Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。ロンドンではついにコロナの死者がゼロを記録しました。今日も「世界でいま起きていること」をチェックしましょう(英語版はこちら)。
- エバーギブンが脱出した。座礁し、1週間近くエジプトのスエズ運河に閉じ込められていた大型コンテナは、引っ張られ、押され、潮の流れも利用して、ついに警笛と歓声のなか、窮地を脱しました。
The Ever Given is on its way. Amid a chorus of honks and cheers, the giant ship that had been stuck in the Suez Canal for close to a week was tugged, pushed, and high-tided out of its jam. - アルケゴス騒動の真相が明らかになり始めた。ヘッジファンドのアルケゴス・キャピタル(Archegos Capital)による清算をめぐる混乱についての情報が徐々に明らかになるなか、証券会社は、先週の大規模なブロック取引による損失を算定しました。
The Archegos dust began to clear. Brokerages assessed the damage after the massive block sale last week, as more information emerged about the chaos surrounding the hedge fund’s liquidation. - 米国でCOVID-19の感染者が再び増加。米疾病対策センター(CDC)の所長は、マスクを着用し、他者との距離を保つよう国民に訴えました。一方、ニューヨーク州は30日から、ワクチンの接種対象を30歳以上に拡大すると発表。テキサス州はワクチンの供給量がまだ限られているにもかかわらず、16歳以上まで対象を拡大しました。
Covid-19 cases in the US are on the rise again. The director of the Centers for Disease Control and Prevention begged the public to continue wearing masks and keeping distance. Meanwhile, New York announced vaccine eligibility for adults 30 and over starting next Tuesday, and Texas opened it up for all, though supply is still limited. - ロンドンは日曜日にCOVID-19の死亡者ゼロを報告。このニュースは、英国がロックダウンの制限を緩和し始めた月曜日(29日)に伝えられました。一方、メキシコの死亡者数は、これまで公表されていたよりも60%も多い可能性があるそうです。
London reported zero deaths from Covid-19 on Sunday. The news came as England began easing lockdown restrictions on Monday. Mexico’s death toll, however, might be as much as 60% higher than reported. - ファイザーとモデルナのワクチンは「現実世界」の試験もパスした。CDCによると、米ファイザー(Pfizer)か米モデルナ(Moderna)のワクチンを2回接種してから2週間経過後の時点で、感染を90%抑制する効果がありました。
Pfizer and Moderna vaccines passed another “real world” test. The US Centers for Disease Control and Prevention reported the jabs reduced infections by 90% in fully vaccinated people. - アフリカ連合はJ&Jのワクチンを確保した。米ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson&Johnson)は、2021年第3四半期以降に、最大4億回分のワクチンを供給します。
The African Union secured vaccines from Johnson & Johnson. The drugmaker will provide up to 400 million doses starting in the third quarter of 2021. - 米国はミャンマーとの外交通商協定を一時停止した。当局者は、ミャンマーに「民主的に選ばれた政府が戻るまで」は、「貿易・投資枠組み協定」(TIFA)に基づく協力が再開されることはないだろうと述べました。
The US suspended a diplomatic trade agreement with Myanmar. An official said cooperation wouldn’t start up again “until the return of a democratically elected government” in Myanmar. - 慈善家で活動家のママ・サラが亡くなった。ケニアの指導者は、バラク・オバマ元米大統領の父の義母、サラ・オバマの死を、「国家の損失」と呼びました。サラは個人としての活動や彼女の財団を通じて、彼女の村や地域の子どもたちの生活・教育に影響を与えました。
Philanthropist and activist Mama Sarah has died. Kenyan leaders called the death of Barack Obama’s step-grandmother, Sarah Obama—who personally and through her foundation impacted the lives and education of children in her village and beyond—a loss for the nation.
