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Because China
すべてを変える中国
Quartz読者のみなさん、こんにちは。
今、世界第2の経済大国であり、テクノロジー大国となった中国。Quartzは、中国がいかに世界中であらゆる産業を変えまくっているのか、その現場を追い続けています。
火曜日の夕方はその映像シリーズ「Because China」をお楽しみください(👇をクリックしていただくと動画に飛びます)。
今ほど、匿名であることが難しい時代はありません。インターネット無しには生活できない現代社会で、インターネットは国家や巨大テクノロジー企業の手中で管理されています。
そのため、オンラインでもオフラインでも、デモを行うことは難しく、デモを行おうとしても、逮捕されたり、個人情報が晒されたりする脅威に直面するので、大きなプラットフォームに頼ることができないのです。
Hong Kong is showing the world how to protest anonymously in an era of mass surveillance
Facebookでは、ユーザーは本名で登録する必要があり、WeChatの利用者は、政府IDに紐付けられた電話番号を登録する必要があります。警察や政府は、TwitterやRedditなどの位置情報と投稿を照合して、匿名ユーザーを特定することができます。
一方で、反体制派たちは今、テクノロジーを新しい方法で駆使し、リーダーを立てずに統率を図り、自分たちの個人情報を守っています。
こうした方法が今、香港で大きな試練を迎えています。香港では、デモ隊と警察が数ヶ月に渡って衝突し、世界で最も進んだ監視国家である中国政府と対峙しているのです。
これまでのところ、中国政府が、顔認識やGPS追跡などの技術を使って、香港デモの参加者を逮捕したという証拠は出ていませんが、中国本土ではこうしたことが実際に行われており、デモ参加者たちは、こうした技術が香港でも利用されることを恐れています。
これは中国だけの話ではありません。インターネット上での大規模な監視や政府による介入は、世界中で起こっている事実です。
ニューヨーク市警は数年前、Black Lives Matterの抗議集会に参加した人々の写真や、Twitter上でのアクティビティを追跡していました。また、スペイン政府は、ウェブサイトが「公序良俗に、重大かつ差し迫った脅威」をもたらすと判断した場合、当局がウェブサイトを閉鎖することを許可する法令を施行。これは、カタルーニャでの、スペインからの独立を求めるデモへの参加を呼びかけるサイトに対する、直接的な対応だったと考えられています。
Because Chinaの最新エピソードでは、香港とカタルーニャに飛び、何もかもが監視される時代のデモの最前線を追いました。
そこでは、オンラインフォーラムで戦略が議論され、意思決定はオンライン投票によって行われ、最新の情報がメッセージングアプリで共有されるなど、リーダーを立てずに匿名で組織を動かすために、様々な形でテクノロジーが活用されていました。
またスペインでは、自らアプリを開発し、仲間の参加者だけに情報を共有する者も現れています。
国と、その国に不満を持つデモ参加者の間で起こる、絶え間ないモグラ叩きの中で、人々は一歩先へ進むために戦っています。
This week’s top news
注目の中国ニュース4選
- デジタル人民元は順調。中国人民銀行は5日、デジタル人民元の開発計画が順調に進んでいると発表。しかし、具体的な期日は発表されなかった。昨年12月には深センと蘇州でのテストを進めていることが明らかになるなど、フェイスブックが独自開発するデジタル通貨「Libra」を受けて、中国政府は昨年から開発のスピードを早めている。
- 顔認証技術のメグビーが上場基準をクリア。昨年8月に香港でのIPOを申請していた顔認証技術「Face++」を手掛けるメグビーがついに上場基準をクリアしたとロイターが報じた。メグビーは時価総額5億ドル(約542億円)での上場を目指しており、AI技術を手掛ける中国企業として、初めての上場となる。
- 米軍がTikTokの削除を指示。中国のバイトダンスが手掛けるTikTokをめぐって、米国防総省はセキュリティ上の懸念から、すでに通達されている政府支給の端末に加え、個人のスマートフォンからもアプリを削除するよう推奨した。過去には、施設内での「Pokemon Go」を禁止する通達を2016年に出している。
- テンセントが音楽業界に接近。中国の大手インターネット企業のテンセントは、フランスのメディア企業ビベンディから、U2、ドレイク、テイラー・スウィフトなどを抱える世界最大のレコード会社、ユニバーサルミュージックグループの株式10%を300億ユーロ(約3兆6368億円)の評価額で取得することで合意した。テンセントはすでに、音楽ストリーミングサービスを手掛けるスポティファイの株式7.5%を保有し、韓国の大手事務所SMエンターテインメントとも提携を結んでいる。
【今週の特集】
今日1月6日の日本時間夕方に配信される、今週のQuartz(英語版)の特集は「The birth of geriatric cool(かっこいい老年の誕生)」です。日本だけでなく、多くの先進国で高齢化が大きな課題となってくる中、いかに老年をミレニアルのように楽しく、快適に過ごすのか、大きな変化の兆しをQuartzがレポートしていきます。