で一番ホットなチケットになっています。
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