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Africa Rising
躍動するアフリカ
毎週水曜の夕方は、次なるイノベーションの舞台として世界が注目する「アフリカ」の今と、主要ニュースを伝えていきます。英語版(参考)はこちら。
テック界の偉人たちが、次々とアフリカを訪れている。
近年、モバイル送金や決済など、フィンテックを中心に大きなスタートアップムーブメントが起き始めているこの大陸には、「次なるイノベーション」のポテンシャルがあり、近年、ビッグネームたちが次々と上陸しているのだ。
- サティア・ナデラ(マイクロソフトCEO):ケニア
- マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO):ナイジェリア、ケニア
- サンダー・ピチャイ(グーグルCEO):ナイジェリア
- ジャック・マー(アリババ元CEO):ケニア、ルワンダ、南アフリカ、エチオピア、ガーナ、トーゴ、ナイジェリア
そして、ここに来て、アフリカに本腰を入れ始める起業家が登場した。
「ツイッター」とモバイル決済サービス「スクエア」の創設者の一人であるジャック・ドーシーがこのほど、来年のうち3カ月から半年ほどをアフリカ大陸で過ごす計画であると発表した。ミャンマーの寺院で10日間瞑想のトレーニングをした2018年とは異なり、2020年のアフリカ訪問は仕事が中心となるようだ。
今回、ドーシーは3週間かけてガーナ、ナイジェリア、南アフリカなどアフリカ諸国のイノベーターたちと面談を行っており、エチオピアからの帰路でこの2020年の計画がツイートされた。
滞在先やアフリカでの具体的な予定について詳細は公表されておらず、ツイッター社もコメントをしていない。しかし、アフリカのイノベーターたち、特に今回ドーシーと面談をした人たちにとっては、この発表は力強い後押しになるはずだ。
Why interested in Africa?
アフリカに惹かれた男
CNNビジネスニュースによると、Quoted Repliesというツイッター集計アプリを開発したダラ・オラドスは、ドーシーとラゴスで面会した直後に仕事のオファーを受けたという。
またエチオピアでは、複数のスタートアップ企業家による提案を聞く機会があったそうだ。エチオピアは大陸で人口2番目の国であり、テックセクターの成長に積極的に力を入れている。デジタル経済を組み立てることで新たに300万のテック系の仕事を生み出す計画だ。
ガーナでは、ドーシーは仮想通貨の開発者と面会し、この国で事業を拡大したテックの巨人グーグル、マイクロソフトやファーウェイに追随するようにテック市場の成長に興味を示している。
ドーシーはアフリカへの関心を高めているようだが、これまでもビットコインやオープンソースの仮想通貨開発には声を上げて賛同してきている。今年初めにはビットコインのネットワークにおいてオープンソースで開発できるSquare Cryptoをローンチし、自身のプラットフォームであるツイッターとスクエアにも統合していく予定だ。
アフリカの地で、この新たなチャレンジを共にする仲間を探しているのかもしれない。
Everyone is watching Africa(次はアフリカ)
彼のツイートからも分かるように、アフリカで起こっていることは注目に値することは確か。
世界銀行によると、今最も急成長している経済市場のうちの4つはアフリカ諸国で、以下の国々だ。
- コートジボワール
- エチオピア
- ガーナ
- ルワンダ
大陸の総人口12.5億人のうち4億人がインターネットにアクセスしているというインターネットソサエティのレポートは、まだ8億人分の市場ポテンシャルがあるという明るい未来を示している。
This week’s top stories
今週のアフリカニュース5選
- ナイジェリアのJijiが資金調達。ナイジェリアを拠点とするオンラインマーケットプレイス「Jiji(ジジ)」が、VCのKnuru Capitalを含む6人の投資家から、シリーズCおよびC-1で2,100万ドル(約23億円)の資金を調達した。JijiはAnton Wolyanskyが2014年に設立。ガーナ、ウガンダ、タンザニア、ケニアを主なマーケットとし、eBayとCraigslistをミックスしたようなプラットフォームだ。
- 移民たちはメキシコを超えてアメリカへ渡る。メキシコからアメリカへ渡ろうとするアフリカの移民の数は増え続けている。Los Angeles Timesによると、最新のデータでは、メキシコの入国管理官は、2018年10月から2019年9月までに5,800人のアフリカ人に対応。この数は昨年、2,700人だった。彼らの多くはコンゴ、シエラレオネ、カメルーンから来ている。
- ミス・ユニバース2019は南アフリカ代表。「ミス・ユニバース2019」の世界大会が、12月8日、アメリカ・ジョージア州アトランタで開催。90カ国以上が参加する中、南アフリカ代表のゾジビニ・ツンジ(26歳)がグランプリに輝いた。ゾジビニは最終選考のスピーチで、女性の権利拡大について述べた。
- アフリカ人は世界で一番スパムメッセージを受け取る。エチオピアのモバイルユーザーは、1日に約120件のスパムメッセージ(SMS)を受け取るという。これはストックホルムを拠点とする電話番号識別アプリ「Truecaller」が明らかにしたもので、世界1位の数。なお、2位は南アフリカ、3位はケニアと、トップ3をアフリカの国が占めている。
- 南アフリカが世界で一番の働き者? オックスフォード大学の調査によると、2017年の年間勤務時間が一番多いのは南アフリカで、2,209時間だった。2位の中国は2,174時間、3位の韓国は2,063時間。
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(翻訳・編集:福津くるみ、写真:Quartz, ロイター, Twitter)