China:中国式「ネット独裁」がアフリカを支配する

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Because China

すべてを変える中国

Quartz読者のみなさん、こんにちは。

今、世界第2の経済大国であり、テクノロジー大国となった中国。Quartzは、中国がいかに世界中であらゆる産業を変えまくっているのか、その現場を追い続けています。

火曜日の夕方はその映像シリーズ「Because China」をお楽しみください。(👇のサムネイル画像をクリックするとメンバーシップ会員限定の動画《8分10秒》をご覧いただけます)

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アフリカのザンビア北部を流れるチャンベシ川がコンゴ川に流れ込む前に溜まってできた巨大な湖は、「空と出合う水」という意味のバンウェール湖です。

この広大な湖では、小さな漁船に乗ったザンビア人がのんびり電話をかけたり、Whatsappでチャットしていたりしています。

What happens when China builds your country’s internet

中華製インターネットの功罪

今、アフリカ中の国々が、デジタル経済に接続されようとしています。かつてアクセスできなかったインターネットに、バンウェール湖の真ん中でもアクセスできるようになっているのです。

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ザンビアでは、チャットから金融機関、公共サービスに至るまで、あらゆることがインターネット上で完結します。そして、こうしたサービスの多くが、中国の支援によって実現しています。

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しかし、中国は投資機会をうかがっているのでもなく、まだ小さな国々からの支持を得ようとしているわけでもありません。中国は、我々の考えるインターネットの概念を変えようとしているのです。

ザンビアでは、光ファイバケーブル、衛星放送受信アンテナ、携帯電話基地局、データセンターなど、中国政府から支援を受けた中国企業による様々なデジタルインフラ建設プロジェクトが進行しています。

これらがうまく行けば、ザンビア人は「かつては、隣町の友人に手紙を送るのに何日もかかっていたが、今ではWhatsappで国を越えられる」と過去を懐かしむことができるようになるでしょう。

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しかし、中国が進める新しい概念のインターネットは、始まったばかりの民主主義の脅威となる可能性もありえます。中国は、すべての国が独自のバージョンのインターネットを構築できるべきだが考えているのです。

当の中国も、国民の中国国外のサービスへのアクセスを制限することで、中国版のGoogle、Facebook、YouTubeを育ててきました。中国が海外で行うデジタルインフラ建設プロジェクトを、民間企業や、NGO、市民ではなく、ほぼ政府だけを相手に行ってきたのは、このことが理由です。

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中国によって進められるデジタル化が、ザンビアでは、政府の独裁化をより強化しています。実際、今年初めには、Facebookで大統領を侮辱したとして教師が収監される出来事がありました。

Quartzは今回、中国によるデジタルインフラ・プロジェクトが進むザンビアに飛びました。そこで見えてきたのは、ザンビアの人々は、必ずしも中国のような検閲され制限されたインターネットを望んでいるわけはないという現実でした。

しかし、民主主義にせよ独裁国家にせよ、中国のインターネットは、政府の権力をより強固なものへと変えています。

中国の支援によって広がるデジタル化の先には、どんな未来が待ち受けているのか。ストーリーのすべてはこちらからご覧いただけます《8分10秒》。

This week’s top news

注目の中国ニュース4選

  1. ヨーロッパはHuaweiを排除しない。次世代通信規格5Gのネットワーク構築をめぐって、アメリカがHuawei製品の完全排除を各国に求める圧力をかけているなか、英国のボリス・ジョンソン首相は28日、Huaweiの製品について、機密情報を扱う場所からは除外し、英国内におけるシェアは35%以内にするという条件付きでの参入を認める決断を下しました。また29日には、EUの欧州委員会も、導入については各国の判断に委ねるとする方針を示し、完全排除を見送りました
  2. Appleは中国の全店舗を一時的に閉鎖。Appleは1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中国本土にある42のApple Storeすべてを9日まで休業にすると発表しました。Apple Storeだけにとどまらず、Appleの関連オフィス、、コンタクトセンターも閉鎖の対象となります。Appleが1月28日に発表した1-3月(第2四半期)の業績予想は、新型コロナウイルスによる不確実性のために、通常よりも広いレンジで設定されていました。
  3. 終息後の飛躍に期待。31日、過去のウイルス感染の拡大がアジアのスタートアップ企業の資金調達にどのような影響を与えたのかをまとめたレポートをCB Insigtsが発表しました。レポートでは、2020年の資金調達額は減速する可能性は大きいものの、流行が終息した後には、大規模な調達が行なわれる可能性を示唆しています。2003年に新型肺炎「SARS」が流行した際は、2004年の第4四半期まで四半期ベースの調達総額が発生前の水準に戻らなかったものの、2005年には、YahooからAlibabaへ10億ドル(約1,200億円)の歴史的な投資が生まれました。
  4. スーパーボウルで存在感を増すTikTok。NFLの年間王者を決める第54回スーパーボウルが2日に開催され、広告の祭典としても知られるこの試合に向けたCMやキャンペーンで、TikTokを活用する企業が増えています。食品会社のサブラは、同社初となるスーパーボウルでのCMに、TikTok発のインフルエンサーのチャーリー・ダメリオを起用。炭酸飲料のマウンテンデューや、自動車会社のヒュンダイなども、TikTok上でハッシュタッグチャレンジなどのキャンペーンを展開しました。

今週の特集

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今週のQuartz(英語版)の特集は「The VC boom(VCブームの行方)」です。つい最近までニッチな産業に過ぎなかったベンチャーキャピタルが今や爆発し、特に大きなVCによる弊害や問題も生まれています。その最前線をQuartzがレポートしていきます。

Quartz Japan読者イベント開催

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読者の皆さんとのミートアップイベント「Voice Up」を開催します。

日時:2020年2月14日19:00〜

場所:都内某所

明日5日を応募の締切とさせて頂いております。参加をご希望の方はこちらのフォームよりご応募下さい。また、応募多数の場合は、抽選とさせていただきます。何卒ご了承下さいませ。

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