Deep Dive: Crossing the borders
グローバル経済の地政学
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東京五輪の開幕を前に米国人が見つめるのは、スマートフォンの画面に映る各国選手の獲得メダル数とオッズ……!? 毎週水曜は、世界の経済を動かす最新ニュースをお伝えしています。※ 22・23日は休日のため、毎朝のニュースレター「Daily Brief」はお休みです。
ケヴィン・デュラントと米国男子バスケットボールチームが東京のコートに立つとき、米国何百万人のファンは、彼らの勝利に「賭けられる」ようになります(ただし、彼らの勝利はほぼ確実なので、賭けたところで勝てないでしょうが)。
最近まで、米国における合法的なスポーツベッティングはネバダ州に限られていました。しかし2018年、米国最高裁判所は法的解釈を変更。ネバダ州を除く米国内でのスポーツベッティングを事実上禁止していた1992年連邦法は覆され、米国のスポーツ界の状況は一変しました。
この判決は、韓国・平昌で開催された冬季オリンピックからわずか3カ月後に下されたもので、さらに今年の五輪については、米国人がベッティングをするのにラスベガスに出向く必要がなくなったのです。
on their smartphones
スマホでベッティング
ほとんどの場合、ベッティングはスマートフォンで事足ります。スポーツベッティングを完全に合法化しているのはいまのところ全米16州とコロンビア特別区で、さらに9つの州でも合法化の動きがみられます。
新ルールの下、利益を得ようと市場がすでに立ち上がっています。一部の州では、賭ける行為そのものはカジノやスタジアムに限られていますが、12以上の州でオンライン・スポーツベッティングが認められています。つまり、21歳以上の人であれば、アプリをダウンロードするかウェブサイトにアクセスして、すぐに賭けることができるのです。
もっとも、体験そのものは州によって異なります。サービスを展開しているベッティングサイト「FanDuel」(8州で展開)と「DraftKings」(13州で展開)は、それぞれ多様なオプションを提供しています。基本的に、ユーザーは試合前に個々の競技の試合結果やメダルの個数に賭けられます。さらに、五輪以外のさまざまなスポーツでライブ形式のスポーツベッティングを提供しており、ユーザーには競技の進行に合わせた最新のオッズを利用できます。
ワシントンDCでは、オンライン・スポーツベッティングは宝くじ管理アプリ「GambetDC」が主流ですが、東京での開会式を4日後に控えた7月19日現在で、アプリ内では、各参加国が獲得するメダル数のオーバー/アンダーのほか、メダル獲得数の多い国のオッズが提供されています。
the profits
儲かるのは誰だ
オリンピックの精神は、その歴史上、スポーツの純粋なる素晴らしさに焦点を当ててきました。しかし、ここ数十年はより商業的になり、世界最大の広告イベントのひとつとなっています。その一例が放送局のNBC Universalで、同局の東京大会にあわせた広告売上げは12億5,000万ドルを超えています。
何百万人もの人々が五輪に賭けることができるようになったいま、スポーツベッティングによる売上げはさらに何百万ドルもの金額になるでしょう。ただし、その利益のほとんどは「胴元」のものであることは言うまでもありません。
確実に利益を得るのは、スポーツブックと、賭け金に課税する政府です。ウェブサイト「LegalSportsReport」によると、2018年以降、全米でのスポーツベッティング会社の収益は44億ドルにも上り、州や地方自治体は6億1,500万ドルの税収を得ていることがわかっています。
COLUMN: What to watch for
プロフ欄にワクチン
パンデミックの影響が色濃く残るインドでは、マッチングアプリを介したオンラインデートが盛ん。ワクチンを接種した人が全人口の4分の1以下といまだ行き渡っていない状況ゆえに、そのワクチンがオンライン・デートが上手くいくかどうかを大きく左右しているようです。2020年にインドで400万人のユーザーを超えたデートアプリ「Bumble」の調査によると、「予防接種を受けた人となら会ってもいい」と考えるインド人が多く、ユーザーは自身のプロフィール欄に予防接種歴を追加するようになっているようです。
ちなみに、オンラインデートそのものの体験の質も向上しています。キャットフィッシングの事例は減少し、ユーザーもより感情のつながりを重視するようになったと報告されています。
(翻訳・編集:年吉聡太)
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