HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。米国のQuartz編集部は、レイバー・デイでお休みです。今日のDaily Briefはいつもの英語併記をお休みして、特別な内容でお送りします。
- トランプがバルカン半島で「歴史的な」仲介をした。旧ユーゴスラビア構成国のセルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領とコソボのアブドラ・ホティ首相は金曜日(4日)に米ホワイトハウスで会談し、経済関係を正常化することで合意しました。コソボが2008年にセルビアからの独立を宣言して以来、対立が続いていました。両国は、イスラエルとの関係を改善することでも合意。両国首脳とともに会見したドナルド・トランプ米大統領は「歴史的だ」と称えました。
- ベラルーシの反政府デモ、収まらず。アレクサンドル・ルカシェンコ大統領が6選を決めた大統領選結果に抗議するデモが日曜日(6日)、首都ミンスクなどで行われ、4週連続の日曜デモとなりました。対立候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤは4日、国連安全保障理事会のオンライン非公式会合に出席し、選挙違反に関与した人物への制裁措置の導入と、ベラルーシへの国際監視団の派遣などを求めました。一方、ロシアやベラルーシなど6カ国で構成するCSTO(集団安全保障条約機構)や、中国、ロシアが中心となるSCO(上海協力機構)は合同会合を開き、「内政問題に干渉しない」という原則を明記した共同声明を採択しました。
- 中国とチェコの対立で、ピアノ取引にも余波? 台湾当局と日米欧の対台湾窓口機関が4日に開いた経済フォーラムに、台湾訪問中のミロシュ・ビストルチル上院議長が出席しました。ビストルチルは、台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談するなどしており、強く反発する中国は報復措置を示唆。チェコの老舗ピアノメーカーは、中国の顧客から約2,500万円相当の注文を取り消されたとしています。
- テネットいきなり20億円稼ぐ。ハリウッドが映画館の復活の一手として期待をかけているクリストファー・ノーラン監督によるSFスパイスリラー『TENET テネット』は、お膝元の米国でようやく公開され、最初の週末で2,020万ドル(約22億円)の興行収入を記録しました。新型コロナウイルスの影響で、映画館が大幅に制限されているなかでのデビューとしては上々のスタートだといえます。
- ソフトバンクGも荒稼ぎ。米テック株に巨額をつぎ込んでいることが明らかになった日本のソフトバンクグループが、約40億ドル(約4,400億円)の売買益を得ている、と英『Financial Tmes』が報じました。創業者の孫正義が株式デリバティブに賭けるというこの戦略は、この数カ月間で構築されたもので、テック株中心のオプション取引に約40億ドルを注ぎ込んだことを関係者が明らかにしています。
Charting how many jobs it saved
雇用維持はまやかし?
米国の「給与保護プログラム(Paycheck Protection Program, PPP)」は、この国の労働者を保護するための方法として設計されたものです。従業員数500人以下の中小企業に対して人件費の2.5カ月分を融資するなど、その目的には企業の「雇用維持」がありました。
しかし、この無担保・低金利融資は、雇用主が雇用を維持することを条件にはしていなかったのです。Quartzが連邦政府発表のデータ(PDF)を分析したところ、4〜6月の間に承認された500万件の融資申請のうち、「雇用維持」の欄にゼロを記入したのが50万件以上。さらに32万4,000件は、空欄のまま申請されています。
POP QUIZ
クイズ地球の差なんて
2050年までに少なくとも一部が、水面下に沈むとみられる都市はどれでしょうか。
- 🇪🇬エジプト、アレクサンドリア
- 🇮🇳インド、ムンバイ
- 🇺🇸米国、ニューヨーク市
悪いニュースを伝えることになり、残念ですが、これらの都市の将来は、いずれもあまりバラ色ではありません。次の世紀にかけて、何百万人も人間が、気候変動の影響がそれほど悲惨ではない場所に移動すると予想されています。とはいえ、我々はその準備ができているのでしょうか? 最新のQuartz Weekly Obsessionで詳細をご覧ください。
Five Things From Elsewhere
今、気になる5つの事
- 「赤と青」から「緑と灰」へ。民主党と共和党という米国の伝統的な政治的分裂は、建築物や自然の風景の色にも表れています。『New York Times』のTim WallaceとKrishna Karraは、全米各地の航空写真を撮影し、地域ごとの投票の指向を色と明度で分類しました。その視覚的な分析は、米国の都市部と農村部の政治的分裂を見る、ユニークで美しい方法だといえるでしょう。──Amanda Shendruk, Things reporter
- 景気後退はありえますか? 世界の株式市場が上昇ばかり眺めていると、景気後退はないと考えることは許されます。何しろ、多くの人にとって、今こそが祝杯の時です。しかし、ウォーレン・バフェットのような希少な投資家にとっては、今は慎重に動くべきで、価値が「公正」な市場に参入すべき時だといいます。米ウォール・ストリート・ジャーナルのマイク・バード記者は、オマハのオラクル(バフェットの異名)が、現状では世界の投資家にあまり人気のない日本市場への投資割合を増やしている理由を説明しています。──Prathamesh Mulye、Quartz India reporter
- それは、正当な憤り。ジョン・ボイエガは、これまでほとんどの俳優があえて避けていたことを成し遂げました。公然とDisneyを批判したのです。英『GQ』において、ボイエガはDisneyの『スター・ウォーズ』3部作への出演時の“若き黒人俳優”としての経験を語り、スタジオが白人以外のキャラクター、特に「元ストームトルーパー」としての彼自身の扱いを誤っていたと訴えています。ハリウッドは、ボイエガが勇敢にも(そして正当にも)強力な“元雇い主”を糾弾したことに注目すべきです。──Adam Epstein, entertainment reporter
- 彼らは抗議しすぎた。『Financial Times』のDan McCrumは、ドイツの決済会社Wirecardの財務状況に疑いを投げかけ、同社の事業の半分が存在しないことを明らかにした一連の記事の、驚くべき裏話を語っています。記事は、ドイツの金融規制当局や元リビア諜報部員の調査を受けたことや、ロンドンのレストランに報道用の“ハイテク”ハンドバッグを持って行った3人の同僚に助けられたことをはじめ、彼を阻止しようとしたWirecardの所業を伝えています。──Jane Li, China tech reporter
- 偽善者は暴露される。ブルックリン在住のその夫婦は、表面上はうぶでスピリチュアルなヨガ愛好家でした。が、彼らはその裏で、何百万ドルもの住宅ローンを組み、廃墟同然の建物に入居者を不法に住まわせ、彼らのもとで働く従業員に対する福利厚生も拒否していました。『New York Magazine』のレポートは、彼らがいかにして入居者(脳手術から回復した女性1人を含む)がいまだ住むその家に引っ越してきたのかを追い、ブルックリンの偽進歩的なファサードの背後にある構造的な不平等を暴露しています。──Olivia Goldhill, reporter
【今日の夕方は…】
本日7日の夕方にお送りするニュースレター「Next Startup」は、4週連続でお届けするY Combinator特集の第2弾。8月24日から開催された今年のDemo Dayのピッチには、社会のニーズが色濃く反映されていました。今週はそのなかから、生活に欠かせない「お金」を切り口に挑戦するスタートアップをご紹介します。
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