Daily Brief:日本経済、復活の目算

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。あたらしい一週間がはじまります。今日、そして今週起きる世界の最先端をチェックしてみましょう(英語版はこちら)。

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Image: REUTERS/KIM KYUNG HOON
  1. 日本経済はパンデミックで打撃。日本経済は今年、過去最大の5.3%のマイナス成長が予想されます。ロイター通信が実施した調査によると、エコノミストらは、世界第3位の経済大国の成長は、2021年3月まで回復はしないとみています。
    💴
    Japan’s economy—ravaged by the pandemic. The Japanese economy is forecast to contract a record 5.3% this year. Economists don’t expect growth to resume in the world’s third-largest economy until March 2021, according to a Reuters poll.
  2. アジアではコロナウイルスが再び猛威を振るっている。インドでは、累計感染者数が85万人に近づくなか、1日当たりの新規感染者数を更新しました。インドネシアでは、フィジカルディスタンシング(身体的距離)対策を緩和した後に感染者数が増加しており、日曜日には新たに1,681人の新規感染者が報告されました。東京都(新規感染者数206人)と香港(新規感染者数38人)は共に、新たに確認された感染拡大と闘っています。
    😷
    Asia is seeing a coronavirus surge. The coronavirus is surging in Asia again. India saw its highest daily spike as total cases approached 850,000. In Indonesia, cases are rising after the government eased physical-distancing measures: 1,681 new daily cases were reported on Sunday. Both Tokyo (206 new cases) and Hong Kong (38 new cases) are battling nascent outbreaks of their own.
  3. シンガポールで野党が躍進。シンガポールの野党は、金曜日(10日)の総選挙で記録的な躍進を遂げました。この都市国家の与党・PAP(人民行動党)は、93議席中83議席を獲得し、1965年以来の圧倒的多数を維持しています。一方、主要野党のWP(労働者党)も議席を10に伸ばしました。
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    Singapore’s opposition gains. Singapore’s opposition party made record gains in national elections this Friday (July 10). The city-state’s ruling party in power since 1965 retained its supermajority with 83 of 93 parliamentary seats. The opposing Workers’ Party won 10 seats.
  4. 中国は立ち直ろうとしている。第1四半期に6.8%のマイナス成長を記録した中国経済は、この四半期で再び成長に転じるものとみられます。輸出が回復し、コロナウイルスの勢いも後退しているように見え、株価は回復しています。しかし、中国当局は潜在的な株式市場のバブルに警鐘を鳴らしています
    😄
    China to bounce back. After contracting 6.8% in the first quarter, China’s economy is expected to return to growth this quarter. As exports rebound, and the coronavirus appears to recede, stocks are buoyant. But Chinese authorities warned against a potential stock-market bubble.
  5. 香港の野党に警告。香港の野党は、予備選挙を実施することで新しく施行された香港国家安全維持法に違反する可能性があると警告されていましたが、予備選は実施されました。何十万人もの人々が、9月に予定されている立法会(議会)選挙に向けて、候補者に投票しました。
    😫
    A warning for Hong Kong’s opposition. Hong Kong’s opposition parties were warned they may break new national security law by holding election primaries. The elections proceeded anyways. Hundreds of thousands of people cast ballots for candidates to the city’s Legislative Council races to be held this September.
  6. インドでBPとリライアンスがディール。BPは10億ドル(約1,070億円)を投じ、リライアンス・インダストリーズとの合弁で5,500軒のガソリンスタンドをインドに建設することになります。
    ⛽️
    India’s BP-Reliance deal. BP will spend $1 billion to set up 5,500 petrol stations in India through a joint-venture with Reliance Industries.

what to watch for this week

世界の「今週の動き」

  • 月曜日:国家安全保障担当の米大統領補佐官、ロバート・オブライエンが対中同盟国を結集するためパリを訪問▽マレーシアの独立系ニュースサイト『マレーシアキニ』に対する侮辱罪の裁判が始まる▽EUがキプロス問題でトルコと協議へ。制裁の可能性も▽決算:Pepsi(ペプシ)
  • 火曜日:英国がHuawei(ファーウェイ、華為技術)に関する決定の見通し▽オーストラリアは、元首相ゴフ・ウィットラムの解任における女王の役割に関する書簡の機密指定を解除▽フランスでパリ祭▽トランプ米大統領のめい、メアリー・トランプが本を出版▽決算:Delta(デルタ航空)、JPMorgan(JPモルガン)、Citigroup(シティグループ)、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)、Fidelity(フィデリティ)
  • 水曜日インド・EU首脳会議開催▽エッフェル塔最上階ならびにディズニーランド・パリが段階的に再開へ▽FRB(米連邦準備制度理事会)が、各経済データ(輸出入価格、鉱工業生産、製造業生産、ベージュブックなど)を発表▽カナダ中銀の金利決定と四半期金融政策レポート▽米スターバックスがマスク着用を義務化▽決算:Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)、UnitedHealth Group(ユナイテッドヘルスグループ)、Alcoa(アルコア)
  • 木曜日:欧州司法裁判所がデータ転送ルールを裁定▽欧州中央銀行(ECB)が新たな政策を実施▽米、小売データと新規失業保険申請件数を更新▽テキサス州中部の郡で、11億ドル規模のテスラ自動車工場に対する数百万ドルの補助金について投票▽決算:Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)、Netflix(ネットフリックス)、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、Abbott Laboratories(アボット・ラボラトリーズ)、Charles Schwab(チャールズ・シュワブ)、Domino’s(ドミノ)。
  • 金曜日:臨時のEU首脳会議が開催。欧州全体の再建案の策定を目指す▽米上院が休会明け▽米消費者態度指数と米住宅着工件数が発表▽カナダ卸売貿易データ発表▽世界絵文字デー▽決算:BlackRock(ブラックロック)

