Daily Brief:ワクチン1億回へ、英爆走

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。日本も輸入を狙う英国のワクチンが急ピッチです。今朝も、最新のグローバルニュースをインプットしましょう(英語版はこちら)。

REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo
REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo
  1. 米欧の議員たちは経済救済策の通過を競っている。EUの交渉担当者たちは、8,600億ドル(約92兆円)の援助を求める国々と、総額4,450億ドル(約47兆円)におさえようとする、いわゆる 「倹約国」との間で、妥協点を見出すのに首脳会議の4日目を費やしました。一方、米国の議員たちは、重要な救済策である失業給付が期限切れを迎える前に新たな救済法案を可決するため、わずか数日で仕事に戻りました。
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    Lawmakers in the US and Europe race to pass economic relief packages. EU negotiators struggled for a fourth day to reach a compromise between nations seeking $860 billion in aid and so-called “frugal” countries looking to cap the package at $445 billion. Meanwhile, American legislators returned to work with just days to pass a new relief bill before key benefits expire.
  2. ワクチンが初期治験で有望な結果を示した。1,077人を対象にした初期の治験で、オックスフォード大学と英製薬会社のAstraZeneca(アストラゼネカ)が開発したワクチンによって、体内に抗体が作られることが確認されました。副作用も、制御しやすい範囲のものでした。英国政府は最終的な承認の前に、すでに1億回分を注文しています。
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    A vaccine showed early signs of promise. In an initial trial involving 1,077 people, a vaccine developed at Oxford caused patients to develop coronavirus antibodies with manageable side effects. The British government has already ordered 100 million doses well ahead of final approvals.
  3. 英国は香港との犯罪人引き渡し条約を停止した。英国当局は、中国政府が香港に課した香港国家安全維持法の施行を受け、引き渡し条約の停止に加えて、中国本土を対象としていた武器禁輸措置も香港に拡大しました。そして今日は、香港警察とのつながりが疑われる集団が、民間人を襲撃した事件から1周年でもあります。抗議者たちはこの日を記念して集会を行うと予想されていますが、パンデミックに伴う規制で、開催を阻止されるかもしれません。
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    The UK ended its extradition treaty with Hong Kong. Citing the new Beijing-imposed national security law, British officials also extended a Chinese arms embargo to Hong Kong. Also, today marks the one-year anniversary of a mob attack on civilians suspected to have been coordinated with the city’s police force. Protesters are expected to gather to commemorate the date, but may be thwarted by pandemic restrictions.
  4. 米当局は禁輸対象リストに中国企業11社を追加した。米商務省は、この経済制裁は、新疆ウイグル自治区での中国の人権侵害に加担したことに対する処罰だとしています。中国政府は、EUがHuawei(ファーウェイ、華為技術)を5G通信網から排除した場合、Nokia(ノキア)とEricsson(エリクソン)を制裁対象に含めることを検討していると伝えられています。
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    US officials added 11 Chinese firms to the entity list. The commerce department said the economic sanctions are punishment for the companies’ complicity in China’s human rights abuses in Xinjiang. Beijing is also reportedly mulling sanctions on European telcos Nokia and Ericsson if the EU bans Huawei from its members’ 5G networks.
  5. インドは米国に医薬品分野での譲歩を求めた。インド政府は大量の後発医薬品輸出にかかる関税を撤廃したいと考えています。その見返りとして、米国の乳製品輸出にインド市場を開放することを提案しましたが、これはおそらく、米大統領選における主要州で、ドナルド・トランプへの政治的期待を高めることになるでしょう。
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    India asked the US for pharmaceutical concessions. New Delhi wants to eliminate tariffs on a number of drug exports. In exchange, it offered to open Indian markets to US dairy exports—which could bolster US president Donald Trump’s political prospects in key states.
  6. Xiaopeng Motorsは5億ドル(約540億円)の資金調達ラウンドを完了した。アリババが出資するEVメーカーのXiaopeng Motors(シャオペン、小鵬汽車)は、過密で縮小しつつある中国の電気自動車市場で生き残るために、これまでに合計22億ドル(約2,400億円)を調達しました。
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    Xiaopeng Motors closed a $500 million funding round. The Alibaba-backed auto company has now raised a total of $2.2 billion to compete in China’s crowded and shrinking electric car market.

Charting a hefty IPO

中国の超巨額IPO

中国AntグループがIPO(新規株式公開)の計画を発表しました。アリババ傘下の金融会社で、モバイル決済サービスの支付宝(アリペイ)などを運営するAnt Financial(アント・ファイナンシャル、螞蟻金融服務集団)は、香港取引所と上海のSTAR(科創板)市場に同時上場すると発表しました。Antは、2,000億ドル(約22兆円)の評価額を目指しているとされ、実現すれば、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)と肩を並べ、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)とGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)を合算した場合と同程度の評価額になるとみられます。

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You asked countries doing it right

コロナ対策の勝ち組

マスクではなく、シールドで顔を覆うだけでも新型コロナウイルスを防げますか? (Richardさんからのご質問)

回答者:

マスクがほとんどの注目を集めていますが、ここ数か月の間に、我々はケニアの3D顔面シールドプリンターを訪れたり、10万枚のシールドを製造するフォードの取り組みを取り上げたり、 独自のシールドを作成するためのDIYのインストラクションまで取材しました

とはいえ、実際のところ、これらのシールドは、どれほど効果的なのでしょうか?

残念ながら、結論にはまだたどり着いていません。ただし、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が、フェイスマスクの代わりに顔面シールドを使用することを推奨していないことは明らかです。ですから、リチャード、あなたの質問への答えはノーです。マスクなしの顔面シールドは、コロナと戦うために効果的だとは実証されていません。

マスクが不足していたとしても、安心してください。私たちは、世界保健機関(WHO)の仕様に合った布フェイスマスクを自宅で作成する方法について説明した新しい記事を出したところです。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. S&P500は数時間後にしか動かない。この株価指数は4月以降、30%以上も上昇していますが、いずれも時間外取引です。
  2. TikTokの魔女が月に呪いをかけた。新米魔女たちの軽率な行為が、スピリチュアル・コミュニティを怒らせました
  3. 企業の重役は、AIに神経的になっている。他の企業がアルゴリズムのスキャンダルに巻き込まれるのを見てから、取締役会のメンバーは突然、AI倫理に強い関心を持つようになりました
  4. ロンドンのBeefeatersがレイオフされるかもしれない。Beefeatersの愛称で知られるロンドン塔の衛兵隊。この象徴的なボディーガードたちが、500年の歴史の中で初めて、失業の危機に直面しています。
  5. 切断できない自転車のロックが登場するかもしれない。グレープフルーツの皮やアワビの殻にヒントを得た新しい合成素材は、電動工具のアングルグラインダーやドリル、ウォータージェットでは切断することができません。

【今日の夕方は…】

REUTERS/Sankalp Phartiyal
REUTERS/Sankalp Phartiyal
Image: REUTERS/Sankalp Phartiyal

火曜日のPMメールは、アジアにフォーカスする「Asian Explosion」です。本日7月21日は、「インドに賭けるテックジャイアンツ」。5月にお伝えした、Facebookによるインド最大の通信会社Jioへの57億ドルの出資に続いて、今度はGoogleが今後、5〜7年で100億ドルをインドに投資すると発表。パンデミックで経済が大打撃を受けるなかでも、インドが世界の巨大テック企業を惹きつける理由に迫ります。


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