Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。世界各地で急ピッチでワクチンの接種が進んでいます。今日も世界で起こっていることをまとめてお届けします。
- インドのバイオロジカルEがカナダのmRNAワクチンの製造契約を締結した。バイオロジカルE（Biological E）は、2022年にプロビデンス・セラピューティクス（Providence Therapeutics）のワクチンを10億回分製造することを目指しています。一方、世界保健機関（WHO）は、中国のシノバック・バイオテック（Sinovac Biotech、科興控股生物技術）が開発したワクチンの緊急使用を承認しました。
India’s Biological E. signed a deal to make a Canadian mRNA vaccine. It’s hoping to manufacture 1 billion doses of Providence Therapeutics’ jab in 2022. Meanwhile, the World Health Organization approved Sinovac Biotech’s Covid shot for emergency use. - インド政府は、7・8月に1日当たり1,000万回の投与を実施すると発表。インドがワクチン不足に悩まされるなか、これは現在投与可能なワクチンの3倍以上の量に相当します。
The Indian government announced it would administer as many as 10 million doses a day in July and August. That would be more than triple the jabs available now, as the country has struggled with shortages. More on whether it can make good on its promises below. - 日本はオリンピック選手へのワクチン接種を始めた。約200人の選手、コーチ、スタッフが火曜日（1日）に1回目の接種を受けました。一方、東京都はオリンピックのパブリックビューイングが予定されていた場所を予防接種会場として使用することを決め、6月21日からはオフィスや大学でのワクチン接種が始まる予定です。
Japan began vaccinating its Olympians. About 200 athletes, coaches, and staff got their first doses on Tuesday. Meanwhile, the government plans to use an Olympic venue as a vaccination site, and begin inoculations at offices and universities on June 21. - 香港は、携帯電話の番号登録で実名提供を義務付ける方針。他にも155の国で同様の法律が制定されていますが、監視ツールとして使われるのではないかと懸念されています。
Hong Kong may require people to use their real names when registering a mobile phone number. Though 155 other countries have similar laws, some worry it will be used as a surveillance tool. - マレーシアのロックダウンで外国の自動車メーカーに打撃。出社が認められる従業員の数が通常の10%に制限されたため、トヨタとホンダは昨日（1日）、工場での生産を停止しました。
Malaysia’s lockdown hit foreign automakers. With the number of workers restricted to 10%, Toyota and Honda suspended production yesterday. - 中国でH10N3型鳥インフルエンザのヒト感染が報告された。この型のヒトへの感染が確認されたのは初めてとみられますが、当局は大規模な感染拡大の可能性は低いとしています。また、ウイルスに関する明るいニュースとしては、英国は昨日（1日）、COVID-19による死者数がゼロでした。2020年3月7日以来、初めてです。
China reported a human case of H10N3 bird flu. It would be a first for that strain, although officials said large-scale spread is unlikely. In some good news for viruses, yesterday the UK counted zero deaths from Covid-19 for the first time since March 7, 2020.
What to watch for
ファーウェイの命運
Harmony（鴻蒙）は、中国の通信機器大手であるファーウェイ（Huawei、華為技術）が、GoogleのAndroidへの依存度を下げるために用意した、新たなOSです。同社は2019年に米国に制裁を加えられて以来、Androidの部品やアプリへのアクセスが困難になっていました。
本日2日にリリースされたHarmony 2.0は、ファーウェイの携帯電話に搭載された最初のHarmonyとなります。このOSが、ユーザーにとって単なるAndroidのコピー品で終わるのか、そして、ファーウェイがハードウェアからソフトウェア中心に移行できるかどうかが、これから試されることになります。
ここでは、ファーウェイが米国の技術分野において主要な敵となった経緯を簡単に振り返ります。
- 2005年：米空軍の委託を受けた報告書で、創業者が中国軍と関係があると指摘されましたが、ファーウェイは繰り返し否定しています。
- 2012年：米下院の委員会は、ファーウェイ並びに、同じく中国の通信大手であるZTEの機器を使用しないよう警告しています。
- 2018年：創業者の娘であるファーウェイのCFO、孟晩舟（Meng Wanzhou）が、イランに対する貿易制裁に違反した疑いで、米国の要請により、カナダで逮捕されています。
- 2019年：米国はファーウェイに対し、米国の貿易制裁を逃れるために共謀したことなどを理由に、多数の刑事告発を行いました。同年末、同社は米国の貿易ブラックリストに登録されました。
- 2021年5月：ファーウェイのビンセント・ペン（Vincent Peng）上級副社長は、Nikkei Asiaのオピニオンで、バイデン政権に話し合いを求めています。
Charting Tesla’s price hikes
テスラの値上げのわけ
世界的なチップ不足は、何に影響するのでしょうか？パンデミックによる、サプライチェーン起因の品薄状態は、トースターメーカーやスマートフォンメーカーにも影響を与えています。特に、自動車メーカーは大きな影響を受けていて、自動車がコンピュータ化されていればいるほど、チップへの依存度は高くなります。
テスラの名声は「未来の車」であることに支えられています。しかし、その未来には半導体が必要です。イーロン・マスクCEOは、直近の5回の値上げは、生産上の課題によるもので、根底にはチップ不足があると述べています。しかし、懐疑的な見方をすれば、最近の電気自動車の需要に便乗しているだけかもしれません。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- Twitterは、独自の天気予報チャンネルを構築している。この有料サービスは、月額10ドル（約1,090円）です。
- フロリダの「オーランド・メルボルン国際空港」が、「メルボルン・オーランド国際空港」への改称に合意。この空港は、ディズニー・ワールドを目指す旅行者が利用する「オーランド国際空港」から約110キロ離れた場所にあります。「旅行者を混乱させる」として訴訟にまで発展しましたが、これでクリアになるはずです。
- フィリピンのある町では、ワクチンを接種した人に牛を毎月1頭プレゼントする。町長は、このくじ引きで、住民のワクチン接種を促進したいと考えています。
- イエメンの漁師たちがクジラの死骸から150万ドル（約1.6億円）相当のアンバーグリスを発見。粘着性があり、臭いのするこの物質は、香水の材料として使われています。
- 「エイリアンの解剖画像」のNFTが販売されている。1947年に撮影された映画の1コマの最低入札価格は100万ドル（約1億900万円）です。
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