Daily Brief:北京は再び厳戒態勢

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世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。インド/中国、韓国/北朝鮮、世界の緊張が高まってきています。最新のグローバルニュースをぜひチェックして下さい(英語版はこちら)。

爆破された南北連絡事務所 / REUTERS
爆破された南北連絡事務所 / REUTERS
  1. 今日は北京市の学校はすべて休校に。週末に新型コロナウイルスの感染が再び広まったことで、市内全域での封鎖措置が強化され、対面授業も休止されました。一方、日本での新たな調査結果によると、東京都内で新型コロナウイルスの抗体を保有していると判定された人はわずか0.1%で、このウイルスの広がりは限定的であることが示されています。ニュージーランドでは、新たに2人の感染者が確認されたことについて、ジャシンダ・アーダーン首相が対応の 「失敗」 を認めました。
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    All Beijing schools are closed today. A resurgence in cases over the weekend has led to increased lockdown measures throughout the city including a pause of in-person classes. Meanwhile, new results in Japan show that just 0.1% of people in Tokyo tested positive for coronavirus antibodies, indicating a limited spread of the virus. And in New Zealand prime minister Jacinda Ardern admitted to protocol “failure” leading to a pair of new cases in the country.
  2. インドは中国との国境での戦闘で死傷者を出した。インド当局によると、インドと中国が領有権を争うインド北部ラダック地方で、両軍が衝突し、インド側の20人が死亡。アジアでは、北朝鮮が南北軍事境界線のDMZ(非武装地帯)近くの南北共同連絡事務所を爆破し、南の隣国を刺激しました。

    India suffered casualties during a border fight with China. Indian officials say 20 of their national forces were killed during a fight with Chinese soldiers in the contested Himalayan Ladakh region. Across Asia, North Korea provoked its southern neighbor by blowing up a liaison office near the demilitarized zone between the two nations.
  3. 安価なステロイド剤が新型コロナウイルスの重症患者に有効であることが示された。ステロイド系抗炎症薬のデキサメタゾンが人工呼吸器などを使用しているコロナウイルス患者の死亡率を約3分の1も低下させたという予備段階の結果は「重要なブレークスルー」になるとして称賛されていますが、一部の専門家は、詳しいデータが明らかになるまでは注意を促しています
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    An inexpensive steroid was shown to help severely ill Covid patients. Preliminary results showing that the drug dexamethasone reduced deaths in coronavirus patients on ventilators by around one third is being hailed as a “major breakthrough,” though some experts are urging caution until more data is revealed.
  4. 米国の新たなデータは、V字回復に向けて複雑な状況を示した。小売売上高は前月比で17.7%増加し、アナリストが予想した伸び率の約2倍となりました。一方、米国の5月の鉱工業生産は1.4%増にとどまり、エコノミストを対象とした調査で予想された伸び率の約半分でした。また、FRB(米連邦準備理事会)のジェローム・パウエル議長は米上院銀行委員会での証言で、景気回復に向けては「まだ長い道のりが残っている」と強調しました。
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    New US data offered a mixed picture for a v-shaped recovery. Retail sales rose by 17.7% over last month, roughly twice the rate that analysts predicted while US industrial production only increased by 1.4% in May, half the rate predicted by a poll of economists. And speaking before the US Senate banking committee Fed chair Jerome Powell reiterated the “long road ahead” of economic recovery.
  5. SoftBankがT-mobileの株式を売却し、Grabは雇用を削減。日本のハイテク大手、ソフトバンクグループは、T-Mobile株の3分の2にあたる約200億ドル(約2兆1,500億円)相当まで売却する計画だと報じられています。東南アジアのライドシェアサービス大手のGrabも5%の人員削減で、スリム化を進めています。
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    SoftBank cuts its T-mobile stake while Grab cuts jobs. The Japanese tech giant reportedly plans to sell up to two-thirds of its position in T-Mobile, worth around $20 billion. Grab, Southeast Asia’s leading ride-hailing service, is also getting lean with a 5% staff reduction.

Charting UK workers’ recovery

労働市場は回復?