electricity generation against economy

経済と電力の乖離

20世紀を通して、国の経済成長とエネルギー使用量には強い相関関係がありました。しかし、1990年以降、米国ではGDPが2倍以上になった一方で、発電量は40%しか上昇していません

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The next five years of…

医療のニューノーマル

US版Quartzの特集「The New Normal」では、ビジネスやヘルスケア、アートやアカデミアなど54人の専門家に「コロナ後の5年」を訊いています。今週も、Quartz JapanのDaily Briefで一人ずつ紹介していきます。今朝は、デジタルヘルスプラットフォームを提供するMaven ClinicのCEO、ケイト・ライダーが語る「5年後の医療」をお届けします。

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Image: COURTESY OF KATE RYDER

これが、遠隔医療の一番簡潔な利点だったはずです──なぜ、快適な自宅から予約を取ることができるのに、緊急ではない通院で一日を中断するのですか? 一部の人々はこの選択肢を気に入っていましたが、プロバイダー(医療提供者)が州を越えて医療を提供することができるようにするための規制・ライセンス整備などの障壁があり、遠隔医療はCOVID-19が世界を直撃するまで、軌道に乗ることはありませんでした。

しかし、ここ数カ月で、実に大きな変革を遂げました。Mavenでは、遠隔医療の利用率は全体で50%増加。メンタルヘルスなどの専門分野では大きな需要があり、利用回数は300%増加しました。また、公的保険医療制度のMedicareとMedicaidがパンデミックの期間中(できればそれ以降も)、バーチャル訪問の費用を対面での訪問と同じレートで支払うことに合意するなど、遠隔医療の適用範囲と医療費還付を改善するための、将来性のある取り組みも見られます。

遠隔医療は、5年後にはヘルスケアの提供方法の中心となるでしょう。遠隔医療における患者の満足度は対面診療と同様に高く、良いプロバイダーに治療してもらう限り、ケアの質は安定しています。さらに、特定の人種、民族、ジェンダーの患者や、特定の言語を話す患者は、対面よりも遠隔医療ネットワークを介した方が、プロバイダーへのアクセスの幅が格段に広がります。医療制度にはびこる人種格差に対処するには、文化に応じた医療へのアクセスを提供することが不可欠です。

また、妊婦は妊娠中、40時間以上も病院への行き来に費やしてきましたが、現在、多くの産婦人科医が、重要な検査などが必要なときにのみ病院に来ることができるようにするために、遠隔モニタリングと組み合わせた、よりバーチャルな妊婦検診を求めています。COVID-19は私たちの医療システムに大きな挑戦をしてきましたが、私は、遠隔医療が主流になりつつあることは、一つの希望の光だと思っています。

──ケイト・ライダー(Maven Clinic CEO


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 野生のバイソンが帰ってきた。小さな群れは、6,000年ぶりに英国を歩き回るでしょう。最終的には、ロングホーンやイノブタ、エクスムーアポニーとともに森で暮らすことになりそうです。
  2. 衛星がゴジラの姿をとらえた。この夏、アフリカ大陸を襲った高密度のサハラ砂漠の塵の噴煙は、5,000マイル(8,000キロ)を旅した後、「ゴジラ」の愛称を得ました
  3. 天文学者たちは、ブラックホールの全体的な探索に乗り出している。新しい望遠鏡は、最終的に第9惑星のような謎の物体の性質を明らかにしようとしています。
  4. トマトの植え込みはしゃべる。科学者たちは、土壌中の菌類のネットワークを通して植物間の電気信号を観測しましたが、彼らが何を言っているのかはまだ謎です
  5. 天の川の背後に隠れているのは…。これまでに発見された中で最大級の宇宙構造物である「南極の壁」は、14億光年にもわたって広がり、数十万個の銀河が存在しています。

【今日の夕方は…】

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Image: AP/ERIC CHARBONNEAU/INVISION FOR SHOWTIME

本日7月13日(月)のPMメール「Next Startups(次なるスタートアップ)」では、「ストリーミングの未来を切り拓くスタートアップ」を紹介。Netfrix、Amazon Primeのほか、Disney+などが参戦し熱を帯びるストリーミング戦争に、ある新興企業がユニークなアプローチで切り込み話題を呼んでいます。


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