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Africa:メタの「口封じ」に非難殺到

アフリカで今週起きたこと。アフリカのいまを知ることは、世界のビジネスの未来の可能性を知ること──注目のスタートアップのみならず、最新ニュースをピックアップしてお届けします。

This story was published on our Quartz Japan newsletter, A glimpse at the future of the global economy-in Japanese.
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アフリカのいまを知ることは、世界のビジネスの未来の可能性を知ること──注目のスタートアップのみならず、最新ニュースをピックアップしてお届けします。

STORIES THIS WEEK

アフリカで起きている事

  1. Facebookの“口封じ”が非難の的に。Facebookのコンテンツモデレーションを担っているケニアの企業・Samaが、労働者に非人道的な扱いをしているとして内部告発を受けました。これに対しメタ(Meta)とSamaが告発者の口封じを試みたことが、世界80以上の労働団体や権利保護団体に非難されています
  1. チュニジア・フランス系VCファンドの新プロジェクト。チュニジア拠点のVCファンド・Cathay AfricInvest Innovation Fund(CAIF)が、アフリカのスタートアップに投資する1億1,200万ドル(約152億4,846万円)のファンドを発表しました。世界のVCの資金繰りが悪化しているなか、このファンドはアフリカに特化するものとしては最大級です。
  1. 東アフリカ発の英単語が辞書に登録。ケニア、タンザニア、ウガンダで話されている英単語約200語が、『オックスフォード英語辞典』に追加されました。今回加わった単語は、この地域で人気のB級グルメから音楽ジャンルまでさまざまです。
  1. バーチャルカードが利用不可に。7月15日から18日にかけて、アフリカのフィンテックサービスが相次いでMastercardのバーチャルカードが利用できなくなることを発表しました。これらのサービスで使われているMastercardのバーチャルカードはどこもザンビアのフィンテック企業・Union54を通じて提供されており、このところUnion54が抱えている不正利用の問題との関連が指摘されています
  1. AfCFTAは文化経済の起爆剤なるか。アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の恩恵を受けるのは、なにも製造業だけではありません。域内貿易や移動が増えることにより、ファッションや芸術、工芸、映画、映像、舞台芸術、料理、スポーツ、観光といった文化経済の活発化も期待されています
  1. インフラ整備の壁。アフリカが持続可能なインフラを維持するには、毎年最大1,080億ドル(約14兆7,038億円)の資金が必要だとする新たな試算が発表されました。ウクライナ戦争や世界的なインフレ、深刻なドル不足などによりアフリカは経済的苦境に立たされています。インフラ維持には公的資金だけでは不十分だと、アフリカ開発銀行が設立したインフラ投資プラットフォームAfrica50の会長は語っています
  1. チーター、ナミビアからインドに里帰り。インドのクーノ野生動物保護区がナミビアからチーター8頭を迎え入れます。インドのチーターは1952年に絶滅が宣言されており、このたび数年にわたる交渉の末にようやく世界最速の動物がこの地を駆け巡ることになります。

DEALMAKER

今週の注目ディール

  • ケニアで84店舗を展開する同国最大のスーパーマーケットチェーン・Naivasが、フランスの開発金融機関であるProparcoから3,150万ドル(約42億8,863万円)の出資を受けました。この取引はProparcoとIBL Group、DEGが共同でNaivasの株式の40%を取得するために行なった取引の一環です。
  • スーダンのデジタルバンキングスタートアップであるBloomは、Y CombinatorとGlobal Founders Capital、Visaから650万ドル(約8億8,495万円)を調達しました。Bloomは2022年3月、スーダンの企業としては初めてY Combinatorのアクセラレータープログラムにも参加しています。またVisaによる投資は、Bloomが同社が展開する「Fintechファストトラックプログラム」に参加したのと同時期に行われています。現在Bloomは、ユーザーに普通預金口座を提供するアプリを展開しています。

THE CASE STUDY

今週のスタートアップ

Image copyright: Quartz
企業名:Usiku Games
本社所在地:ナイロビ(ケニア)
創業者:Jay Shapiro

アフリカの若者にポジティブな行動変容をもたらすこと。それが、2018年10月創業のUsiku Games(以下Usiku)のミッションです。同社はいまやケニア最大のゲームプラットフォームに成長し、アフリカ9カ国に進出しています。

ナイロビのスラム街キベラで産声を上げたUsikuは、NGOの協力のもと薬物乱用や犯罪などの社会課題をテーマにするゲームを開発してきました。

Usikuのタイトルはいずれもローカルユーザー向けで、言語はスワヒリ語とシェン語、音楽にはアフリカのトラックが使われています。これまで開発されたゲームは30作品にのぼり、毎日数千人がログインしてプレイしています。また、ゲームは基本プレイ無料ですが一部のゲームにはサブスクリプションが用意されており、Usikuはそれで収益をあげています。

Image copyright: Monicah Mwangi

Usiku の転機は2022年1月に訪れます。ファウンダーのジェイ・シャピロ(Jay Shapiro)は、ユーザーが同社のプラットフォームを通じてお金を節約する方法 はないか考えました。ただし、シャピロは、勝った人だけがお金を引き出せるスポーツベッティングのようなモデルにはしたくなかったようです。

そこで彼らが開発したのは、ユーザーがゲーム内で獲得したポイントを国民病院保険基金(NHIF)経由で健康保険料の支払いに充てるというモデルでした。「Usikuコイン」いうトークンをつくり、これを使って保険料を支払えるようにしたのです。彼らは、この仕組みによって若者がスポーツギャンブルから離れるようになると期待しています。


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ファウンダーに訊く

Image copyright: Quartz

Usikuファウンダーのジェイ・シャピロは、カナダ出身のブロックチェーン起業家です。彼はシンガポールで13年、ニューヨークで3年過ごし、イノベーションプロジェクトを率いてきました。その後、彼はアフリカでもテックに精通した人が多く住むケニアに拠点を移し、Usikuを立ち上げました。

💡創業のいきさつ

「キベラのコミュニティを調査したところ、多くの若者がゲームに熱中していることがわかりました。若者がゲームセンターに入っていくところや、スマートフォンでオンラインゲームをプレイしているところをよく目にします。もうひとつ若者たちが熱狂しているのがさまざまなベッティングプラットフォームです。ここにいる若者の多くはギャンブル依存の状態に陥っています。そこでわたしは、若者たちが楽しめて、保険料の支払いにも役立ち、必ず勝てるとは限らないスポーツベッティングから彼らを遠ざけることにつながる何かに投資しようと考えたのです」

💻 「ブロックチェーン・ゲーム」という道を選んだ理由

「ユーザーのほとんどは、ブロックチェーンゲーミングと知らずにプレイしています。ブロックチェーン・ゲームというかたちにしたのは、ユーザーがより簡単にプレイした時間に応じて報酬を得られるようにするためです。報酬はデジタルコインのかたちで支払われますが、わたしはNHIFと協力して保険料の支払い手段として行政に認められるようにしています」

🤝 ゲームを広く楽しんでもらうためにできること:

「わたしたちが目指すのは、このゲームをアフリカのより多くの人に届けること。毎日ゲームをプレイする人の約65%は女性です。わたしたちは各ゲームをそれぞれ違うユーザー層向けに開発しています。ゲームは無料で提供し、今後は西アフリカのフランス語圏のコミュニティを取り込むためにフランス語にも対応させる予定です」

今日のニュースレターは、Quartz AfricaのFaustine Neilがお送りしています。翻訳はAsuka Kawanabe、編集はSota Toshiyoshiが担当しました。

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