Daily Brief:IOC、東京五輪開催に自信

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。7月も後半がスタートし、日本では7月22日から始まる予定の「GoToトラベル」事業に関して意見が飛び交っています。Dialy Birefから、世界の状況も併せてチェックしましょう(英語版はこちら)。

Kyodo/via REUTERS
Kyodo/via REUTERS
  1. 米国は中国のテック企業社員にビザ制限を課す予定だ。マイク・ポンペオ国務長官は、中国の人権侵害を助長しているとしてHuawei(ファーウェイ、華為技術)やその他の企業を非難しました。一方、中国は、米国の主導でHuawei製品の採用を禁止した英国を非難し、最近の香港をめぐる言動について、米国の駐中国大使を呼び出し、抗議しました。
    🤔
    The US will put visa restrictions on Chinese tech workers. Secretary of state Mike Pompeo denounced Huawei and other companies for allegedly helping China commit human rights abuses. Meanwhile, China rebuked the UK for following the US’s lead on banning Huawei, and summoned the US ambassador over recent actions on Hong Kong.
  2. IOCは今もなお2021年東京五輪に全力。IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長は、東京がコロナウイルスの警報レベルを最高の 「赤」 に引き上げたにもかかわらず、オリンピックを安全に開催するための複数のシナリオに取り組んでいると述べました。一方、日本の国会では、来週(22日)から始まる100億ドル(約1兆円)規模の旅行需要喚起策「GoToトラベル」事業を延期するかどうかが議論となっています。
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    The International Olympic Committee is still all in on Tokyo 2021. The IOC’s president said the organization is working on multiple scenarios for the Games to take place safely, even as Tokyo raised its coronavirus alert to “red,” the highest level. Meanwhile, Japan’s parliament debated whether to postpone $10 billion in tourism subsidies set to kick off next week amid fears travelers will spread the virus.
  3. GoogleはJio Platformsに45億ドル(約4,800億円)を投資した。この資金は通信会社、Jio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)の5Gへの野望を後押しすることになるでしょう。これはAmazon、Facebook、Googleによるインド企業への大規模な投資に続くものです。EUもナレンドラ・モディ首相とのバーチャル首脳会談後、インドとの経済関係強化を約束しました。
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    Google invested $4.5 billion in Jio Platforms. The cash will help Jio advance its 5G aspirations and follows other significant investments in India companies by Amazon, Facebook, and Google. The European Union also pledged stronger economic ties with India after a virtual summit with prime minister Narendra Modi.
  4. アジアのモビリティーカンパニーは電気の未来を切り開いた。日産自動車はSUV(スポーツタイプ多目的車)型のEVを発売し、Xiaomi(シャオミ、小米科技)は第2世代電動スクーターを発売しました。台湾に拠点を置く電動スクーター共有プラットフォームのWeMo(ウィーモ)への新たな資金は、国際展開のために使われる予定です。
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    Asian mobility companies advanced an electric future. Nissan introduced its first all-electric SUV, while Xiaomi debuted a second-generation electric scooter. New funding for Taiwan-based WeMo, an electric scooter sharing platform, will be used for international expansion.

Some good news on Covid-19 vaccines

ワクチンをめぐる朗報

私たちはいずれかのワクチンを使えるようになるはずです。世界の最新状況をお届けします。

  • 米バイオ医薬ベンチャーのModerna(モデルナ)によると、3月に実施した45人のボランティアを対象とした臨床試験では、予想を上回る結果が得られたとのこと。3万人が参加する最終段階の試験は7月27日に開始される。
  • インドの製薬大手、Zydus(ザイダス)は1,000人の被験者を募集するためにヒトへの臨床試験を開始
  • ロシア国防省による最初の試験では、合併症や副作用は確認されず
  • FDA(米食品医薬品局)は、米製薬大手のPfizer(ファイザー)と独バイオ企業のBioNTech(バイオNテック)が共同開発するワクチンを、優先審査の対象に指定
  • すでにワクチンの第3相試験に入っているオックスフォード大学と英製薬会社のAstraZeneca(アストラゼネカ)は、良い結果が得られたとされる第1相試験のデータを7月20日に発表する予定。