英国政府は、企業や失業者への追加支援で、経済の深刻な不況を緩和しようとしています。しかし、チャートで見ると、コロナウイルスの影響は著しくかつ広範囲に及んでおり、痛みをともなっています。

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英国の雇用は、4月末までの3カ月間の国家統計局のデータによると、比較的安定しているようです。しかし、PwCのシニアエコノミストであるJing Teowによると、英国では約4人に1人の労働者(約900万人)が一時解雇されている一方で、彼らはまだ雇用者に数えられている状態だと言います。英国全体の1週間当たりの労働時間が過去最大の落ち込みを記録していることに鑑みると、労働市場に大きな衝撃を与えていることがわかります。


Leveling the playing field

プレミアリーグの変化

Quartzの特約記者であるHasit Shahはこう報じています。「サッカーはイングランドの実力主義に最も近いものかもしれません。ラヒーム・スターリング(25歳)やマーカス・ラッシュフォード(22歳)のような、若い黒人男性が億万長者や国民的英雄になるための明確な道筋は他にはありません」

「それにはもちろん、豊かな才能と猛烈な努力に加えて、たった一つの怪我ですべてを失う可能性もある中で、運も必要となってきますが、最も重要なのは姿勢を変えることなのです」

チームのオーナー、テレビ会社、スポンサーが一時的な収入の減少に不満を述べる一方で、スターリングとラシュフォードは未曾有の状況下で、貧困と人種差別との戦いに貢献したことで目立っており、チームのフロント陣にも黒人の人材を登用するよう主張しました。


You asked about the future of the workplace

新しい働き方

新型コロナウイルスは職場のあり方を永久に変えるのでしょうか? (Sallieさんからのご質問)

回答者:はい。これは安全策だと考えています。コロンビア大学の専門職大学院で人的資本管理を教えるJason Wingard教授は、Quartzの記事の中で、突然登場した私たちの新しい働き方が定着しつつあると述べています。彼は主な変化を4つの項目に分けています。

  1. 柔軟な時間帯:従業員は、個人のスケジュールと作業レベルに基づいて、自分の都合を設定して、コミュニケーションを取ることが求められます。
  2. 従業員の新たな評価指標:完全にリモート化された中で個人の業績を評価するために、テック企業Automattic(オートマティック)のCEOのMatt Mullenwegは従業員にこう尋ねています。「あなたは実際には、何を生み出しましたか?」
  3. 社会的影響:PRを獲得することと実際に効果を上げることの違いには、一度きりの行動ではなく、非営利団体と長期的な関係を築くことが含まれます。
  4. 本物の人間関係:私たちが長期にわたる世界的危機を一緒に経験する中で、最後の形式的な装いは剥ぎ取られてしまいました。今重要なのは、すべてのやりとりが事務的になるような文化を避けることです。

SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. DeepMindは外交ゲームに目を向けている。チェスや囲碁を極めたAIが、複雑な推理力と共同作業を身につけます。
  2. Boston Dynamicsのロボット犬を養子にしよう。7万4,500ドル(約800万円)を投資した消費者は、Spotに新しい家を与えることができます
  3. 「エアラインボトル」には新しい名前が必要だ。一部の航空会社では、乗務員と乗客の交流を制限するため、アルコールの提供を中止しています。
  4. Siriは警察とのやりとりを記録することができる。「Hey Siri, I’m getting pulled over」(やあ、Siri。車を止められたよ)と言うと、iPhoneのデジタルアシスタントがビデオ撮影を開始します。
  5. 緑の惑星。酸素の層が火星の大気を緑色に輝かせています

【今日の夕方は…】

REUTERS/Temilade Adelaja
REUTERS/Temilade Adelaja
Image: Reuters/Temilade Adelaja

水曜日のPMメールは、「Africa Rising」。本日6月17日(水)は、COVID-19によるスタートアップ地図の再編に迫ります。「アフリカのスタートアップエコシステムは、COVID-19によってどれほどの打撃を受けることになるのでしょうか。スタートアップの活躍目覚ましいこの地での局面を注視することで、日本のスタートアップ業界が迎えるであろう危機的状況に備えられるかもしれません。


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