DAILY BRIEF
世界で今起きていること
Quartz読者の皆さん、おはようございます。9月21日の「世界で今起きていること」をお届けします。
- 国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、化石燃料産業への課税強化を呼びかけた。グテーレス事務総長は第77回国連総会の演説で「(大気を)汚染する者は、(その対価を)支払わなければならない」と述べました。一方、200のNGOが各国の指導者たちに公開書簡を送り、世界的な飢餓の危機に対する行動を呼びかけました(現在、期間限定で「Need to Know: UNGA 2022」(英語)を配信中です。こんな内容のニュースレターです)。
UN chief António Guterres called for more taxes on the fossil fuel industry. “Polluters must pay,” he said in an address to the 77th UN General Assembly. Meanwhile, 200 NGOs sent an open letter to world leaders calling for action on the global hunger crisis. (Sign-up to our UNGA newsletter to stay up-to-date.) - ウクライナの4つの支配地域が、ロシアへの編入の是非を問う住民投票の計画を発表。ウクライナと西側諸国は、住民投票の実施は違法かつ見せかけだけのものだとして抵抗し続けてきました。
Four occupied regions of Ukraine announced plans to vote on joining Russia. Ukraine and Western nations have dismissed the annexation move as illegal and a sham. - ドイツはガス大手のユニパーを国有化する。苦境にあるエネルギー部門を下支えするため、ドイツで最大のロシア産ガスの買い手であるユニパー(Uniper)に総額80億ユーロ(約1.1兆円)が投入されます。
Germany will nationalize gas giant Uniper. A total of €8 billion ($8 billion) will be injected into the country’s largest buyer of Russian gas to prop up a struggling energy sector. - 日本では13万人以上の人びとがまだ停電下にある。週末に日本を襲った台風「ナンマドル」は、鹿児島県の種子島宇宙センターにも被害を与えました。
Over 130,000 people in Japan still lack power. Typhoon Nanmadol, which hit the country over the weekend, also damaged a space center. - スポティファイがオーディオブック事業を開始。有料ダウンロードサービスで、30万以上のタイトルが利用可能です。
Spotify launched its audiobooks business. The pay per download service has over 300,000 titles available. - エヌビディアがAIを活用した新しいゲーミングチップを発表。英国の数学者の名を冠した米半導体大手、エヌビディア(Nvidia)の次世代グラフィックカード「Ada Lovelace」は台湾で製造される予定です。
Nvidia has a new gaming chip that uses AI. The next generation “Ada Lovelace” graphic cards, named after the British mathematician, will be manufactured in Taiwan. - 上海が2,570億ドル(36.9兆円)規模のインフラ投資を発表した。新しい交通ハブや自然公園などを含めた8つのプロジェクトを通じて、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の回復を目指しています。
Shanghai pitched a $257 billion infrastructure investment. Eight projects, including a new transportation hub and nature park, will aim to help revive the covid-hit economy.
What to watch for
3回連続の利上げ
米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制に躍起になっているようです──たとえそのために大幅な利上げが必要だとしても。
本日(21日)、2日間にわたって開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の結果として、FRBは3回連続で、少なくとも75bps(0.75%)の利上げを決定するとみられています。FRBはインフレに打ち勝とうと“数字ゲーム”に精を出していますが、見るべき数字は他にもあります。
- 8.3%:8月の米国のインフレ率。FRBのインフレ目標である2%を大幅に上回っている
- 31万5,000人:先月の米国における雇用者数。「売り手市場」といえる労働市場の状況が、さらに伸長する兆しもある
- 55%:12カ月以内に米国の景気が後退する可能性(CNBCが7月に30人のファンドマネジャー、アナリスト、エコノミストを対象に実施した調査結果による)
- 5.43%:1971〜2022年の米国における平均金利
Airbnb isn’t worried about...
Airbnbは揺らがない
Airbnbにとって、インフレ抑制をめぐる議論はさして大きな問題ではないようです。実際のところ、同社の共同創業者・最高戦略責任者のNate BlecharczykはQuartzのインタビューに答えて、不況はAirbnbにとって良いとさえと言えると語っています。
Airbnbが設立されたのは2008年で、当時はまさに大不況(Great Recession)の幕開けと呼べる時期でした。空き部屋(一戸建てであろうがアパートの一室であろうが)を貸し出すことで目減りした収入を手っ取り早く補えることが証明されたその効能は、今回も重宝されそうです。
いま生活費が高騰しているため、バケーションでの旅行を見送る人がいるのも事実です。しかし、Airbnbはリモートワークに可能性を見出し、デジタルノマド向けの物件リストを拡充してきたため、バケーション利用の減少分を相殺できる可能性もあります。Blecharczykは、世界的なワークスタイル/ライフスタイルの変化は、すでに同社のビジネスに影響を与えているとも語っています。
Surprising discoveries
世界のトリビア
- アリは…どこにでもいる。科学者の計算によると、地球上には20兆匹、つまり20,000,000,000,000匹の地を這う不気味な虫がいるとのこと。
- 小さな町の下水道の大きなビジネス。ある巨大電力会社が、米ペンシルベニア州の町の下水システムに1億1,500万ドル(165億円)を支払って得たものとは…。
- 23年ぶりにカシミール地方に映画館が戻ってきた。治安の悪化が伝えられてきたインド・ジャンムー・カシミール連邦直轄領のスリナガルにできた新しいシネコンではその初日、ボリウッド映画『Laal Singh Chaddha』が上映される予定です。
- ガザで農夫が発見、ビザンチン様式のモザイク画。サルマン・アル・ナバヒンは自身のオリーブ畑での作業中に、タイル張りの床を発掘しました。
- うつの薬は「博物館への旅」。ブリュッセルの精神科医は、うつや不安を感じている患者に対して、セラピーの一環として博物館訪問を正式に処方することがあるのだとか。