Daily Brief:変われるか? アカデミー賞

Daily Brief:変われるか? アカデミー賞

Daily Brief

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。まもなくアカデミー賞のノミネートが発表されますが、映画館での公開ができなかった今年の「本命」は? 今週も「世界でいま起きていること」をチェックしましょう(英語版はこちら)。

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Image: CHLOE ZHAO IN THE HANDOUT SCREEN GRAB FROM THE 78TH ANNUAL GOLDEN GLOBE AWARDS/REUTERS
  1. ミャンマーの政治家たちは戦いを誓う。クーデターに対抗する「臨時政府」として立ち上げられた「ミャンマー連邦議会代表委員会」(CRPH)は、副大統領代行のマン・ウィン・カイン・タンの声明を発表。国民民主連盟(NLD)の議員らからなるグループは、ミャンマーの正統な政府として国際的な承認を求めているため、クーデターを受け入れることを拒否した、としています。
    Myanmar’s politicians vow to fight. Ousted speaker Mahn Win Khaing Than said that a group of legislators refused to accept the coup as they seek international recognition as Myanmar’s rightful government.
  2. ​ロシアは200人の民主活動家を拘束した。彼らは、モスクワ市内のホテルで開かれた会合に参加していました。ロシア当局は、彼らがCOVID-19対策に違反したと主張しています。
    Russia detained 200 democracy activists. The Kremlin claimed they were violating Covid protocols.
  3. 米国はワクチンを共有しない。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、ジョー・バイデン政権はワクチンを共有してほしいという他の国々からの要望を全て拒否したと述べました。
    The US isn’t sharing vaccines. White House press secretary Jen Psaki said the Biden Administration has turned down calls to share vaccine doses with other countries.
  4. 中国はワクチン接種を受けた入国者に対するビザ規制を緩和した。中国製ワクチンを接種していれば、ビザ申請での書類手続きが少なくなり、中国本土でのCOVID-19検査を省略することができます。
    China eased visa rules for vaccinated visitors. Recipients of Chinese vaccines will face less paperwork and skip Covid testing in mainland China.
  5. EUはいまだにワクチンの分配を微調整中だ。オーストリア、クロアチアなど数カ国がワクチンの分配が不平等だと不満を表明したことを受け、当局者らは、EU加盟国が再び調整に取り組むと述べました。
    The EU is still fine-tuning their vaccine rollout. After Austria, Croatia and several other countries complained of uneven distribution, officials said coordination would again be addressed by bloc members.
  6. パリは再びロックダウンを検討している。ワクチンの供給が限られるなか、ICUは満杯になりつつあります
    Paris ponders another lockdown. ICUs are filling up while vaccine supply remains limited.
  7. 北朝鮮は、米国の意思疎通の努力に無反応だった。北朝鮮はこの1年間、米国とあまり対話をしておらず、まだ新大統領を認めていません。バイデン政権は発足後、北朝鮮との接触を試みてきましたが、まだ反応を得られていないそうです。
    North Korea has been unresponsive to America’s communication efforts. Pyongyang hasn’t spoken much to the US in a year, and has yet to acknowledge the new president.

What to watch for

オスカーのゆくえ

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Image: 02/25/2019, CHADWICK BOSEMAN, REUTERS/MARIO ANZUONI

本日15日(現地時間)、2021年度アカデミー賞のノミネート作品が発表されます。まず期待されるのが、『ノマドランド』(Nomadland)およびその監督・脚本家であるクロエ・ザオ(Chloé Zhao)。Netflix配信の『シカゴ7裁判』(Trial of the Chicago 7)、『マ・レイニーのブラックボトム』(Ma Rainey’s Black Bottom)、『Mank/マンク』も注目です。そして、今年こそ、ほんとうの「多様性」が見られることにも期待しましょう。

