Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。北京では「青い月」と呼ばれる現象も確認されています。今週も「世界でいま起きていること」をチェックしましょう(英語版はこちら)。

- 北京はこの10年で最大の砂嵐に見舞われた。Weibo(ウェイボ、微博)ユーザーたちは、大気汚染レベルがけた外れであることを物語る 「青い太陽」 の写真をシェアしました。
Beijing got hit with the sandstorm of the decade. Weibo users shared their photos of the “blue sun” as air pollution levels were off the charts. - 感染者数が記録を更新するなか、インドは規制されたホーリー祭を祝った。各地域ではホーリー祭を祝うために集まることを禁止しています。ただ、新型コロナウイルスの感染者数が急増しているにもかかわらず、その規制は、1年前にインド全土で実施されたロックダウンよりもはるかに緩いものです。
India celebrated a subdued Holi as Covid-19 cases broke records. Local laws prohibiting Holi gatherings are far less restrictive than the country’s famously strict lockdown a year ago, despite soaring case numbers. - ミャンマー国軍は葬儀に集まった人々にまで発砲した。国軍の記念日だった27日には、治安部隊の発砲などによって、クーデターが起きて以来、最多となる114人が死亡。犠牲者のうちの1人の葬儀会場でも、弔意を示すために集まった人々に治安部隊が発砲しました。
Myanmar’s military fired into a funeral crowd. The mourners had assembled to pay respects to the 114 people killed by security forces the previous day, the bloodiest since the coup began. - イランと中国は包括的な協定に合意した…。米国の制裁下にある両国は、貿易や軍事協力、インフラ投資などでの連携を強化する、25カ年の包括的戦略パートナーシップ協定に署名しました。
Iran and China agreed on a sweeping deal… The two countries—both under US sanctions—signed a 25-year agreement to strengthen trade, military cooperation, and investment in infrastructure. - …一方、米国は台湾は侵略されやすいと考えている。米当局者は、フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、中国がこの地域でますます積極的な行動をとっていることは、台湾の先行きが暗いことを示していると述べました。
…While the US thinks Taiwan is vulnerable to invasion. A US official told the Financial Times Beijing’s increasingly aggressive actions in the region point to a dim outlook for Taiwan. - スエズ運河のエバーギブン号はまだ動かない。浚渫(しゅんせつ)と曳航(えいこう)を交互に行うという試みはうまくいっておらず、エジプト当局は船の積み荷を降ろすよう指示しましたが、それには数週間かかる見込みです。
The Ever Given has yet to budge. Alternating dredging and tugging efforts have been unsuccessful, and there’s been talk of having to unload the ship’s cargo, which could take weeks. - 金曜日の大規模なブロック取引はまだ終わっていないかもしれない。米ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が一部を担当し、26日に複数企業の株式が大量に売却された謎の取引は、市場を混乱に陥れました。報道によれば、アルケゴス・キャピタル(Archegos Capital)と呼ばれるファミリーファンドの動きが背景にあるようです。一方、米連邦最高裁は、2008年の金融危機を目前にして、ゴールドマン・サックスが虚偽の表示をしたとして株主が起こした歴史的な集団訴訟をめぐり、本日29日、同社の主張を審理します。
Friday’s massive block trade might not even be over. The mysterious sale of huge chunks of various companies’ stock, executed in part by Goldman Sachs, sent markets into a tailspin and was reportedly driven by a family fund called Archegos Capital. Meanwhile, the US Supreme Court will hear Goldman’s arguments today as part of a historic class-action suit by shareholders who accuse the firm of lying about its integrity in the runup to the 2008 financial crisis.
What to watch for
倉庫労働者、運命の日
米アラバマ州ベッセマーのアマゾン倉庫での労働組合の結成に向けた活動は、全米で大きく注目されてきました。その活動も、すでに実施されている郵便投票の開票をもって、本日29日に結末を迎えます。この倉庫で働く従業員約6,000人の半数以上がRWDSU(小売・卸売・百貨店労組)への加入に「イエス」と投票すれば、米国で初めて、組織化されたアマゾン労働者グループが形成されることになります。
今年2月に本格化したこの労働者たちの動きに対して、アマゾンは(当然のことながら)阻止しようとあらゆる手立てを展開してきました。マスコミやソーシャルメディア対策にも積極的に取り組んでいます。Twitterでは、Amazon Newsが「(労働者が)ボトルにおしっこをしているなんて、本気で信じていませんよね?」と倉庫での過酷な労働環境を否定しています。

倉庫の労働者がアラバマ州で勝利を収めれば、連帯の流れは全米に波及することでしょう。フランスやイタリア、スペイン、ドイツではアマゾン労働者が組合化されて久しいですが、米国も欧州同様の環境になるかもしれません。投票結果がどうであれ、列車はすでに駅を離れてしまったのです。
- 5,800:ベッセマー工場で働くアマゾン社員の人数
- 3,000+:すでに組合カードに署名している人数
- 1,000+:米国内のベッセマー以外の拠点で働くアマゾン社員のうち、RWDSUに組合結成に関する質問をした人数
- 400〜500:米アイオワ州にある2つの倉庫の現役・元アマゾン労働者のうち、チームスターズ国際同胞団(1903年発足の全米最大手労組)と連絡を取っている人数
- 80万:米国内のアマゾン従業員の総数
Charting the Suez Canal shortcut
スエズ運河が生む恩恵
国連によると、世界の貿易の約80%が海上輸送によるものだとされています。そして、多くの航路は、アフリカ大陸を一周するのではなく、エジプトを通過する120マイル(約190キロメートル)の「スエズ運河」を通ることで、移動の総距離を大幅に短縮することができています。

ロシアは黒海で採れる石油や天然ガスの買い手を獲得できる可能性があるので、座礁した大型コンテナ船「エバーギブン号」の脱出を急いではいませんが、この座礁によって、数十億ドルの損失が生まれています。しかし、そもそもこの船はどれくらいの大きさなのでしょうか?
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- パンデミック下の陪審員は被告側に肩入れする。米国の裁判官は、新型コロナウイルスへの感染を懸念する候補者には柔軟に辞退を認めているため、結果、選ばれた陪審員は保守的な傾向が強くなるようです。
- ワインの新たなテロワールは「地球の軌道」。数本のフランスワインが宇宙から地球に戻ってきました。きっと味も香りも変わっているはず。
- 新たな廃品置き場。多くの人がスマートフォンで捉えた「流星群」は、実は、宇宙開発企業のスペースX(SpaceX)が打ち上げたロケットのゴミが大気圏で燃え尽きたものでした。
- 5,000人が参加したライブは、近い将来の大規模イベントがどのようになるかを実演した。スペインのバルセロナで実施されたライブの会場に入るには、新型コロナウイルス検査やマスクの着用が必要です。ただし、ここには、解決すべき大きな問題が1つあります──これらの予防策をすべて提供しながら、収益を出すにはどうすればいいのでしょうか?
- フェイスブックは世界のGIF選択を不当にコントロールしている。少なくとも英国の規制当局はそう考えています。
【今日の夕方は…】
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