DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月13日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- 国王チャールズ3世が初めて英国議会で演説を行った。新国王のチャールズ3世は、議会制民主主義の重要性を強調しました。一方、英連邦に加盟し英国王を元首として戴くニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、自国がいつの日か共和制に移行することを期待していると述べました。
King Charles III addressed UK parliament for the first time. The new monarch emphasized the importance of parliamentary democracy. Meanwhile, New Zealand’s prime minister Jacinda Ardern stated she expects her country to one day be a republic. - 英国経済の成長率は予想より鈍かった。物価上昇と景気後退への懸念が個人消費を圧迫するなか、7月のGDPは前月比で0.2%増と、アナリスト予想の0.3%増を下回りました。
The UK economy grew slower than expected. GDP rose 0.2% in July, less than the 0.3% analysts predicted, as rising prices and recession fears weigh on consumer spending. - EUはファイザーのオミクロンブースターを承認した。米製薬大手のファイザー(Pfizer)製のこのワクチンは、オミクロン変異株の最新の2つの派生型をターゲットにしています。日本もファイザーと米モデルナ(Moderna)のブースターを承認し、この秋には入国者数の上限を撤廃する予定だと報じられています。
The EU approved Pfizer’s omicron booster. The vaccine targets two of the latest variants. Japan has also cleared Pfizer and Moderna boosters, and reportedly plans to ease travel restrictions for tourists this fall. - スウェーデンの右派が僅差の勝利に向けて着々。スウェーデンの議会選挙の最終結果は水曜日(14日)まで判明しませんが、野党の右派陣営は中道左派の与党陣営を1議席上回る情勢です。
Sweden’s right wing is on course to secure a narrow win. Final election results are not expected until Wednesday, but the bloc is on track for a one-seat majority. - ユニバーサル・スタジオ・北京が人員を削減。2カ月に及ぶ休業と中国の「ゼロコロナ」政策により、ユニバーサル・スタジオ・北京の従業員数はオープン以来、約25%減となりました。
Universal Studios Beijing cut staff. A two-month closure and China’s zero-covid policy has led to an approximate 25% drop in its workforce since opening. - チェコの元首相、アンドレイ・バビシュが裁判にかけられた。大統領選に出馬する可能性のあるビリオネアのバビシュは、200万ドル(約2.8億円)相当のEU補助金をめぐる詐欺事件に関与したとされています。
Former Czech prime minister Andrej Babis stood trial. The billionaire, who may run for president, is allegedly involved in EU subsidy fraud worth $2 million. - アフリカ初の水素プラントが2024年に始動する予定。フランスのHDFエナジー(HDF Energy)の発表によると、ナミビアにあるこのプラントは14万2,000人分のクリーンエネルギーを生産することができるとされています。
Africa’s first hydrogen plant is expected to start up in 2024. France’s HDF Energy stated the plant, located in Namibia, will be able to produce clean energy for 142,000 people.
What to watch for
告発のゆくえ
ツイッターの元セキュリティ責任者、ピーター・“マッジ”・ザトコが同社を告発したのは8月のことでした。今日(13日)、ザトコは米上院司法委員会が開催する公聴会に招かれ、このソーシャルメディアプラットフォームのセキュリティおよびデータプライバシーに関する失敗と欺瞞について聞き取りを受ける予定です。
果たして本当に、ツイッターはデータプライバシーに関して2011年に米連邦取引委員会(FTC)との間で交わした和解に違反していたのでしょうか? 同社従業員の大部分に対して、システムレベルへのアクセスが与えられていたのでしょうか? 公聴会で議員たちはザトコに対し、彼が主張する内容に対する証言を求めることになりそうです。
今日のザトコの証言から、彼が単に不満に突き動かされた従業員だったのか、それとも重大な不正行為を暴くホンモノの内部告発者なのかが明らかになります。しかし、いずれにせよ、この公聴会がツイッターが抱える別の試練──イーロン・マスクとの裁判にも影響することは間違いありません。
How to build a space station
宇宙ステーションを作る
仮想通貨取引所のマウントゴックス(Mt.Gox)の創業者で、リップル(Ripple)やステラー(Stellar)の共同創設者でもあるクリプトのパイオニア、ジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)が新たに立ち上げたのは、人工重力を備えた宇宙ステーションの建設を目指すVastという企業です。
すでに米航空宇宙局(NASA)は国際宇宙ステーション(ISS)の運用を2030年で終えることを発表しており、月やさらにその先にフォーカスしています。一部企業は資金を調達し、民間による地球低軌道での居住モジュール運営を目指していますが、ビジネスとしてリスクが高いことに変わりはありません。
- イーロン・マスク率いるSpaceXの躍進によりステーション建造に必要な資材を宇宙に運ぶコストは下がっているが、建設には多額の資金がかかる
- Vastは、地球環境同等の重力を人工的に発生させることを約束しているが、実際のところそれがどのように機能するかは不明
- 企業や政府、あるいは莫大な金を持つ個人にとって、地球上空500マイルに店を構えるのに十分な需要があるか未知数
Surprising discoveries
世界のトリビア
- 大気汚染はがんを引き起こす。ただし…。有毒ガスが細胞を傷つけことが原因だと思われてきましたが、傷ついた古い細胞を目覚めさせることがわかりました。この発見は、腫瘍の予防と治療に革命をもたらすかもしれません。
- 米ユタ州のグレートソルトレイクは縮小し、塩分濃度が上昇している。塩分濃度が18%上昇し、地元の野生生物の生存を脅かす閾値を超えました。
- クジラの死骸を処理するのは、環境に悪影響。死骸を自然に腐敗させることで、バクテリアや死骸を食べる生き物のお腹を満たすことになります。つまり、死骸を除去することは、生命の循環を疲弊させることにつながるのです。
- 米国では、葬儀学校への出願が急増している。160億ドル(約2.2兆円)規模の葬儀業界が深刻な人手不足に直面するなか、学生の卒業時の就職率は90%に達しています。
- オーストラリアのオウムが、レンガを取り除いてごみ箱を開ける方法を覚えた。シドニーの住民は、この賢い鳥がごみ箱の蓋を開けないよう、対策に取り組んでいます。
Quartz Japanのニュースレターサービスは、2022年9月30日をもって終了いたします。終了の日までニュースレターの配信を続けて参りますが、年額会員の皆さまへの返金などサービス終了に伴うお手続きについて、こちらをご覧ください。