Daily Brief
世界で今起きている事
明けましておめでとうございます! 2021年最初のQuartz Japanのニュースレターです。休んだからだを、世界のめまぐるしい動きに合わせていく月曜日、ニュースとチャートとトリビアをお送りします(英語版はこちら)。
- インドは農業紛争の解決を目指している。米や小麦など特定の作物に対する政府の最低価格保証が撤廃される可能性のある農業新法に対する抗議が数週間にわたって行われた後、農業者の組合とインド当局者は、交渉を再開しました。農業者たちは、この法律が廃止されなければ、破壊的な抗議行動が再開されるだろうとしています。
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India aims to resolve farm conflicts. Farmers unions and Indian officials resume talks after weeks of protests against new laws that removed government support for certain crops. Growers say that if the laws are not repealed, disruptive protests will resume. - EUは、ブレグジット後の投資協定を中国と締結した。2013年以来、35回の交渉を経て、EUと中国は年明け直前に包括的投資協定(CAI)を結ぶことで基本合意しました。中国の経済成長を後押しすることになるこの協定は、米国との対立が続く中国にとって象徴的な勝利と見られており、EUと米国の間に政治的な亀裂をもたらす可能性があります。
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The EU inked a post-Brexit investment deal with Beijing. After 35 rounds of talks since 2013, negotiators concluded a deal covering bilateral investment just before the new year. The pact is seen as a symbolic win for China that may boost its economy—and drive a political wedge between the EU and the US. - 米国の政治的混乱。米ジョージア州で5日に行われる上院選決選投票と、ジョー・バイデンが次期大統領であるとする選挙人投票の結果を公式に確定させる6日の上下両院合同会議を前に、米国の議員たちは3日に始まった議会で宣誓を行いました。共和党は、大統領選の開票結果をめぐって根拠のない異議申し立てを行い、就任手続きを遅らせる予定ですが、結果は変わらないでしょう。一方、トランプ大統領は、自身の敗北を覆すのに十分な票を 「見つける」ようジョージア州の州務長官に電話で要求する様子が録音されていました。
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Political madness in the US. American members of Congress were sworn in before a week featuring a critical election in Georgia, and the official count of electoral votes certifying Joe Biden as president-elect. Republicans plan to offer unsubstantiated objections to the vote count and delay the process, but not change the result. Meanwhile, President Trump was recorded on a call demanding a local election official “find” enough votes to overturn his loss. - テスラはウォール街の期待に応えたが、イーロンの期待には応えられなかった。米EVメーカーのテスラ(Tesla)は、第4四半期(10~12月)に18万570台を出荷。CEOのイーロン・マスクの通年目標である50万台を450台下回ったものの、今回の発表により、世界で最も時価総額の高い自動車メーカーは、今後も市場の寵児であり続けることになります。
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Tesla meets Wall Street’s hopes, but not Elon’s. The electric car-maker delivered 180,570 cars in the fourth quarter, falling 450 cars short of CEO Elon Musk’s full-year goal of 500,000. The disclosure leaves the world’s most valuable automaker poised to continue as a market darling. - イランは核燃料の準備をすると表明。トランプ大統領が離脱した核合意に違反して、濃縮度最大20%のウランを製造するというイランの決定は、2020年11月にイランの核科学者が暗殺された後に下されました。この動きは、核合意を修復しようとするバイデン新政権の試みを複雑化するでしょう。
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Iran says it will prep nuclear fuel. The decision to begin enriching uranium in contravention of the nuclear deal abandoned by president Trump comes after the assassination of an Iranian weapons scientist in Nov. 2020. The move will complicate attempts by the incoming Biden administration to repair the breached agreement.
