DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月14日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- ツイッターの株主は、イーロン・マスクの「馬鹿げたジョーク」のお金を受け取ることになるだろう。米EVメーカー、テスラ(Tesla)のCEOであるマスクの総額440億ドル(約6.3兆円)での買収提案を、ツイッターは昨日(13日)の臨時株主総会での投票で承認しました。投資家には儲けるか損をするか、という2つの選択肢しかないので、この結果は予想通りといえます。
Twitter shareholders will take Elon Musk’s dumb joke money, please. Yesterday’s vote to approve the Tesla CEO’s $44 billion takeover was predictable—investors only had two real options: make money or lose money. - ウクライナはロシアから数十の占領地を奪取した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によると、現在進行中の反転攻勢により、6,000平方キロメートルの領土を取り戻しました。ゼレンスキーは、改めて欧米による軍事支援を求めています。
Ukraine seized dozens of settlements from Russia. It has reclaimed 6,000 sq km (2,316 sq miles) of territory in an ongoing counter-offensive, according to President Volodymyr Zelenskyy, who has also renewed calls for Western military aid. - 英国の失業率は、1974年以来最低に。失業率は3.6%に低下しました。これは主に、長引くパンデミックの影響で仕事を探していない人が増加し、労働力の供給源が縮小したことによるものです。
The UK reported its lowest unemployment rate since 1974. It fell to 3.6%, mostly due to workforce dropouts, as long-term illness impacts its shrinking labor pool. - 中国は、14カ月の凍結期間を経て新しいビデオゲームライセンスを承認した。テンセント・ホールディングス(Tencent Holdings、騰訊控股)とネットイース(NetEase、網易)の新作ゲームタイトルが承認されました。アナリストは、中国当局のテック企業への取り締まりが緩和されたのかどうか、注視しています。
China approved new video game licenses after a 14-month pause. Tencent and NetEase got the greenlight, and analysts wonder if Beijing’s tech crackdown is thawing. - ウォール街の大物たちが、新しい暗号取引所を立ち上げる。チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)やフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)などが支援する暗号資産取引所、EDX Marketsは11月に開設される予定です。
Wall Street heavyweights are launching a new crypto exchange. EDX Markets will debut in November, with backers including Charles Schwab and Fidelity Digital Assets. - ホンダは、2025年までに10車種以上の新型電動バイクを発売すると発表した。ホンダは、2027年までに電動バイクの年間販売台数100万台を目指します。
Honda announced it will release 10 new electric motorbikes by 2025. The company aims to hit 1 million in annual EV unit sales by 2027. - UNGAは、持続可能な開発目標に向けた進捗状況を明らかにし始める。ただ、わたしたちはそれほど期待はしていません。今後2週間の国連総会(UNGA)の動向は、期間限定のニュースレター「Need to Know: UNGA 2022」(英語)でもお届けしています。
UNGA will start revealing progress towards its sustainable development goals. We’re not holding our breath. Keep up with what the United Nations General Assembly does—and doesn’t do—over the next two weeks by signing up for our Need to Know: UNGA 2022 limited email.
What to watch for
2022年最大のIPO
米国の新規株式公開(IPO)市場が、ようやく活気を帯びてきました。木曜日(15日)に予定されている、米保険大手、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下で分社化される生命保険・退職金事業の「コアブリッジ・ファイナンシャル」の上場は、米国における2022年最大のIPOとなる見込みです。評価額155億ドル、調達額19.2億ドルを目指しており、今年1月にプライベートエクイティ大手のTPGが上場した際の11億ドルを超える規模になりそうです。
昨年2021年は、IPOにとって記念すべき年でした。この年の上場社数は初めて1,000社を超え、資金調達額も総額3,150億ドル超(かつて2,000億ドルを超えることすらなかった)という新記録を打ち立てたのです。
しかし、2022年は、CEOが口を揃えて言う「コントロール不能なマクロ経済要因」、つまりは「インフレを助長するサプライチェーンの混乱」や「労働力不足」といった事情から、予想を上回る勢いで高みからの転落をみせています(AIGも、コアブリッジ上場が遅れたことについて「市場環境のせい」だとしています)。
Ray-Bans you’re wearing…
そのレイバンって…?
上の写真を見て、そこにカメラがあるって気づきましたか? メタ(旧フェイスブック)とレイバンがコラボした「Ray-Ban Stories」を着けたQuartzレポーターのAdario Strangeは、ランチを食べようと入ったレストランでそのスマート眼鏡に誰も気づかなかったという体験について記事にしています。
メタには、不格好だった「Google Glass」をはじめとする愚かなデザインを避けるだけの良識があったようです。しかし、スマートグラスとしての機能をシームレスに埋め込んだあまり、普通の「Wayfarer」にしか見えない見た目になってしまったのです。特徴的なデザイン要素なり目を引くロゴなりがあれば、ランチ仲間も目の前のメガネがクラシックでアナログな163ドルのレイバンとは違い、300ドルのスマートグラスだとわかったかもしれません。主張のないスタイリングは、今回ばかりは少々不気味に感じてしまいます。
Adarioの記事では、Ray-Ban Storiesがまだ本格的に普及していないこと、そしてメタがハードウェアを売れずに苦労していることについて触れていますが、しかし、メタにはまだ時間があります。同社には史上最高の見た目を誇るスマート眼鏡はもちろん、米通信大手T-Mobileとの新しいパートナーシップも待っています。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- ペルシャ叙事詩の原稿がオークションに出品されることになった。5万もの韻を踏んだ対句を含み、挿絵に20年を費やした16世紀の叙事詩「シャー・ナーメ」の原稿は、690万ドル(約9.9億円)で落札される可能性があります。
- AIアートが禁止されつつある。一部のオンライン・コミュニティでは、コンピューターで作られた作品が、人間の手による芸術(例えば、王に関する5万もの韻を踏んだ作品など)を締め出してしまうことを懸念しています。
- テスラがあなたの一票を求めている。同社は、3つの大陸のうちどこにEV充電ステーションを設置するか、一般からの意見を求めています。
- 馬並の「ネグローニ」で世界記録を更新。バンコクのホテルでつくられたカクテルは、1杯で1,109パイント(630リットル)、400キログラム(882ポンド)になりました。
- おばあちゃんの相棒、Mr. Bah。この移動支援ロボットは、高齢者がバランスを崩したのを感知します。
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