Daily Brief:遠いクリスマス

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Daily Brief

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。米国の編集部は、サンクスギビングデーのお休みのため、今日のDaily Breifも特別な内容でお送りします。

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  1. どんなクリスマスになるのかはまだ誰にも分からない。英製薬会社のアストラゼネカ(AstraZeneca)のCEOは、オックスフォード大学と開発を進めている新型コロナウイルスワクチンについて、追加で治験を実施する可能性が高いと述べました。アストラゼネカは平均約70%の有効性が確認されたと発表していましたが、一部の過程に誤りがあったそうです。経済界がクリスマス商戦に期待を寄せるなか、ドイツは部分ロックダウンの期間を延長すると発表。フランスも営業規制を緩めつつも、ロックダウンを継続します。
  2. ドナルド・トランプ、駆け込みで恩赦を発表。米大統領は25日、国家安全保障問題を担当していた元大統領補佐官のマイケル・フリンが「素晴らしい感謝祭を迎えられるだろう」とツイートし、恩赦を与えることを明らかにしました。フリンは、ロシアによる2016年米大統領選への介入が取りざたされた「ロシア疑惑」をめぐって偽証罪で訴追され、いったん有罪を認めたものの、その後、無罪主張に転じていました。一方、連邦最高裁は、新型コロナウイルス対策で礼拝に参加できる人数を制限したニューヨーク州の措置を違憲と判断しました。最高裁は、カリフォルニア州での同内容の措置をめぐって合憲判断を示していましたが、今回、トランプが指名したエイミー・コーニー・バレット判事が違憲判断に回ったことで、逆の結論が導かれました。
  3. 上海が今、一番世界とつながっている。世界中で、いまだパンデミックが猛威を振るうなか、国際航空運送協会(IATA)が発表した、最新の世界の空の接続性ランキングにおいて、上海が1位に躍り出ました。ランキングでは、上位4位を中国の都市が占める結果となり、2019年に1位だったロンドンは、接続性が67%低下し、今年は8位にまで順位を落としました。中国観光省によると、中国国内における空の旅は大きく回復し、ゴールデンウィークのホリデーシーズン中には、4億2,500万人が中国全土を旅行しました。
  4. 世界に悲しみが広がっている。サッカー界のレジェンド、ディエゴ・マラドーナの死因をめぐり、不可解な点があるとして、知人の弁護士が調査を求める声明を発表しました。多くのファンが弔問に殺到し、一部で警官隊と衝突しました。
  5. ディズニーは、3万2,000人の解雇を計画。新型コロナウイルスによるパンデミックが米ディズニーの主要事業の一つであるテーマパーク事業に深刻な打撃を与えるなか、同社は、3月末までに3万2,000人の従業員を削減する計画だとしています。9月に発表した2万8,000人の解雇計画に4,000人が追加されました。

JANET FOR A GREENER PLANET

イエレンの環境政策

現在、世界中で人気を集めている、カーボン・プライシング(CO2排出への課税)がワシントンでも間もなく話題になりそうです。

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ジョー・バイデン次期米大統領が財務長官に指名する予定の、エコノミストで元FRB(米連邦準備理事会)議長のジャネット・イエレンは、「炭素税」に言及しています

イエレンが支持する計画(pdf)では、CO2排出量1メートルトンあたり40ドルを課税することが提案されており、2021年に実施されれば、2035年までに米国のCO2排出量を半減させることができます(現在のところ、CO2排出量は毎年5%ずつ増加している)。さらに、この計画では、均等な一括配当を通じて、4人家族の場合、年間約2,000ドル(約21万円)に相当する収益を家計に還元することができます。

QuartzのAmanda Shendrukが、世界の炭素税への取り組みについて解説しています(英語記事)。


CHARTING TURKEY SIZE

小ぶりな七面鳥需要

米農務省(USDA)によると、今年の感謝祭は、小型の冷凍七面鳥(約4〜7kg)への需要が、大型のそれ(約7〜11kg)よりも勝っているようです。これは、米疾病対策予防センターが推奨するように、複数世帯の集まりに参加せず、自宅で感謝祭を迎える米国人が増加している結果です。

しかし、一方で、畜産農家は例年よりも大きな七面鳥を飼育しているようで、米農務省が発表している「屠殺前の七面鳥の平均重量」のデータを見てみると、今年は過去数年の平均より重く、去年とほぼ同じでした。ちなみに、店で売られている約7kgの七面鳥は、屠殺される前は約9kgほどの重さです。

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SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. イタリアへの旅行客は自由を手に入れた…。米デルタ航空(Delta)とイタリアのアリタリア航空(Alitalia)は、アトランタ発ローマ行きの便で、「検疫フリー」のフライトを開始します。搭乗前後にCOVID-19検査で陰性の結果が出れば、イタリア入国後に義務付けられている14日間の隔離期間が免除されます。
  2. …オーストラリアへの旅行にはワクチンが「必需品」になりそう。オーストラリアのカンタス航空(Qantas)のCEO、アラン・ジョイスはテレビ局のインタビューで、将来的に、国際線の利用客にワクチン接種を義務付ける可能性があると語りました。
  3. ミンクが墓地から蘇った? デンマークで新型コロナウイルスの感染拡大防止のために大量に殺処分されたミンク。軍が管理する土地で、埋めたはずの死体が姿を現わしているのが見つかりました。腐敗によって発生したガスで土の中から押し上げられたようです。
  4. カナダ唯一のNBAチームは米国で開幕。​トロント・ラプターズ(Toronto Raptors)は、米フロリダ州タンパでNBAの2020-21シーズンを迎えます。カナダ政府の新型コロナウイルス対策で、カナダに入国するたびに14日間の隔離期間が義務付けられるためです。
  5. 北海道にはモンスター・ウルフがいる。北海道では、迷惑なヒグマを追い払うために、目を赤く光らせながら鳴き声を上げるオオカミ型のロボットを設置しました。

【今日の夕方は…】

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毎週金曜日夕方は、現代の「クール(カッコよさ)」を追うNew Cool。今週は、今、重要とされる女性の政治家、とくにミレニアル世代の若く活躍する政治家にフォーカスし、現代にあるべき彼女たちの活躍とあり方を追います。


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