Daily Brief:ダボス会議は延期へ

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。残暑の厳しい日が続いていますが、8月もまもなく終わり。今日も世界のニュースをチェックして、1日をスタートしましょう(英語版はこちら)。

REUTERS/Arnd Wiegmann/File Photo
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  1. ダボス会議は延期されたが、中止ではない。WEF(世界経済フォーラム)は、新型コロナウイルスへの懸念を理由に、スイスのダボスで開催する年次総会の日程を、2021年1月から同年夏に変更しました。オンライン会議は1月に行われますが、夏のセッションでは対面イベントが実施される可能性があります。
    🙁
    Davos is delayed, but not denied. The World Economic Forum rescheduled its annual summit in Davos, Switzerland, from January to summer 2021 due to coronavirus. A virtual forum will still take place in January, while the summer session may still feature in-person events.
  2. Huaweiはさらなる逆風に直面している。英国の最高裁判所は、特許侵害をめぐる訴訟でHuawei(ファーウェイ、華為技術)とZTE(中興通訊)の主張を退け、インドは国内の通信会社に対してHuaweiの技術を使わないよう指示したと報じられています。一方、米国と台湾は、5Gインフラに 「信頼できない」 サプライヤーを使わないよう警告しましたが、これはHuaweiのことを示唆しているのかもしれません。
    😭
    Huawei faces more headwinds. The UK’s Supreme Court threw out appeals by Huawei and ZTE over alleged patent infringement, while India reportedly told telecom firms to avoid using Huawei’s technology. Meanwhile, the US and Taiwan were probably subtweeting Huawei when they warned against using “untrusted” suppliers for 5G infrastructure.
  3. AmazonもAlibabaも海外で問題を抱えている。2,000社以上が加盟するインドのオンライン販売業者団体が、特定の業者を優遇しているとして、Amazonを独占禁止法違反で訴えました。そしてAlibabaは、中国とインド両国の地政学的な緊張関係のために、インドでの投資計画を一時停止していると報じられています。
    😣
    Amazon and Alibaba are also having trouble abroad. More than 2,000 Indian sellers have filed an antitrust case against Amazon for its alleged favoritism of certain vendors, and Alibaba is reportedly pausing planned investments in the country due to geopolitical tensions.
  4. 米国は、中国の南シナ海での活動をめぐり制裁措置を発動した。南シナ海における中国の人工島の建設などに関与したとして、米国は中国の国営企業の子会社など計24社を輸出禁止対象リストに追加することを発表。関係者にビザ制限を課しました。米国の議員たちは、Tesla(テスラ)が中国の銀行と融資契約を結んでいることなどから、同社CEOのイーロン・マスク率いるSpaceXとNASA(米航空宇宙局)との契約が、国家安全保障上のリスクになるかどうかについても議論していると伝えられています。
    🤔
    The US issued sanctions over China’s South China Sea operations. The US added export restrictions for 24 Chinese state-owned companies and placed visa limitations on their executives. US legislators are also reportedly debating whether SpaceX’s NASA contracts are a national security risk due to Tesla’s dealings in China.
  5. 中国外相は欧州歴訪を続けている。オランダの政治家たちが、新疆ウイグル自治区と香港における中国の人権侵害疑惑を取り上げるなど、王毅外相のオランダ訪問は期待通りには進まなかったようです。彼のノルウェー訪問は、世界貿易ルートの地図を塗り替えようとする中国の計画を思い出させるものです。
    🙄
    China’s foreign minister continues his Eurotrip. Wang Yi’s stopover in the Netherlands likely didn’t go as smoothly as hoped, as Dutch politicians spotlighted China’s alleged human rights abuses in Xinjiang and Hong Kong. His impending Norway visit is also a reminder of China’s plans to redraw the map of global trade routes.
  6. 米国のベンチャーキャピタル企業は、ダイバーシティーライダー(多様性に関する条項)を追加した。著名企業10社は今後、投資先のスタートアップに対し、少数派グループに属する投資家への支援も含めて、「商業的に最善の努力をする」ことを求めると表明しました。
    👍
    US venture capital firms added diversity riders. Ten prominent firms said they will now require startups they invest in to “make commercial best efforts” to include investors from underrepresented groups.

Charting the US pandemic pump

在宅ワークアウトの普及

米国では、パンデミックの影響で起こったステイホームによって、家庭用エクササイズ器具の需要が急増しました。グーグル検索で「在宅ワークアウト」がピークを迎えたのは3月22日で、中国のエクササイズ器具の対米輸出が15年以上で最も低い水準にまで落ち込んだのと同じ月になっています。

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国際貿易センターによると、米国で輸入されているエクササイズ器具の大部分は中国からのもので、昨年は約65%を占めていました。2020年初頭には、コロナウイルスの影響で製造工場は閉鎖されていましたが、6月には輸入額は2億5,000万ドル(約265億円)近くに跳ね返っています。しかし、ダンベルの多くはまだ売り切れているため、新しいものを注文しても遅れる可能性があるでしょう。

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You asked about fixing capitalism

資本主義の行く末

私たちは株式バブルを心配すべきなのでしょうか? 経済に活気がない時に、不合理な高揚感について議論するのは奇妙なようにも思えるかもしれません。

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この問いに答えるために、ウィリアム・クインとジョン・ターナーによる新著『Boom and Bust:A Global History of Financial Bubbles』を参考にしてみましょう。彼らの研究によれば、金融バブルには、投機▽市場性(資産を購入するのがいかに簡単かー株取引アプリのイノベーションや、不動産担保証券をもたらしてくれた頭脳明晰な人を思い浮かべみてください)▽信用、という3つの要素が必要です。

クインとターナーは、資産ブームがより頻繁に起こっており、政府の政策(例えば、住宅をより手頃な価格にしたり、持続不可能な負債を流したりすることを意図している)が、しばしば金融危機の火付け役となっていることを発見しました。超低金利とRobinhood(ロビンフッド)のような投資アプリのブームが何かの兆候であるならば、私たちが話すように株式バブルが膨らんでいる可能性があります。

Quartzの人気不定期連載Obsessionsでは、『Fixing Capitalism』と題して、資本主義の行く末をウォッチしています。こちらからどうぞ(英語記事)。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 元祖音楽著作権侵害サイト「Napter」は今も存在していて…。バーチャルリアリティのイベント会社に売却されたばかりです。
  2. 金持ちのナイジェリア人がカリブ海で市民権を購入している。島国は、本国に比べてビザの制限が少ないからです。
  3. “ボラット”ビーチファッションが復活。新しいワンショルダーの男性用水着「ブロキニ」が登場しました。
  4. 科学者たちが超小型のロボット軍団を作った。ナノボットは、人体の内部を研究するのに使われるかもしれません。
  5. ラップ界最大のライバル同士がオークションで再会。サザビーズでは、10代のトゥパックが書いたラブレターと、ノトーリアス B.I.G.が銃撃される3日前に身に着けていた王冠が競売にかけられています。

【今日の夕方は…】

REUTERS/JOSE CABEZAS
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木曜日のPMメールは、「Millennials Now」。今日は「生き続けるヴァイナル(レコード)」をテーマにお届けします。世界の音楽視聴がストリーミング全盛の時代に突入して以降も、ヴァイナルを求める熱い声は少なからずありました。コロナによって他業界と同様にサプライチェーンに大きなダメージを受けたヴァイナルシーンですが、すでに復活を遂げているようです。


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