What to watch for
仏の対イスラム法案
フランスは長い間、イスラム教徒によるテロリズムと苦闘していて、2020年時点でも全く平穏が訪れていません。マクロン大統領は、世俗化した「フランスのイスラム教」を促進することによって、イスラム教徒をフランス社会にうまく統合することこそが、解決策になると主張しています。
明日(31日)、フランスの上院議員らは、物議を呼ぶ法案(フランス語リンク)の議論を始めることになっています。これは、イスラムテロに対処する名目で、フランス政府の力を拡大するための法案だと、多くの人が考えています。
この法案は、マクロン大統領が、次なる選挙で敵となる極右政治家のマリーヌ・ル・ペンから、できるだけ多くの保守的な有権者を刈り取りたい思惑も見え隠れしています。
法案には5️⃣5️⃣の提案が含まれています。主に注目されているのは、こちら。
- 法案の名前✍🏻。 報道によると、目的が「分離主義と戦う」ことであると、右派の上院議員らが、法案の本文により明確に記載しようとしています。
- 在宅での授業はありません🎒。法案では、3歳以上のホームスクーリングを禁止するとしています。
- オンラインでの発言を閲覧🖥️。 この法案は、オンラインなどにおいて、特定の人もしくはその家族に危害を加えることを目的に、何らかの情報を広めた人々に対する罰を強化する見込みです。 特に公務員に対して行った場合の罰則が厳しくなります。
- 私たちのお金、私たちのルール💰。 公的資金を受け取る条件として、コミュニティのグループは「共和国の原則に従って」資金を使用することを約束する必要があります。この法案は、これらの規則を尊重しないグループを取り締まる政府の権限を強化します。
フランスの左派は、この法案を容認できない国家主義による侵害の事例になると批判していますが、一方、右派はこの法案は十分に強力ではないと考えています。両者は4月8日まで法案を修正して議論することになります。
Charting women in investing
女性投資家、急増中
ブリタニー・フロイド(Brittany Floyd)は、航空会社での職と、外国人向けツアーガイドの副業を失いましたが、もう以前のような大変な生活に戻るつもりはありませんでした。だから、本を読んだり、オンラインのフォーラムをチェックしていたのですが、気づけば、投資アプリのRobinhoodをダウンロードし、自分が興味を持った株への投資を始めていました。このような行動を取ったのは、彼女だけではありません。
資産運用会社のフィデリティ(Fidelity)では、2020年は、女性の顧客が9%増加し、男性の7%を上回った一方、Robinhoodでも2月に女性ユーザーが4倍になったとのことです。その背景には、女性の給与水準が上がっていることがあるかもしれません。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 「ちょうどいい」ブラックホールがある。もちろん大きいブラックホールと小さいブラックホールがありますが、生命の存続に適した「ゴルディロックスゾーン」(童話『ゴルディロックスと3匹のくま』にちなんで名付けられた)があるような、完璧に中ぐらいのブラックホールを見つけるのは簡単ではありませんでした。
- 私たちの心は重力が大好き。 宇宙にいるときであれ、大西洋を泳いで横断する場合であれ、無重力の状態は、人間の心臓を収縮させます。
- アポフィスの小惑星がすぐそばを通る。 この巨大な岩は、もともと2068年に地球と衝突すると考えられていましたが、実際は、少なくともあと100年は私たちを放っておいてくれるようです。
- 10代の若者が色の変わる縫合糸を発明した。 この高校生が作ったビート由来の染料を活用した縫合糸は、特許取得を目指しています。
- Brood Xがやって来る。 目下の気温上昇は、米国の一部を覆い尽くす何十億ものセミの出現が早くなる可能性を示唆しています(ですが、必要があれば、 セミは食べることができます)。
【今日の夕方は…】
急拡大するEV市場に無二の存在として君臨するテスラ。その躍進の歴史を6つのチャートとともに振り返ります。毎週火曜夕方のニュースレターでは、気候変動をはじめとするグローバル経済の大転換点をお伝えしています。
🎧 Podcastでは月2回、新エピソードを配信しています。最新回では「アーバン・ジャーナリスト」の杉田真理子さんをゲストにお迎えしています。Apple|Spotify
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