映画芸術科学アカデミーは、ようやくダイバーシティ促進の歩みを進め始めました。対象となる映画のほとんどが劇場公開されなかったという、映画業界にとって前例のない年でもありました。こうした背景から、今年のアカデミー賞は、さほど白人(あるいは男性)が目立つものにはならないかもしれません。ザオには、監督賞にノミネートされた初の有色人種女性になる可能性が。俳優の故チャドウィック・ボーズマンは、『マ・レイニー〜』で確実にノミネートされるでしょう。スパイク・リー監督作品のNetflix映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』(Da 5 Bloods)もノミネートされるかもしれません。

映画原理主義者の中にはストリーミング作品が「神聖なる映画体験」を損なっていると嘆く者もいるでしょうが、ストリーミングによって「あらたな声」が世界規模で上がるようになったことは間違いありません。そして、それが今年のノミネート作品には反映されることになるでしょう。

もっとも、ハリウッドが多様性の問題を解決できているかというと、そんなことはありません。それどころか、今週発表されたマッキンゼーのレポートによると、映画産業は米国で最も多様性に欠ける産業のひとつであることが明らかになりました。映画会社の経営幹部は、その90%以上が白人です。マッキンゼーは、この問題への適切な対処を怠ったことで、ハリウッドは毎年100億ドル(約1兆900億円)の損失を出していると結論づけています。

アカデミー賞の場で、多様なアーティストの素晴らしい作品を称えること。それによって、映画業界の意思決定権者は、あらたな声を取り上げることが人道的に意味をもつだけでなく、経済的にも重要であることをようやく理解することができるでしょう。


Charting sobriety’s rise

しらふな人たち

二日酔いで目覚める朝に嫌気が差している人もいれば、アルコールで人間関係に悪影響を被った人もいるでしょう。そうでなくとも、いま「断酒」の新しい動きが進んでいます。酒を断った「素面」(=sober)な人たちのオンラインコミュニティが成長し、酒のない生活の楽しさは、いま、広く認識されることになっています。

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かつて、米国や英国において自らの断酒を認めることは、自分が過去になんらかの問題を起こしたのを認めることと同意でした。しかしいま、人びとはボトルを置くという自らの決断について口を開くように。モクテル(mocktail; ノンアルコールカクテル)を再発明し、あらたな禁酒ガイド執筆に勤しんでいます


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 『アバター』が映画興行収入1位を奪還。ジェームズ・キャメロン監督の2009年の大ヒット作は、中国での再公開で、世界興行収入が合計28億ドル(約3,050億円)に達し、再び歴代首位に返り咲きました。
  2. さようなら、“マーベラス”マービン。1985年に「戦争」とも呼ばれたトーマス・ハーンズとの熾烈な戦いを制したことで知られる、ボクシングの元ミドル級世界チャンピオン、マービン・ハグラーが、66歳でこの世を去りました。
  3. 米アラバマ州がヨガ禁止令を解除した。この禁止措置は反ヒンズー教の人種差別に起因しており、生徒たちが世界的に人気のヨガを学ぶことを阻止していましたが、不思議なことに、教師たちはいまだにヒンズー語を使うことができず、『アーサナ』『ナマステ』といった単語も使えません
  4. アフリカ人は大規模な結婚祝いを考え直す。パンデミックによる経済への打撃とソーシャルディスタンスの必要性によって、手の込んだ結婚式の見直しを余儀なくされています。ある政府は、スリム化した「科学的な結婚式」を推進しています。
  5. ドラゴンはパンデミックを克服する。ファンタジーゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は、昨年、隔離されたゲーマーたちがオンラインでその詳細を学び、人気が急上昇しました。

【今日の夕方は…】

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月曜夕方のニュースレター「Deep Dive」では、毎週ひとつ「次なるスタートアップ」を紹介しています。今週取り上げるのは、フィンテックの真髄に迫るスタートアップ。彼らがつくる、銀行でもクレカでもない「新しい金融」とはいったいどんな姿をしているのでしょうか。


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