Charting contact tracing

接触確認アプリの導入

過去3カ月の間に、約50カ国の政府は、新型コロナウイルスに感染した人に接触した場合に警告通知を送る「接触確認アプリ」をリリースしました。モバイルアプリの分析をしているSensor Tower(センサー・タワー)のデータによると、これまでのところ、ほとんどのアプリは、コロナウイルスの拡散を効果的に抑制するために必要なダウンロード率には達していないことが示唆されています

下記のグラフより、各国の接触確認アプリ導入率を見てみましょう。

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The next five years of…

人口のニューノーマル

COURTESY MAURO GUILLEN
COURTESY MAURO GUILLEN

US版Quartzでは「The New Normal」と題した特集を実施。ビジネスやヘルスケア、アートやアカデミアなど、54人の専門家に「コロナ後の5年」を訊きました。Quartz JapanのDaily Briefではその一部を紹介。今朝は、ペンシルベニア大学ウォートン校教授のマウロ・ギレンが語る「5年後の人口」をお届けします。

このパンデミックは、歴史の転換をもたらすのか、こうした転換を防ぐのか、それとも私たちの生活が進むにつれて記憶から急速に抹消されていくのでしょうか? 答えは上記のどれでもありません。今回、私たちは歴史の加速、既存の傾向の激化を目撃しているのです。

高齢化について考えてみましょう。パンデミックで高齢化が加速し、社会保障やその他の政府プログラムが財源不足に陥れば、その結果として、高齢者が退職年齢を超えて働くという、もうひとつの傾向を促進させるでしょう。高齢者のリモートワークやギグエコノミーへの参加などといった新しい働き方は、特に大学教育を受けている高齢者に、不釣り合いなほどの恩恵をもたらすでしょう。将来的には高齢者が購買力に占める割合が大きくなるため、企業はシニア層のニーズに応えようと躍起になり、マーケティングや広告に大きな変化をもたらすことになるでしょう。

次に、ジェンダー・ダイナミクスについて考えてみましょう。1300年代半ばに流行した黒死病により、農業から畜産業へのシフトが起こりました。重労働が減り、女性が新たに働く機会を見つけたことで出生率が低下し、パンデミック前と比べて急激な逆転が起こりました。

今回のパンデミック前から出生率は減少傾向にあり、女性が世界の純資産の半分以上を所有しようとしていましたが、少子化とリモートワークの傾向が強まると、男性よりも女性の方が恩恵を受けることになります。研究によれば、女性の方がリモートワークに熱心で、オフィスよりも家で仕事をした方が生産性が向上するとされています。今回のパンデミックで、女性の在宅勤務が増え、生産性が向上すれば、女性の賃金向上や昇進につながる可能性も高まるでしょう。

──マウロ・ギレン(ペンシルベニア大学ウォートン校教授)


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. ビルマニシキヘビは、ホットドッグの大食いコンテストでハイイログマを倒すだろう。人間の記録は、その中間のどこかに落ち着きます。
  2. コカ・コーラは缶入りソーダが不足していることを認めた。アルミニウム不足とパンデミックによる消費者のパニック購入によって引き起こされました。
  3. ドイツでは今、一部のルノーが無料に。手厚い電気自動車補助金のおかげで、リース費用の全額がカバーされます。
  4. カブトムシの目から見た世界はどのように見える? 研究者たちは、小さなカメラを昆虫の背中に取り付けて、それを探りました。
  5. 世界中で赤ちゃんの数が大幅に減る。新しい研究では、2100年までにほぼ全ての国で出生率が低下すると予測されています。

【今日の夕方は…】

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木曜日のPMメールは、「Millennials Now」です。今日は、「ヒーロー不在が生み出す集合体」をテーマに、Z世代の働き方についてをお届け。以前の世代とは違い、カリスマ的な存在をほとんど求めなくなってしまった若者たち。彼らは、身近の個性豊かな人やものへとコラボレーションしていき、個から“コレクティブ(集団)”を形成し始めています。


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