Daily Brief:習近平がついに外遊へ

9月12日、世界で今起きていること。この2年、中国を出ることのなかった習近平が久々に会うのは、プーチンだといわれています。今週も世界で「今起きていること」を毎朝お知らせします。

DAILY BRIEF

世界で今起きていること

Quartz読者の皆さん、おはようございます。今週も世界で「今起きていること」をお知らせします。

Image for article titled Daily Brief:習近平がついに外遊へ
Photo: JADE GAO (Getty Images)
  1. 習近平とウラジーミル・プーチンが今週、ウズベキスタンで会談する。中国の国家主席とロシアの大統領はそれぞれ、上海協力機構(SCO)の首脳会議のために、ウズベキスタンのサマルカンドで他の国と会談ます(詳細は次項で)。
    Xi Jinping and Vladimir Putin are meeting in Uzbekistan this week. The presidents of China and Russia, respectively, are convening with other global powers in Samarkand for the Shanghai Cooperation Organization summit (more below).
  2. エリザベス女王の棺がエディンバラに到着した。9月19日に国葬が予定されているエリザベス女王との長い別れを前に、棺の最初の訪問地であるエディンバラでは、死を悼む人びとが沿道に並びました。一方、英連邦(コモンウェルス)に参加し、英国王を元首とするアンティグア・バーブーダでは、今後、共和制に移行し、チャールズ3世を元首として戴くのをやめるかどうかについての投票が行われます。
    Queen Elizabeth’s coffin arrived in Edinburgh. Mourners lined the streets for the first stop of her long goodbye, with a state funeral scheduled for Sept. 19. Meanwhile, Antigua and Barbuda will vote on whether to remove King Charles III as head of state.
  3. ウクライナ軍がロシアに勝利した。ウクライナ軍の総司令官は、ハリコフ地方で1,000平方マイル以上を奪還し、ロシア軍部隊を追い払ったと述べました。
    Ukrainian forces made gains against Russia. Ukraine’s military chief said the country recaptured more than 1,000 square miles in the Kharkiv region and drove out Russian units.
  4. 米国とインド太平洋地域の数カ国が貿易協議を行った。この経済交渉は、中国の影響力に対抗するための枠組みの一部です。
    The US and several Indo-Pacific nations held trade talks. The economic negotiations are part of a framework to counter China’s influence.
  5. 香港で5人の言語療法士が扇動罪で有罪判決を受けた。彼らは、中国当局が「政府への憎悪を煽る反政府的な絵本」と主張する児童書を出版したことで、禁錮1年7カ月の実刑判決を言い渡されました。
    Five speech therapists were charged with sedition in Hong Kong. They face 19 months in jail for publishing alleged pro-democracy children’s books that Beijing claimed were destabilizing.
  6. インドのジャーナリストが2年ぶりに保釈された。Siddique Kappanは、インド北部ウッタルプラデシュ州で、アウトカーストに位置するダリットの10代女性が集団レイプされ殺害された事件を取材中に、逮捕されていました。
    An Indian journalist got bail after two years. Siddique Kappan was arrested while covering the gang rape and killing of a Dalit teenager in Uttar Pradesh.
  7. 国連事務総長は、パキスタンへの財政支援を求めた。アントニオ・グテーレス事務総長は、1,400人近くが死亡した記録的な洪水で大きな打撃を受けたパキスタン地域を訪問しました。
    The UN chief urged financial support for Pakistan. Secretary-general António Guterres visited areas hit hard by record flooding that killed nearly 1,400 people.
  8. EU5カ国が最低税率の導入を進めている。フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペインは、大企業に対する15%の法人税最低税率を、早ければ来年にも導入したいと考えています。
    Five EU countries are moving ahead with a minimum tax. France, Germany, the Netherlands, Italy, and Spain want to implement the 15% fee on big companies as quickly as next year.

What to watch for

習近平、久々の外遊

Image for article titled Daily Brief:習近平がついに外遊へ
Photo: June 28, 2021, ALEXEY NIKOLSKY (Getty Images)

中国の習近平国家主席は、COVID-19の感染が世界的に拡がった2020年以来、中国を出ていません。唯一の例外として、22年1月1日に「一国二制度」下にある香港を訪れたことくらいです。外交の専門家もジャーナリストも、習近平の外遊先がどこになるかをいくつも推測していますが、実際のところ、いずれも的中していません

今年8月にはサウジアラビア訪問が報じられましたが、これは実現しませんでした。ほかにも、11月には東南アジアを訪問しジョー・バイデン米大統領との会談に挑むとの報道もありました(同月、インドネシアのバリ島でG20サミットが開催される予定)。

そしていま、新たに報じられているのは、習近平が今週、ウズベキスタンでロシアのプーチン大統領と会談する可能性です。この会談が実現すれば、米国との関係がぎくしゃくしている両国にとって、お互いの関係を温めることになるでしょう。

習近平は、外遊のタイミングや見え方に慎重に慎重を重ねているのは、間違いありません。なにしろこの外遊は、彼の外交におけるプライオリティを広く知らしめることになるのですから。


Time for Europe to turn off the lights

照明消せばいいじゃない

ロシアからガスが得られない冬に備えて、欧州各国はできるだけ多くの燃料を蓄えておこうとしています。企業や政府のなかには、「使わないときは電気を消す」ことを徹底しているところもあるようです(新しいルールでもなんでもありませんが)。

こうした習慣は貧しい国々ではあたりまえのことで、人も企業も電気料金には細心の注意を払っているものです。しかし、経済的・環境的コストに注意を払わず、オフィスの灯りや街灯を一晩中オンにしたままにしておくことに慣れている裕福な国々では、このあたりまえの習慣が長らく忘れられていたのです。

Image for article titled Daily Brief:習近平がついに外遊へ
Graphic: Quartz

欧州の都市の多くでは、オフィスビル・商業ビルが照明関連エネルギーの約半分を使用しています。必要なときに自動的に点灯・消灯するスマートライティングシステムに切り替えることで、コストも二酸化炭素排出量も手っ取り早く削減できるでしょう。


Surprising discoveries

世界のトリビア

  1. 考古学者がインドネシアの洞窟で、切断手術の最古の証拠を発見した。それは3万1,000年前の若者の遺体で、外科手術で脚が切除されていました。
  2. エッフェル塔が暗くなるかもしれない。とはいっても、節電のためにいつもより1時間早く消灯されるだけですが。
  3. 脳内には、記憶をポジティブとネガティブに分類する分子が存在する。ニューロテンシンを理解することで、不安や依存症の仕組みを解読することができるかもしれません。
  4. ヘンドリックスのジンが絶滅の危機に瀕したキュウリを救った。すべては資本主義の名の下に行われたことであり、自然保護のためではありません。
  5. Pumpkin spiceがメリアム・ウェブスター辞典に登録された。今月新たに登録された言葉は他に、shrinkflation、subvariant、ICYMI(In case you missed it)などがあります。

Quartz Japanのニュースレターサービスは、2022年9月30日をもって終了いたします。終了の日までニュースレターの配信を続けて参りますが、年額会員の皆さまへの返金などサービス終了に伴うお手続きについて、こちらをご覧ください。