👂 年末にお届けした「Daily Brief」の英語での読み上げ音声には、英語学習にぴったりという声もいただきました。読者の皆さんには今年も続けていくことをご期待いただけるかどうか、アンケートからご意見ください。
What to watch for
コロナと年末年始
世界中の公衆衛生当局者が、クリスマスならびに新年の人びとの動向がパンデミックにどう影響したかに注視しています。
- 3日、新たに816人がCOVID-19に感染していることを発表した東京都。首都圏の知事は菅義偉首相に対し、本日4日の年頭記者会見で、新たな緊急対策を発表するよう要請しています。
- 年末のホリデーシーズン以前、世界の新型コロナ関連の死亡者数の80%以上を占めていたのは欧州と米国で、新たな規制措置を導入する可能性が高まっています。米国、英国、イスラエル、チェコでは感染者数の累計が急速に増加するも、世界的には多くの国で減少あるいは横ばい状態であることが報告されています。
- 一方で、より感染力の強い新たなウイルス株が拡大しています。コロナ変異株はまず英国で確認され、現在は中国と米国でも発見されています。
- インドで英オックスフォード大と英製薬会社のアストラゼネカ(AstraZeneca)が開発したワクチン投与が開始されます。ただし、製薬メーカーの輸出にはまだ認可は下りていません。セラム・インスティテュート・オブ・インディア(Serum Institute of India)のCEOは、途上国向けに安価なワクチンを10億回分製造すると述べていますが、納入されるのは3〜4月以降になりそうです。
Charting boycotts of Walmart
不買とウォルマート
米小売大手のウォルマート(Walmart)は、何年にもわたり不買運動を呼びかける声に晒されてきました。多くの場合、その要求はウォルマートで働く労働者の待遇改善に焦点を当てるものでしたが、最近ではとくに、ネット上でも表面化する「党派的な怒り」を反映したものに変わってきています。
最新の事例は、米国の上院議員ジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)によるもの。同社のTwitterアカウントがホーリーに対して誤って「負け惜しみ(#soreloser)」とツイートした後に起きています。
もっとも、こうした不買運動が大勢を動員する運動に発展することはほとんどないのも事実。仮にそうなったとしても、米国での小売業者の売上高は順調に伸び続けており、大きな影響はないでしょう。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 「マフィアからフォローリクエストが届きました」。1万8,000人のフォロワーをもつ人気のFacebookページは、所有者である南イタリアの犯罪グループのリーダーが懲役30年の刑を宣告された後に閉鎖されましたが、オンライン戦略を展開しているのは彼だけではありません。
- 免罪符を買う? オーストラリア当局は、過去7年間の約4万7,000件の取引によって、合計18億ドル(約1,850億円)がバチカンからオーストラリアに移転されていたと発表しました。バチカンは、それは彼らのお金ではないとしています。
- 最も長い外交亡命は終わる。有罪判決を受けたエチオピアの戦犯2人は、首都アディスアベバのイタリア大使館で29年間を過ごしましたが、退去することになりました。80歳代となった彼らは、1970年代にデルグ政権が犯した残虐行為の責任を問われて死刑判決を受けましたが、現在は執行猶予が与えられています。
- ゴルフに大流行が到来。このスポーツが2020年に飛躍的に発展したのは、屋外でソーシャルディスタンスを容易に保つことができ…また、裕福な人々がより多くの時間をもてるようになったからです。
- プリンスにはまだ支払わなければならない税金がある。米内国歳入庁によると、コメリカ銀行(Comerica Bank)は亡くなった人気歌手の資産を8,000万ドル(約82億5,000万円)過小評価しており、彼の遺産からさらに3,200万ドル(約33億円)を支払う必要があるそうです。
【今日の夕方は…】
今日夕方のニュースレター「Deep Dive」では、昨年末にお届けした月イチのウェビナーシリーズ「Next Startup Guide」第2回・アフリカ編の内容をお届けします。ケップルアフリカベンチャーズのゼネラルパートナー品田諭志さんの語る「アフリカンスタートアップの今」とは。
🎧 月2回配信のPodcast。編集部の立ち話のほか、不定期でお送りするゲスト回の最新回では古川遥夏さんをお招きしています。Apple|Spotify
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