Daily Brief:中国、元安に不安なし?

9月15日、世界で今起きていること。人民元は今年、米ドルに対して9.5%下落しましたが、中国はそれほど心配していないようです。

DAILY BRIEF

世界で今起きていること

Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月15日の「世界で今起きていること」をお届けします。

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Illustration: Dado Ruvic (Reuters)
  1. EUは、エネルギー会社の利益に対して1,400億ドル(約20兆円)の課税を提案した。この計画は、エネルギーコスト増と供給危機のなかで、消費者と企業を保護することを目的としています。フランスは、来年のエネルギー価格の上昇を15%に抑えるとしています。
    The EU proposed a $140 billion tax on energy firm profits. The plan aims to protect consumers and businesses amid an energy cost and supply crisis. France will cap energy price increases at 15% next year.
  2. スウェーデンの右派陣営が勝利宣言。野党の右派勢力が議会の過半数を獲得し、極右の野党・民主党は第2党に躍進しました。
    Sweden’s right-wing bloc declared victory. The far-right Sweden Democrats have become the country’s second-largest party after their coalition won a majority in parliament.
  3. 中国の習近平国家主席がカザフスタンに到着した。新型コロナウイルスのパンデミック以降初となる外遊は、上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせたもので、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談する予定です。
    Chinese president Xi Jinping visited Kazakhstan. He will meet with Russian president Vladimir Putin at the sidelines of the SCO summit in his first trip abroad since the outbreak of covid.
  4. 韓国は暗号開発者、ド・クォンの逮捕状を取った。ド・クォンが創業したテラフォーム・ラブズ(Terraform Labs)は、今年、暗号資産の「ルナ」と「テラUSD」が暴落し、400億ドル(約5.7兆円)規模の損失が発生したことを受け、捜査対象となっていました。
    South Korea issued an arrest warrant for crypto developer Do Kwon. His company, Terraform Labs, is currently under investigation after its $40 billion crash earlier this year.
  5. EUによる巨額の反トラスト法違反の罰金をめぐり、グーグルの上訴が退けられた。しかし、罰金は43億3,000万ドル(約6,100億円)から41億2,000万ドル(約5,800億円)へと減額されました
    Google lost its appeal over a hefty EU antitrust fine. However, the fine was reduced from $4.33 billion (€4.34 billion) to $4.12 billion (€4.125 billion).
  6. パンデミックの「終息が視野に入った」とWHO。先週の世界の死亡者数は、2020年3月以来の低水準となりました。
    The WHO said the end of covid is “in sight.” Global deaths last week hit the lowest point since March 2020.
  7. スターバックスは中国で3,000店舗を新たにオープンする。新型コロナウイルスが売上高を圧迫していますが、スターバックス(Starbucks)は、2025年までに世界第2位の市場で9,000店舗を運営する計画です。
    Starbucks will open 3,000 new stores in China. It plans to operate 9,000 stores in its second-largest market by 2025, despite covid curbs weighing on sales.

What to watch for

PSVR2への期待

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Photo: Kim Kyung-Hoon (Reuters)

本日(15日)より開催されるゲームの見本市「東京ゲームショウ2022」に来場するVRファンは、ソニーのプレイステーション用バーチャルリアリティヘッドセットの第2世代機「PlayStation VR2」(PSVR2)を一般ユーザーとして初めて試すことができます。

かつてVR開発の先陣を切っていたソニーにとって、PSVR2はバーチャルリアリティへの新たな「コミットメント」を象徴する存在です。2016年に発売開始となった初代PSVRは、その売上がオキュラスリフト(Oculus Rift)などの競合ヘッドセットを瞬く間に上回り、『Time』誌が発表した「The 25 Best Inventions of 2016」(2016年の発明品ベスト25)のひとつに挙げられました。

しかし、好評を博したものの、発売後3年間で実際にデバイスを購入したプレイステーション所有者は5%未満でした。2020年に売上が低迷すると、ソニーの経営陣はこの技術に興味を失ったようです。同年10月、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのCEOであるジム・ライアン(Jim Ryan)は、VRがゲームの中で意味のある存在になるのは何年も先だろうと予測しました。

それだけに、ソニーが2021年2月にPSVR2の開発を発表したことは、ある種の驚きであり、VR愛好家にとっては安堵する出来事だったのです。


How worried about the tumbling yuan?

強気な人民元?

中国人民元は今年、対米ドルで9.5%下落し、一部のアナリストは、重要な節目である「1ドル=7元」に近づきつつあると見ています。来週予定されている米連邦準備理事会(FRB)の75bp(1bp=0.01%)の利上げによって、人民元はさらに暴落する可能性があります。

人民元のパフォーマンスが低下している要因のひとつは、ドル相場の高騰です。もうひとつは、不動産業界の不振や厳しい「ゼロコロナ」政策による混乱など、中国経済の苦境が続いていることです。

いまのところ、中国当局はそれほど混乱していないように見えます。先週の政策説明会で、中国人民銀行の劉国強(Liu Guoqiang)副総裁は「今後、世界は人民元の認知度を高めていくだろう」と述べています。

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Graphic: Quartz

Surprising discoveries

世界のトリビア

  1. ラニーニャ現象がまたまたやってきた。この気象現象は3年連続で太平洋で発生し、記録が始まって以来3度目となります。
  2. 哺乳類の仲間は、泣いている赤ちゃんをあやす方法を教えてくれる。幼い動物は親に抱かれるとおとなしくなります。これは「輸送反応」と呼ばれる効果です。
  3. 異星のダイヤモンドは、地球上のダイヤモンドよりも硬い。科学者たちは、珍しい六角形の構造が関係していると考えています。
  4. カザフスタンの首都が以前の名前に戻ることになった。2019年、元大統領のヌルスルタン・ナザルバエフを称えるために首都名がアスタナからヌルスルタンに改名されましたが、その後、彼と後継者の関係は悪化しています。
  5. 中国のインフルエンサーが、IKEAのロッカーで米国のハイスクールのような雰囲気を楽しんでいる。このファッショントレンドは、ソーシャルメディアプラットフォーム「小紅書」(RED)などで大流行していますが、本物の設定を手に入れるのは難しいかもしれません。

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