Daily Brief:エリザベス2世が死去

9月9日、世界で今起きていること。エリザベス2世が96歳で死去。1952年から70年にわたった在位期間に幕を閉じました。

DAILY BRIEF

世界で今起きていること

Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月9日の「世界で今起きていること」をお届けします。

Image for article titled Daily Brief:エリザベス2世が死去
Photo: Andrew Boyers (Reuters)
  1. エリザベス2世が96歳で亡くなった。バッキンガム宮殿の声明によると、女王はスコットランドのバルモラル城で安らかに息を引き取ったそうです。彼女の70年にわたる在位期間が終わったというニュースは、まずTwitterで流れました。
    Queen Elizabeth II died at age 96. A Buckingham Palace statement said she died peacefully at Balmoral Castle in Scotland. News that her 70-year-reign had ended broke first on Twitter.
  2. ECBは過去最大の利上げを実施した。欧州中央銀行(ECB)は政策金利を0.75%引き上げ、今後も利上げを続ける見込みです。
    The ECB made its biggest-ever rate hike. It raised interest rates by three quarters of a percentage point with promises for more to come.
  3. メルセデスとリビアンがEVで提携。ドイツ自動車メーカーのメルセデス(Mercedes)と米EVメーカーのリビアン(Rivian)は、コスト削減のため、ヨーロッパでEVバンを共同生産する計画です。
    Mercedes and Rivian made a deal on EVs. The two automakers plan to manufacture electric vans together in Europe as a cost-saving measure.
  4. イスラエルとグアテマラが自由貿易協定に調印。ロイター通信の報道によると、この協定の対象には工業製品や農産物が含まれているそうです。イスラエルは、インドや中国とも同様の協定締結に向けて取り組んでいます。
    Israel and Guatemala signed a free trade agreement. The deal includes industrial and agricultural products, Reuters reports. Israel is working on similar agreements with India and China.
  5. 米国はウクライナに26億ドル(約3,700億円)の援助を送る。米国のウクライナへの軍事支援は現在、総額150億ドル(約2.1兆円)を超えています。一方、ウクライナは戦時下の同国経済が第2四半期に37%落ち込んだと報告しました。
    The US will send Ukraine $2.6 billion in aid. US military assistance to Ukraine now totals over $15 billion. Meanwhile, Ukraine reported its wartorn economy saw a 37% drop in Q2. 
  6. 有望な新しいマラリアワクチンが発表された。オックスフォード大学の研究者によると、このワクチンは2030年までにマラリアに関連する死亡を70%削減できる可能性があるとのことです。
    A promising new malaria vaccine was announced. It could cut malaria-related deaths by 70% by 2030, according to scientists at the University of Oxford.
  7. テスラの中国での自動車販売台数が3倍に。テスラ(Tesla)は上海工場での増産に伴い、8月に中国で7万6,965台を販売しました。
    Tesla tripled car sales in China. It sold 76,965 vehicles in August following increased output from its Shanghai plant.

What to watch for

英国の新時代の幕開け

Image for article titled Daily Brief:エリザベス2世が死去
Photo: Jane Barlow (Reuters)

2人の“リーダー”の交代に伴い、英国に新しい夜明けが訪れます。昨日(8日)、70年にわたり在位したエリザベス2世が96歳で亡くなったことを受け、チャールズ皇太子が新国王として即位しました。一方、リズ・トラスは、女王の逝去のわずか48時間前(6日)に英国の首相に就任しました

新しい国王にとっても首相にとっても、前途は多難です。

チャールズ皇太子は、現代で最も人気の高かった君主の後を継ぐことになります。彼は、王室内の人種差別性的虐待をめぐる告発を乗り越え、王制の近代化や廃止を求める声が高まるなか、自らの道を切り開かなければなりません。一方、トラス首相は、過去数十年で最悪の経済状況労働不安の高まり、経済的不平等の深刻化といった問題を抱える国政を受け継ぐことになりました。 率いることになった政党も、スキャンダルにまみれています。

どのようなリーダーになるかを決めるのは時期尚早ですが、社会的不公正、経済的不公平、気候変動への対応を求められるなか、両者は自らのアイデンティティを切り開く必要があるでしょう。


GameStop knows how to meme

その提携、効果ある?

ミーム株として知られるゲームストップGameStop)の株価は、長いあいだ、「ファンダメンタルズ」(経済における基礎的条件)と無縁でした。例えば、ゲームストップの第2四半期決算にまつわる興味深い数字があります。

  • 11億3,600万ドル(約1,637億円):売上高
  • 4%:前年同期比の減少幅
  • 1億870万ドル(約156億円):第2四半期における損失額
  • 43%:前年同期比の増加率
  • 10%:水曜日(7日)の時間外取引における株価の上昇率🤔

市場が閉じると同時に、ゲームストップは暗号通貨取引所、FTXとの提携を発表しました。

提携の内容は、つまるところFTXギフトカードの取り扱いを開始するというもので、ユーザーは友人や親戚に、ある特定の取引所でクリプト資産を買うためにのみ使用できるお金をプレゼントできるというわけですが…これでゲームストップは、実際に儲かるのでしょうか? そんなことはないでしょう。彼らは、世間を賑わせる「クール」な響きに賭けたのです。


Surprising discoveries

世界のトリビア

  1. ロブスター漁が、タイセイヨウセミクジラを絶滅に追いやっている。この甲殻類の漁に使われる道具が、クジラの移動ルートに散乱しているためです。
  2. フェルメールの作品『牛乳を注ぐ女』は、もっと違った印象を与えることができたはずだった。画家は当初、女性の背景に他のモチーフを描いていましたが、最終的に「シンプルなほどいい」と判断し、壁を真っ白にしたのです。
  3. テレビアニメ『ペッパピッグ』に同性カップルが登場。英国で火曜日(6日)に放送されたエピソードでは、主人公のペッパに対し、友達のペニー・ポーラーベアが自分には「2人の母親がいる」と話しました。
  4. 新たに発見されたタンパク質が、ヒトの生殖で重要な役割を担っていることが分かった。このタンパク質は精子と卵子の融合に寄与しており、体外受精の成功確率を高めるのに役立つ可能性があります。
  5. 小さなソーラーパワーで動くサイボーグのゴキブリは、さらに任務を遂行することができる。電池が切れることがないため、突飛な行動をすることも少ないでしょう。

Quartz Japanのニュースレターサービスは、2022年9月30日をもって終了いたします。終了の日までニュースレターの配信を続けて参りますが、年額会員の皆さまへの返金などサービス終了に伴うお手続きについて、こちらをご覧ください。たくさんの温かいメッセージをいただき、心から感謝申し上げます。