Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。米テック業界から大きな発表が飛び込んできました。今日もグローバルニュースをどうぞ(英語版はこちら)。
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- インドではワクチンの臨床試験が進んでいる。インドの医薬品大手、ドクター・レッディーズ・ラボラトリーズ(Dr.Reddy’s Laboratories)は、ロシアの「スプートニクV」ワクチンの第2相および第3相試験を開始しています。一方、ワクチン生産大手のセラム・インスティチュート・オブ・インディア(Serum Institute of India)は、アストラゼネカ(AstraZeneca)が開発するワクチン候補について半量投与をした後に全量投与をした方がより効果的であることを示すデータがあるにもかかわらず、全量を2回投与する試験を続けるとしています。一方、ファイザー(Pfizer)とモデルナ(Moderna)は、欧州とシンガポールでワクチンの使用承認を政府に申請しました。
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Vaccine trials move forward in India. Dr. Reddy’s Laboratories is starting phase 2 and 3 testing for Russia’s Sputnik 5 vaccine, while Serum Institute of India said it will continue to give two full doses of AstraZeneca’s candidate, despite data showing a half dose might be more effective. Meanwhile, Pfizer and Moderna have asked for governmental approval for their vaccines in Europe and Singapore. - 米国は景気刺激策を続けようとしている。パンデミックで大打撃を受けた個人や業界に対する追加支援を求める超党派の提案は、まだ法制化されていません。上院の多数派である共和党のミッチ・マコーネル院内総務は、ホワイトハウスの支持を得られる可能性のある別の法案を検討しています。一方、ウィリアム・バー司法長官は、司法省は大統領選での不正投票の証拠を見つけていないと述べ、ドナルド・トランプ大統領の弁護士を務める元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニは、バーは自分が何を言っているのかわかっていない、と指摘しました。
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The US keeps trying on stimulus. A bipartisan proposal for additional assistance to hard-hit individuals and industries has yet to be written into legislation. Senate majority leader Mitch McConnell is shopping a competing bill that he says has White House support. Meanwhile, attorney general William Barr stated that the justice department has uncovered no evidence of election fraud—Donald Trump’s lawyer, Rudy Guiliani, said Barr didn’t know what he was talking about. - フェイスブックの監督委員会が初の審査対象事例を発表した。不適切な投稿を削除する際の判断が適切かどうかを判断するためにフェイスブックが設置した第三者機関は、2万件以上の候補を6件に絞りましたが、その半数はヘイトスピーチ・ポリシーに関するものでした。これとは別に、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、フェイスブックとグーグルがベトナムでの検閲を手助けしていると非難しました。
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Facebook’s Oversight Board announced its first cases. The company-funded group whittled more than 20,000 submissions down to six, of which half are related to policies on hate speech. Separately, Amnesty International accused Facebook and Google of aiding censorship in Vietnam. - 嫦娥5号が月面に着陸した。中国の無人探査機「嫦娥5号(Chang’e-5)」は、月の岩石や土壌のサンプルを12月中旬に地球に持ち帰ることを目指しています。成功すれば、1976年の旧ソ連以来となります。
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Chang’e-5 landed on the moon. The Chinese spacecraft aims to return the first samples of lunar rocks and dirt to Earth since 1976 in mid-December. - 3人の香港民主活動家に判決が言い渡される。アグネス・チョウ、アイバン・ラム、ジョシュア・ウォンは、2019年の抗議行動をめぐる罪で有罪と認定された後、今日(2日)、量刑が言い渡されます。最高で懲役5年の刑を宣告される可能性があります。
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Three Hong Kong activists are sentenced. Agnes Chow, Ivan Lam, and Joshua Wong face up to five years in prison after previously leading guilty to charges related to a 2019 protest. - セールスフォースはスラックを277億ドルで買収する。顧客管理(CRM)ソフト大手の米セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)は、ビジネスチャットアプリを手掛ける米スラック・テクノロジーズ(Slack Technologies)を277億ドル(約2兆8,800億円)で買収することで合意したと発表しました。これは同社にとってこれまでで最大の買収額で、業界でも過去最大級の買収となります。
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Salesforce is buying Slack for $27.7 billion. It’s the company’s biggest acquisition yet, and one of the largest-ever for the industry.
Charting busy travel days
乗客満載、感謝祭
サンクスギビング期間中の日曜日といえば、米国で最も旅行客が増える日ですが、今年の11月29日の飛行機の乗客数は、昨年のサンクスギビング期間のどの日よりも低い水準だったことが米国運輸保安局(TSA)の発表でわかりました。
もちろんパンデミックによって、航空会社は大幅なオペレーションの変更を余儀なくされていました。乗客が少なかっただけでなく、フライト自体が大幅な減便となっていました。つまり、今年は発表による数字以上に満席だったということです。
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Vaccine profitability, by the digits
ワクチンの収益
- 1兆ドル(約104兆円):新型コロナウイルス発生前の、世界でのワクチンの年間収益(推定)
- 40億ドル(約4,170億円):全世界におけるインフルエンザワクチンの年間収益(推定)
- 100億ドル(約1兆円):ウイルスが依然として「公衆衛生上の危険性がある」と判断されている場合に推定される新型コロナウイルスワクチンの年間収益
- 70億ドル(約7,300億円):米製薬会社のメルク(Merck)が抗がん剤であるキイトルーダ単体で上げる年間収益
- 3ドル(約313円):アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの1回あたりの最低接種料金
- 25〜37ドル(約2,600〜約3,300円):モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの1回あたりの最低接種料金
新型コロナウイルスワクチンの価格を低く抑えようとする世論の圧力は、十分な数の人々がワクチンを接種し、パンデミックが収束すれば落ち着くでしょう。しかし、その後に関しては、様々な可能性が考えられます。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 看護師の争奪合戦が繰り広げられている。そして、それがパンデミック対応に支障をきたす結果となっています。
- “Three Cs”は日本の流行語だ。「三密(Three Cs)」とは、密閉された空間(closed spaces)や、密集した人ごみ(crowded places)、人との距離が密接な状況(close-contact settings)を避けることを呼びかける言葉です。
- NASAは長い間行方不明だったロケットブースターを発見したかもしれない。地球に接近中の謎の物体は、1966年に月に衝突した探査機 「サーベイヤー2号」 の破片である可能性が高いそうです。
- BTSファンの皆さん、喜んで! 韓国の国会は、男性ポップスターの兵役義務の入隊時期を延期する法案を可決しました。
- ルーマニアのモノリスが消えた。Quartz読者の皆さんにはすっかりおなじみのモノリス。しかし、ばかばかしい展開になってきました。
【今日の夕方は…】
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水曜夕方のニュースレターでは、新興市場を中心に、世界の経済を動かすさまざまな力学を明らかにしていきます。今日は「アフリカのアマゾン」と評されるJumia Technologiesに起きているビジネスの変化をお伝えします。
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