DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月16日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- 中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウズベキスタンで会談した。両首脳が直接会談するのはロシアのウクライナ侵攻後初めてで、協力し合うことを表明しました。
Chinese president Xi Jinping and Russian president Vladimir Putin met in Uzbekistan. It was their first meeting since Russia’s invasion of Ukraine, and both leaders expressed willingness to work together. - アドビがスタートアップのデザインプラットフォーム、フィグマを買収する。『Bloomberg』によると、ソフトウエアメーカーの米アドビ(Adobe)による米フィグマ(Figma)の買収額は200億ドル(約2.8兆円)で、株式非公開のソフトウエア企業の買収としては過去最大規模になります。
Adobe will buy startup design platform Figma. With a price tag of $20 billion, it’s the largest-ever purchase of a private software company, Bloomberg reports. - ロンドンのヒースロー空港が、数百便のフライトをキャンセルした。月曜日(19日)にはエリザベス女王の国葬のほかにもフランスでの航空ストライキが予定されており、スケジュールの約15%に影響が出るとみられます。
London’s Heathrow Airport canceled hundreds of flights. About 15% of its schedule will be impacted on Monday (Sept. 19), the day of the Queen’s funeral and an air traffic strike in France. - 中国のシーインが米国に進出する。評価額1,000億ドル(約14.3兆円)の中国発のファストファッション大手、シーイン(Shein)は、配送時間を短縮するために3つの配送センターを建設する予定です。
China’s Shein will expand into the US. The fast-fashion giant, valued at $100 billion, plans to build three distribution centers to speed up delivery times. - シェル(Shell)のCEOが、気候変動対策に軸足を移すために退任することになった。ベン・ファン・ブールデン(Ben van Beurden)の後任には、再生可能エネルギー・ガス部門ディレクターのワエル・サワン(Wael Sawan)が就任します。
Shell’s CEO is stepping down in a pivot to climate goals. Wael Sawan, current director of its integrated gas and renewables division, will succeed Ben van Beurden. - 中国のチップ企業、数千社が閉鎖した…。中国は半導体産業の自給自足を目指していますが、過去8カ月で3,470社の半導体関連企業が閉鎖しました。
Thousands of Chinese chip firms shut down… A record 3,470 semiconductor-related firms closed in the past eight months even as the state seeks self-sufficiency in the industry. - …そして中国国営銀行は預金金利を引き下げた。中国当局が経済成長のテコ入れを図るなか、主要7行が預金金利を一斉に引き下げました。2015年以来となる動きです。
…and China’s state banks cut deposit rates. Seven major financial institutions decreased rates for the first time since 2015 as Beijing looks to shore up economic growth.
What to watch for
国葬が意味すること
英国では月曜日(19日)、エリザベス2世の国葬が執り行われます。この日は「バンクホリデー」(公休日)になり、店を閉じる義務はないものの、国中の何千という小売店、商店、企業が営業を取りやめ、さらに多くの学校、いくつかの病院、フードバンクまでもが休みになります。
一方、何百人もの国家元首や政府高官がロンドンに飛び(ヘリコプターやプライベートジェットではありませんが)、英国の納税者が何十億ポンドも負担することになるとみられる式典に出席する予定です。過去にかかった費用は、ダイアナ妃の葬儀が約20億〜30億ポンド(約3,290億〜4,940億円)、エリザベス皇太后(エリザベス女王の母)の葬儀が約500万ポンド(約8.2億円)と言われており、月曜日の葬儀がさらに高額なものになることは間違いないでしょう。
英国が生活費危機とインフレに直面するなか、国全体を休みにすることや女王の最後の儀式の費用を公費で賄うことに誰もが賛成しているわけではありません。月曜日に見込まれる経済生産高の減少は数十億ドルに達し、王室関連の年間支出をさらに増やすだけでしょう。
Will China break into the luxury market?
市場参入の可能性は?
中国はファストファッション、携帯電話、ドローンで確たる地位を得たものの、ラグジュアリーについてはいまだ解明できていません。中国はいつの日か高価格製品の世界一の消費国から、その主要な生産国になれるという考えは、投資家が何年も前から耳にしている話です。
ニューヨーク証券取引所への上場を計画しているランバングループ(Lanvin Group)は、そのストーリーをついに実現させたいと考えています。SPAC(特別買収目的会社)の発表では、いつかLVMHやケリング(Kering)のような高級ブランドと肩を並べ、アジアの富裕層向け消費市場を開拓するという野心的なビジョンが語られました。
しかし、まだ大きな疑問が残っています。IPOの日程はまだ漠然としていますし、負債を抱えた親会社のフォースン・インターナショナル(Fosun International、復星国際)は最近、中国の規制当局の調査対象となっています。 また、社内の改革や、新型コロナウイルスに伴う規制も障害になっています。ポテンシャルのある会社なのですが、そのビジョンの実現はまだまだ先の話かもしれません。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- オランダの学生たちが、走行中に二酸化炭素を吸収するクルマをつくった。2万マイル(約3万2,000km)走行すると最大2kgの二酸化炭素を吸収するフィルターを搭載しています。
- 「エリカ」と呼ばれるロボットが、ユーモアのセンスを身につけようとしている。科学者たちは、笑いのTPOを理解できるようにアルゴリズムをトレーニングしています。
- トマトといえば、遺伝子組み換えの紫トマトである。米当局は英国の研究所で改良された実を栽培することを承認し、早ければ来年にはスーパーマーケットに並ぶことになるでしょう。
- ブリテン諸島の上空で目撃された火球は、おそらく単なる宇宙ゴミであった。それにしてもすごい光景でした。
- 小惑星といえば…恐竜を滅亡させたのは隕石ではなかったかもしれない。新しい研究により、火山噴火が原因とする仮説が復活しました。
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