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Because China
すべてを変える中国
Quartz読者のみなさん、こんにちは。
今、世界第2の経済大国であり、テクノロジー大国となった中国。Quartzは、中国がいかに世界中であらゆる産業を変えまくっているのか、その現場を追い続けています。
火曜日の夕方はその映像シリーズ「Because China」をお楽しみください(👇をクリックしていただくと動画に飛びます)。
多くのソーシャルメディア・プラットフォームと同様に、今世界中で、ウィーチャットで発信される政治的な投稿が増えています。
Is WeChat a problem for democracies?
その影響範囲は非常に広く、世界で5番目に大きなソーシャルメディアであるウィーチャットのユーザー数は、10億人に上ります。
中国の巨大テクノロジー企業、テンセントが保有するウィーチャットは、メッセージングアプリとしてスタートし、様々な機能を備えた巨大プラットフォームへと進化しました。今では、伝統メディアや、個人ブロガー、メディアスタートアップなどが利用するニュースアプリの側面も持っています。
ウィーチャットを政治的に活用している人々にとって、ウィーチャットが中国以外にも展開していることは魅力的に映ります。世界中の中国人がこのアプリを使って、同じ地域にいる中国語話者とつながっているのです。2016年には、ウィーチャットを発端として、中国系アメリカ人たちが、全米を巻き込んだ抗議活動を行いました。
カナダやアメリカ、オーストラリアの政治家も、自国の中国人有権者にリーチするために、ウィーチャットを利用しています。
フェイスブックやツイッターと同様に、ウィーチャットも誤情報や歪められた情報が広がる懸念があり、言語の壁と、ウィーチャット特有の問題が、それをさらに悪化させています。最たる例は、ウィーチャットが中国政府とその検閲規制の上に成り立っているという点です。
今回のBecause Chinaでは、オースラリアに赴き、中国の「スーパーアプリ」が、いかに他国の民主主義や選挙に影響を与えているのか、その最前線を追いました。そこから見えてきたのは、ウィーチャット内の独特のエコシステムと、このアプリが中国政府が国境を超えて検閲の手を広げる手段の1つになっている事実でした。
オーストラリアの議員に訴えかけた人や、現在進む世界的なテクノロジー企業をどう規制するかという議論にウィーチャットも加えるべきだと語る人、誤った情報の拡散を防ぎ、市民のオンライン上でのプライバシーを守ろうとする人など、我々は現状に立ち向かう人々の話を聞きました。
This week’s top news
注目の中国ニュース4選
- ウイグル批判で試合の放送が中止。アーセナルのメスト・エジル選手が、中国政府によるウイグル人への弾圧を批判するツイートをしたところ、中国の国営放送、中国中央電視台(CCTV)は日曜日に行われたアーセナル対マンチェスター・シティの試合の放送を別の試合に差し替えた。所属先のアーセナルは「エジル氏の個人的な意見」と述べ、クラブとして政治には関与しない方針を堅持した。
- ドローンタクシー企業が上場。12日、中国のドローンメーカーで、ドローンタクシーの実用化に取り組んでいるEHangが米ナスダック市場に上場した。1株あたり12.5ドル(約1370円)で公募し、初日は12.49ドル(約1368円)で終了。時価総額は約6億6200万ドル(日本円で約725億円)とユニコーンデビューとはならなかった。公開資料によると、今年9月までの売上が940万ドル(約10億3000万円)だったのに対して、670万ドル(約7億3400万円)の損失を出していた。
- テンセントがTikTokに対抗。中国の巨大テック企業テンセントは短尺動画アプリ「Kuaishou」の新たな資金調達ラウンドで20億ドル(約2190億円)を出資する方針だという。テンセントは、バイトダンスの手掛ける「Douyin」や、その海外版の「TikTok」に対抗する狙いで、Douyinが女性や大学生、オフィスワーカーに人気があるのに対し、Kuaishouは、中国の男性ユーザーや農村部また移民の間で人気がある。
- アリババがフィンテック企業を支援。12日、香港のフィンテック企業WeLabがアリババなどからシリーズCラウンドで1億5600万ドル(約171億円)の資金調達を完了したと発表した。WeLabは今年4月に香港での仮想銀行(バーチャルバンク)の免許を取得し、2020年中に「WeLab Bank」というオンライン上のみで完結したネット銀行の提供開始を目指している。
【今週の特集】
今週のQuartz(英語版)の特集は「The business of water scarcity(水不足のビジネス)」です。世界中で、新鮮な水が足りなくなる事態が発生しています。企業たちが支配する水ビジネスと、資本主義の問題について、Quartzが論じます。