China:アマゾンを破壊する大豆

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Because China

すべてを変える中国

Quartz読者のみなさん、こんにちは。Quartzは、中国がいかに世界中であらゆる産業を激変させているのか、その現場を追い続けています。火曜日の夕方はその映像シリーズ「Because China」をお届けします。

今週は、中国が変えるブラジル経済について。ブラジルが中国に向けて輸出している大豆をめぐって、ブラジル国内ではさまざまなパワーバランスが作用し、結果、ブラジル経済を脆弱化させてしまっているというのです。

(👇のサムネイル画像をクリックするとメンバーシップ会員限定の動画《9分31秒》をご覧いただけます)

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Reshaping economy and its environment

大豆を見て森を見ず

中国の食肉市場とブラジルの大豆農家は、非常に深く関係しています。

中国では、とりわけ豚肉の消費量が過去最大を記録していますが、その豚のエサである大豆を主に生産しているのがブラジルです。

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中国で高まる肉の需要は、ブラジルの大豆生産に強い影響を及ぼし、2000年から2016年にかけて中国のブラジルからの大豆の輸入量は20倍にも上昇しました。

短期的な視点で見ると、ブラジル最大の産業の一つである大豆に対する中国の天井知らずの需要は、非常によいことのように思えます。

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しかし、長い目で見ると、中国の影響力はマイナスに作用することになるでしょう。というのも、ブラジルでは、この大豆の生産量を上げるために森林を切り開いて農地を確保しているのです。

また、大豆への過度な依存状態は、専門家がブラジル経済が発展するために必要だと指摘する、経済の多様化と進歩を阻害する要因になっているのです。

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今回の「Because China」では、Quartzはブラジルへ飛び、大豆農家や、先住民族の指導者、環境保護家、経済学者から話を聞き、ブラジル全体を変えている中国の食肉需要が真に意味するものを追いました。

ストーリーのすべてはこちらからご覧いただけます《9分31秒》。

This week’s top news

注目の中国ニュース4選

  1. 2月上半期の乗用車販売台数はマイナス92%。中国の乗用車販売台数は、2月第2週までの数値で、前年比で92%減少していたことが、全国乗用車市場情報連合会による21日の発表で明らかになりました。2月の第1週は、前年比で96%減少し、中国全土の販売台数は1日平均わずか811台にとどまりました
  2. ペプシが中国スナックメーカーを買収。炭酸飲料の「ペプシ」で有名な、食品飲料会社のペプシコは24日、中国のHaoxiangni Health Foodから、ECを中心にナッツやドライフルーツなどを販売するスナックブランド、Be&Cheeryを7億5,000万ドル(約828億3,400万円)で買収することで合意したと発表しました。ペプシコは、先日発表した決算ではアナリストの収益予想を下回った中、昨年、収益が2桁成長を見せたアジア地域に注目しています。
  3. TikTokがまた使用禁止に。米運輸保安局(TSA)は23日、従業員に対して、TikTokへの投稿を止めるよう指示しました。TSAを管轄する国土安全保障省は先月、政府発行のデバイスからのTikTok使用を禁止していました。TikTokを運営するByteDanceは、米政府系機関で相次ぐ利用禁止を受けて、ワシントンD.C.で勤務する新しいCEOと、コンテンツ管理を行なうディレクター職の求人を公開しています。
  4. 中国でのM&Aは下半期に回復へ。PwCが20日発表したレポートによると、2019年の中国でのM&Aの取引総額は、米中貿易戦争や、政府による企業債務を削減させようとする動きに伴い、14%減の5兆5,900億米ドル(約617兆4,000億円)と、過去5年で最低の数値を記録しました。しかし、レポートによると、新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、2020年上半期こそ取引は急激に減少するものの、後半には大きく回復する見込みで、特に最近の中国企業が事業の一部を他のアジア諸国へと移す動きは、さらなるM&Aを促進する可能性もあります。

今週の特集

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今週のQuartz(英語版)の特集は「China’s first global app(中国初のグローバルアプリ)」です。Tik-Tokを武器に、グローバルなプラットフォームを作り上げたByteDance。アリババ、テンセントの巨人に頼らず、世界を駆け巡る彼らの野望をQuartzがレポートします。

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