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Because China
すべてを変える中国
Quartz読者のみなさん、こんにちは。
今、世界第2の経済大国であり、テクノロジー大国となった中国。Quartzは、中国がいかに世界中であらゆる産業を変えまくっているのか、その現場を追い続けています。
火曜日の夕方はその映像シリーズ「Because China」をお楽しみください(👇をクリックしていただくと動画に飛びます)。
2月のある夜、アフリカ豚コレラ(ASF)のまん延を防ぐため、中国北部の河北省で5600匹の豚が殺処分され、埋却されました。同じような処理が、中国全土でも行われたと言います。
How China’s swine fever epidemic turned into a global crisis
ASFは、人に感染することはありませんが、感染した豚を高い確率で死に追いやるウイルスで、中国で飼育されている豚の約半数が、わずか一年で姿を消しました。
その被害は、アジアの近隣諸国にも広がり、中国では豚肉価格が急騰。世界市場で大混乱を引き起こしたのです。
ASFに有効なワクチンや治療法が今のところ存在しないという理由もあるものの、中国で起こったASF感染の大部分、少なくともその一部は、中国の急速な経済発展と、官僚制度における欠陥に原因があったと考えることができます。
中国における農業は、この20年間で急速に拡大した一方、未だに統制されておらず、中国にいる半分以上の豚は、衛生管理の行き届いていない、小規模の養豚場で飼育されています。
加えて、動画中で説明するように、中国の官僚制度から生まれた歪んだ仕組みによって、政府のあらゆる階層において、拡大する問題が過少に報告されていたのです。
ASFのまん延は、中国の農業分野を理解する貴重な機会となりました。そして、豚肉だけでなく、あらゆる畜産、農業分野において、中国が世界にどれほどの影響を及ぼすのか、その全貌が垣間見えました。
今回のBecause Chinaでは、ASFによって甚大な被害を受けた中国最大の養豚農家に話を聞き、どうしてこれほどの被害が生まれたのか。その理由を紐解きます。
This week’s top news
注目の中国ニュース4選
- TikTokが脱中国をアピール。TikTokを運営するByteDanceが、TikTokの大半を中国事業から切り離すことを検討していることが明らかになった。ByteDanceは、2017年の米動画アプリ「Musical.ly」買収を巡って、CFIUS(対米外国投資委員会)から安全保障の懸念から調査を受けていた。
- アリババが香港市場に上場。26日、アリババが香港取引所に株式上場。今回の上場では、約876億香港ドル(約1兆2000億円)の調達を目指して、5億株を新規発行し、1株当たり176香港ドル(約2450円)で公募。5月にニューヨークで新規上場したUberを抜き、2019年、最大のIPOとなった。アリババは、2014年にニューヨーク証券取引所に上場。その際には、約250億ドルを調達し、世界最大のIPO記録を打ち立てた。
- 財新・中国PMIが予想外の上昇。財新が発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は58.1と、前月の51.7から上昇。2006年12月以来の3年ぶりの高水準となった。30日に中国国家統計局が発表した、11月のPMIでも50.2と市場予想の49.5に反し、好不況の分かれ目となる50を7カ月ぶりに上回っていた。
- ディープ・フェイクを規制へ。中国サイバースペース管理局(CAC)は29日、ビデオやオーディオコンテンツに関する新しい規制を発表。人工知能やVR技術などを用いて作成されたという説明なしに、フェイクニュースまたはディープフェイクのコンテンツをオンライン上で公開することは違法となる。新たな規制は来年1月1日から施行される。
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