[qz-japan-author usernames=”mlockieqz”]
What to watch for this weekend
世界で週末起きること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。日本でも小中高校の臨時休校が要請され、多くのイベントが中止、東京五輪延期論も浮上するなど、深刻化する新型コロナウイルスですが、ついに米国でもその影響が本格的に広がっています。2月28日金曜日、今月最後のグローバルニュースをお届けします。英語版も合わせてどうぞ。
- 新型コロナウイルスから市場は回復できるのか?米株式市場は自由落下を続け、ダウ平均株価は1日あたりの下げ幅として過去最大となる1,200ポイント安を記録。S&P500は4.5%下落となり、史上最速での調整局面入り(ピーク時から10%の下落)となりました。一方、投資家は安全な場所を失いつつあり、ウォール街の銀行であるゴールドマン・サックス(独自のコロナウイルスの問題を抱えている)は今年のアメリカ企業の収益成長をゼロと予測しています。この急落でカナダのトロントとモントリオールの証券取引所での取引も、GDP統計の数字が不振になると予想される前日に停止されました。
- 中国は主要な経済データを公表する。アナリストらは、中国が最新の製造業PMI(購買担当者景気指数) を発表するにあたり、大幅な下落を予想しています。一部の検疫と旅行規制は緩和されつつありますが、2月には中国の工業生産に大規模な混乱が生じました。
- 米国とタリバンは18年に及んだ戦争の後、協定に調印するとみられる。1週間にわたる「暴力削減」が実行された場合、アフガニスタンの反政府武装勢力であるタリバンの交渉担当者とザルメイ・ハリルザド米アフガン和平担当特別代表は合意書に署名し、その後、恒久的な停戦に向けた交渉を開始します。
【今日の夕方は…】
今日2月28日(金)のPMメールは、「India Explosion」。気候変動による世界の難民の数は、今や紛争や戦争による人数を上回っています。その影響を特に受けているインドでは、気候変動がGDPを30%低下させているという調査結果もあるほどです。今、インドには何が必要なのか。気候変動をめぐるインドの現状をレポートします。
WHILE YOU ARE SLEEPING
あなたが寝ている間に
- 新型コロナウイルスの脅威に目覚める米国。米保健当局は、新型コロナウイルスに感染した懸念のある8,400名を監視下に置いているカリフォルニア州で、初の海外渡航歴のない症例を確認したと発表しました。トランプ政権は、保護マスクと衣服の製造を国内で開始するために、強権を発動するのではないかと言われています。CDC(米疾病予防管理センター)は、改良版の検査キットを発表しました。
- 企業も新たな現実に対応。 Facebookは、ウイルス感染の懸念から開発者向けカンファレンスの「F8」を中止。Amazonは、マーケットプレイスから、疑わしいとの問い合わせがあった100万を超える新型コロナウイルスの関連商品を削除しました。一方で、Appleのティム・クックCEO(最高経営責任者)は、中国が「新型コロナウイルスをコントロール」できるようになれば、工場の稼働を再開すると語りました。
- 中国外でも新型コロナウイルスの影響が広がる。日本はすべての学校を閉鎖すると発表しました。イランでこの病気にかかった政府高官は、今回の副大統領を含めて4人。ドイツは、来るべき景気減速に対応するため、税制優遇措置を検討しています。
- 新型コロナはあなたのキッチンにも。中国での検疫は、中国のフードデリバリーの注文を4倍にしました。そして、その流れは米国にも到来するかもしれません。また、インドでは、風評被害から、一部の地域で鶏肉の価格が70%下落しました。コカコーラは、世界のダイエットコーラの供給量が危険な状態にあると発表しました。明るい話題では、アーモンドミルクの価格が下がるかもしれません。では、変わらないものは何なのでしょうか?それは、この疑問が投げかけられているコロナビールの広告です。
- EUとの貿易交渉にむけて英国は交渉権を表明する。EUは英国に対して、EUの規則を受け入れるように求めていますが、英国は今日改めて、完全な独立を表明すると考えられています。
- Beyond Meatが決算を発表。人工肉を手掛けるBeyond Meatが、決算を発表します。今回の決算では、四半期の売上が、昨年から150%増の約8,000万ドル(約88億円)、通年売上は、約2億8,000万ドル(約308億円)に上ると考えられています。また、過去のボラティリティの高さから、株価の振れ幅が注目されています。2019年初頭のIPOから、一時は360%上昇しましたが、いまはその最高値から50%下落しています。
- Shutterstockの従業員は、中国の検閲か自分の仕事かを選択するよう迫られた。スタッフは中国人ユーザーへの検閲を非難する嘆願書を送り、COO(最高執行責任者)のスタン・パブロフスキーは、「(従業員は)他の(場所で働く)機会を求める」ことができる、と話したと報じられています。
【今週の特集】
今週のQuartz(英語版)の特集は「China’s first global app(中国初のグローバルアプリ)」です。Tik-Tokを武器に、グローバルなプラットフォームを作り上げたByteDance。アリババ、テンセントの巨人に頼らず、世界を駆け巡る彼らの野望をQuartzがレポートします。
Matters of debate
世界のトリビア
- 天文学者たちは宇宙で最大の爆発を観測した。その記録破りの爆発は、地球から3億9000万光年離れたブラックホールが原因で起こりました。
- 破産したボーイスカウトは美術品を売らなければならないかもしれない。性的虐待の被害者に賠償金を支払うことになったため、ノーマン・ロックウェルの貴重な絵画を売る必要があるかもしれません。
- 屈強なアヒルが助けに向かう。中国はイナゴの群れと戦うため、パキスタンに数十万羽のアヒルの配備を検討しています。
- 調香師たちは「恐怖の香り」を作り出した。1930年代のソ連・スターリン政権下で起きた大粛清の舞台となった法廷があったモスクワの歴史的建造物に香水店がオープンする計画に対し、抗議活動が行われています。
(写真/ロイター)
👇に、こちらの記事をシェアできる機能が追加されました(Quartz Japanのツイッターで最新ニュースもどうぞ)