DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月2日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- 中国四川省の成都がロックダウン。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、住民約2,100万人に対して自宅待機が命じられました。
China placed Chengdu under covid lockdown. Following an outbreak, the 21 million residents of Sichuan province’s capital have been ordered to stay at home. - 米国、NVIDIAの中国向け輸出に規制。米規制当局は、人工知能(AI)向けのチップ2種の販売を禁止しました。これは、中国のテック企業に損害を与えかねません。
The US placed restrictions on Nvidia chip exports to China. Regulators have banned the sale of two top AI chips in a move that could prove damaging to Chinese tech firms. - IMFはスリランカへの29億ドル融資に暫定合意した。危機的状況にあるスリランカは、日本円にして約4,066億円となる国際通貨基金(IMF)からの支援に対して債務再編と金融の透明性の向上を約束しました。一方、アフリカ南部のザンビアは、13億ドル(約1,823億円)相当のIMF融資の承認を得ました。
The International Monetary Fund preliminarily agreed on a $2.9 billion loan to Sri Lanka. The crisis-hit country committed to debt restructuring and increased financial transparency. Meanwhile, Zambia gained approval for an IMF loan worth $1.3 billion. - ロシアの石油会社幹部、病院の窓から転落死。ルクオイル(Lukoil)の会長ラビル・マガノフ(Ravil Maganov)の死を取り巻く状況は、依然不明なままです。
A Russian oil executive died after falling from a hospital window. The circumstances surrounding the death of Lukoil chairman Ravil Maganov remain unclear. - マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードは、英規制当局の懸念を解消するために5日間の猶予を与えられた。マイクロソフトによる687億ドル(約9.63兆円)でのゲーム大手の買収は、世界中で批判を浴びています。
Microsoft and Activision Blizzard were given five days to appease UK regulators. Microsoft’s $68.7 billion takeover of the video game giant is under scrutiny across the world. - 国連の核査察官がザポリージャ原子力発電所に到着。代表団は、ウクライナの戦争地域にある欧州最大の原子力発電所の安全性評価を行う予定です。
UN inspectors reached Ukraine’s Zaporizhzhia nuclear power plant. The delegation will make a safety assessment of Europe’s largest nuclear plant which sits in an active war zone. - ポーランドは第二次世界大戦の賠償金としてドイツに1兆3,000億ドルを要求した。日本円にすると、約182兆円に及びます。ポーランドの有力政党「法と正義」は2015年以降、複数回にわたり支払い要求をしてきました。
Poland demanded $1.3 trillion from Germany in World War II reparations. Its leading Law and Justice party has made multiple requests for payment since 2015. - アダニ・エンタープライゼスがインドの株式指数「NIFTY 50」に追加。億万長者ゴータム・アダニのコングロマリットは、9月30日に、インド国内で最も支持されている株価指数に正式に参入することになります。
Adani Enterprises was added to India’s Nifty 50 Index. Billionaire Gautam Adani’s conglomerate will officially enter the country’s most tracked stock index on Sept. 30.
What to watch for
アマゾンの大きな賭け
本日2日、Amazon Primeでは『ロード・オブ・ザ・リング:王の指輪』の配信がスタートします。この作品にかけられたコストは4億6,500万ドルという途方もない金額で、Amazon Studiosがこれまでに制作した番組の中でも最大規模の予算を誇ります。
ちなみに、この金額にはアマゾンがトールキン財団からテレビ放映権を獲得するために支払った2億5,000万ドルは含まれていません。つまり、本作の制作費は合計すると7億1,500万ドルになります。
『ロード・オブ・ザ・リング:王の指輪』は、(少なくとも)全5シーズンが予定されています。すでにシーズン2の製作が承認されていますが、実際に撮影が始まれば、10億ドルの大台をはるかに超えることになります。
配信に先立ち、エピソード1の特別上映会が開催されましたが、上映会に参加したファンの反応はポジティブなものでした。ただし、その真価は、Amazon Primeの視聴者1億7,500万人にどう受け取られるかで決まります。アマゾンのオリジナル番組についての最大の賭けは、果たして成功なのでしょうか。また、アマゾンは今後も同様の大作を手がけるのでしょうか。これらの問いへの答えは、もうすぐ決まります。
China’s life expectancy is longer...
コロナと平均寿命
米国民の平均寿命が、1996年以来最低の数字となりました。米国疾病管理予防センター(CDC)の暫定データによると、2020年から21年にかけて、平均寿命は77歳から76.1歳に低下しています。平均寿命が短くなった主な要因はCOVID-19で、死亡率の低下のうち、実に50%を占めています。
かたや中国に目を向けると、同国民の平均寿命は77.1歳で、米国人より1年長くなっています(ただし2020年の数字。2021年のデータは未公表)。
中国政府は厳格なゼロコロナ政策を敷いていますが、仮にそれを放棄すると、感染による死者は150万人を超えるともいわれています。中国における死亡率の低下は、同政策の継続次第となるでしょう。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- こんなところにもインフレが。トレーディングカード最大手のパニーニ社が発売する今年のFIFAワールドカップアルバムは、4年前に比べて平均で100ポンド(約1万6,100円)高くなりました。
- 日本の官僚はいまだにフロッピーディスクを使っている。同国のデジタル大臣は、何世代も前のデータ記憶システムを庁舎から撲滅したいと考えています。
- 2020年に発生したオーストラリアの前代未聞の山火事は成層圏を熱くした。森林火災の煙は地球の温度を上げ、オゾン層の穴も拡大させた可能性があります。
- NASAの火星探査車「パーサビアランス」は、火星で酸素をつくっている。生成される量は、地球上の小さな木に匹敵するほどです。
- 世界人口は2050年までに男女比が同等になるといわれている。現在はまだ男性の世界ですが、今後30年以内にバランスが取れるようになるはずです。
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