Daily Brief:トランプクラスターの震源地

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世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。投開票まで1カ月を切った米大統領選挙。現職大統領の感染からの復活は強烈な追い風となるともいわれていますが、本人は元気な姿をTwitterで見せています(英語版はこちら)。

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Image: 2020/10/05, VIA TWITTER/@REALDONALDTRUMP
  1. ドナルド・トランプは、まだウォルター・リード米軍医療センターにいる。先週末、米大統領は自身の健康について国民を安心させるビデオを録画しましたが、彼の病状に関する情報はいくぶん矛盾しています。大統領の周辺では、さらに複数の人々がCOVID-19の陽性反応を示しており、おそらくエイミー・コーニー・バレットの連邦最高裁判事への指名を発表した9月26日のイベントで、ウイルスにさらされた可能性が高いとみられます。
    💦
    Donald Trump is still at Walter Reed hospital. Over the weekend, the US president recorded a video reassuring the nation about his health, though information on his condition is somewhat contradictory. More people in the president’s orbit have tested positive for Covid-19, likely having been exposed during the Sept. 26 event to announce the nomination of Amy Coney Barrett as Supreme Court justice.
  2. メッカのグランドモスクが再開。イスラム教の聖地はCOVID-19のために今年3月から閉鎖されていました。ただし、日曜日(4日)現在、この400万人を収容することのできるモスクを訪れることができるのは、一日当たり6,000人のサウジアラビアからの巡礼者だけです。
    🕌
    Mecca’s Grand Mosque is open again. The holy site of Islam had been closed since March because of Covid-19. But as of Sunday, 6,000 pilgrims a day—for the time being, only from Saudi Arabia—will be allowed to visit the mosque, which can accommodate as many as four million people at a time.
  3. ローマ教皇は資本主義を改革したいと思っている。カトリックの指導者である教皇フランシスコは、新たに発表した社会的回勅の中で自由市場資本主義を批判し、移民の権利とより共同体的な社会を提唱しています。「パンデミックに直面した世界システムの脆弱性は、市場の自由によって全てを解決できるわけではないことを示している」とフランシスコは記し、政治家たちにより進歩的な社会経済政策を生み出すよう呼び掛けています。
    ⛪️
    The Pope wants to reform capitalism. In his new encyclical, the leader of the Catholic world criticizes free-market capitalism and advocates for migrant rights and a more communal society. “The fragility of world systems in the face of the pandemic has demonstrated that not everything can be resolved by market freedom,” Pope Francis writes, calling on politicians to create more progressive social and economic policies.
  4. 米国が中国からの渡航を厳しく取り締まりへ。USCIS(米移民局)が新たに発表した指針は、一見、中国共産党員を対象としているようですが、「共産党、または他の全体主義政党」に所属する人は、米国の永住権や市民権を得る資格がないとされています。
    🚧
    The US cracks down on immigration from China. New guidance on immigration, seemingly aimed at members of the Chinese Communist Party, disqualifies anyone who belongs to “the Communist party or any other totalitarian party” from becoming a US permanent resident or citizen.
  5. アジアではCOVID-19ワクチンをめぐる動きが加速している。中国はまだ安全性が証明されていない臨床試験完了前のワクチンの接種を拡大していますが、接種対象となっている国有企業の従業員から同意を得る手順については、疑問が浮上しています。日本政府は治療薬候補「アビガン」について、かつてない速さで審査を進め、11月に承認する予定です。一方、インドは2021年7月までに最大5億回分のワクチンを供給する準備を進めており、南アフリカとも協力してWTO(世界貿易機関)に対し、COVID-19関連の医薬品製造を支援するため知的財産をめぐるルールの緩和を求めています。
    😷
    Asia is moving fast on Covid-19 vaccines. China is expanding the testing of a still-unproven experimental vaccine, raising questions about consent for employees of state-owned companies. The Japanese government is set to give the antiviral drug Avigan unprecedentedly quick clearance for November. India, meanwhile, is gearing up to provide up to 500 million doses of vaccines by July 2021, and is teaming up with South Africa to ask the World Trade Organization to relax intellectual property rules to help produce Covid-19 medications.

what to watch for this week

世界の「今週の動き」

  • 月曜日:2020年最初のノーベル賞である医学生理学賞発表▽米国と欧州のPMI(購買担当者景気指数)公表
  • 火曜日:東京都内で日本、米国、オーストラリア、インド外相が会談▽ベラルーシの野党指導者であるスベトラーナ・チハノフスカヤがアレクサンドル・ルカシェンコ大統領への圧力強化をドイツに要請▽米貿易収支と住宅価格指数公表
  • 水曜日:ドイツ月次生産データ公表▽米副大統領候補の討論会
  • 木曜日:米新規失業保険申請件数公表▽ノーベル文学賞発表▽決算=Delta(デルタ航空)、Domino’s(ドミノ・ピザ)
  • 金曜日:ノーベル平和賞発表▽英GDP公表

Charting the EU’s trade with China

EUと中国の蜜月

EUは中国との経済的な関係を再定義しようとしています。EU加盟国27カ国は中国にとって最大の貿易相手国であり、中国市場はEU発の商品・サービスが向かう先として、米国に次いで2番目に巨大だからです。

しかし、ブリュッセルと北京の間の経済関係は十分に統制されているとはいえません。理由のひとつには、経済関係が急速に成長する一方で、それを取り巻く法規制が追いついていないことが挙げられます。最も野心的な取り組みといえる「包括的投資協定」(CAI; Comprehensive Agreement on Investment)が、これまでのところ結果を出せていないことも理由のひとつといえるでしょう。詳しくは、米国版Quartzのこちらの記事(英語)をご覧ください。

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SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. アイルランドで熱帯のシダが発見されたヨーロッパでは大変珍しいそのシダ植物は、これまでカリブ海でしか観察されていませんでした。気候が今とは異なっていた数千年前の遺物とみられています。
  2. アイコニックな「クレヨラの家」は、今が買い時。2005年、メキシコに建てられたポストモダン邸宅が現在売りに出ています。価格は117.5万ドル(1.24億円)と、建築時のコストよりも安くなっています。
  3. フィリピン人のペットは、安全に祝福された。マニラのペットは、動物の守護聖人である「アッシジの聖フランシスコ」の洗礼をドライブスルーで受けています。
  4. ヴェネツィアの、水没を避ける計画。先週末、何十年もかけてつくられてきた新しい水門が成功裏にデビューしました。
  5. プリンタは、今ホットな“コロナ時代の周辺機器”。オフィスから追放されたリモートワーカーが、自宅でプリンタを持つことに古風な喜びを見出しています

【今日の夕方は…】

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決済市場に君臨するStripe(ストライプ)。同社に対する4兆円という評価額は、オンライン決済市場がいかに巨大で、魅力的な市場であるかを物語っています。最近、このStripeの地位を脅かしかねない、急成長中のあるスタートアップが注目されています。本日夕方の「Next Startup」では、フィンテック業界で進む大きな構造変化をお伝えします。お楽しみに。


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