Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。今日も世界で起こっていることをまとめてチェックしましょう。
- IMFによると、世界経済の回復が失速している。国際通貨基金(IMF)は、最新の成長率予測を下方修正し、富裕国と貧困国の回復度合いに「分岐」があると警告しました。これとは別に、世界銀行の幹部だった時期に、ビジネス報告書における中国のランキングを不正操作したと指摘されているクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事の留任を支持することを決めました。
The International Monetary Fund said the global economic recovery is stalling. The IMF cut its latest growth forecast and warned about diverging paths for rich and poor countries. Separately, the organization decided to keep its managing director, Kristalina Georgieva, who is accused of manipulating China’s business ranking when she was at the World Bank. - 中国の電気代が上がっている。中国当局は、電力供給の制限や工場の操業停止をもたらしている電力供給問題の解決に取り組むなか、石炭火力発電所はより多くの料金を請求することができると発表しました。
China’s electricity costs are going up. Beijing said coal-fired power plants would be allowed to charge more, as it tries to fix supply issues that have led to electricity rationing and idled factories. - タタ・モーターズは、電気自動車に20億ドル(約2,270億円)を投資する。今回の発表は、TPGライズ・クライメート・ファンド(TPG’s Rise Climate Fund)やアブダビの政府系持ち株会社からの出資に続くものです。
Tata Motors will invest $2 billion in electric vehicles. The announcement follows investments in the company from TPG’s Rise Climate Fund and Abu Dhabi’s state holding company. - 英国の求人数が過去最高を記録。小売業や接客業などが、人材確保に苦慮しています。一方、下院の報告書は、英国の初期のパンデミック対応を「公衆衛生上の最も重要な失敗の一つ」と指摘しました。
UK job openings hit a record high. Retail and hospitality are among the industries struggling to hire workers. Meanwhile, a House of Commons report called the UK’s early pandemic response “one of the most important public health failures” for the country. - EUは、初のグリーンボンドで120億ユーロ(約1.57兆円)を調達した。EUはこの資金をパンデミックからの復興資金に充てる予定です。これとは別に、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、持続可能な投資のための300億ユーロ(約3.92兆円)の計画を発表しました。
The EU raised €12 billion ($13.8 billion) from its first green bonds. The bloc will use the funds to finance its pandemic recovery. Separately, French president Emmanuel Macron announced a €30 billion plan for sustainable investment in the country. - G20はタリバンと協力して援助物資の配布を行う。各国首脳は、これが人道的危機を防ぐ唯一の方法である、という点で合意しました。また、EUは追加支出を発表し、総額10億ユーロ(約1,300億円)が国際的な援助団体に直接送られることになります。
The G20 will work with the Taliban on aid distribution. Leaders agreed it’s the only way to prevent a humanitarian crisis. The EU also announced additional funds, for a total of €1 billion, that will be sent directly to international aid groups.
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What to watch for
再び宇宙へ
今年の7月、ジェフ・ベゾスが11分間の宇宙旅行を行ったことは記憶に新しいことでしょう。そのジェフ・ベゾスが経営する宇宙企業、ブルーオリジン(Blue Origin)は、本日(13日)、午前9時(米国中部時間)に、乗客を乗せた2機目の宇宙船をテキサス州から打ち上げる予定です。この打ち上げは、ライブストリームでも見ることができます。
一方で、ブルーオリジンは現在、従業員や元従業員からの批判にさらされています。彼らは、その有害な企業文化が未来的な目標を阻んでおり、事業全体の安全性さえ低下させる恐れがあると指摘しています。しかし、ブルーオリジンはこれらの問題を重く捉えてはいないようです。ベゾスはTwitterで古い雑誌の表紙を公開し、セクハラを訴える社員を、アマゾンのビジネスモデルに対する批判者に例えたようです。
今日のフライトには、ウィリアム・シャトナー(映画『スタートレック』のカーク船長役)が搭乗しており、90歳という人類最高齢で大気圏を離脱することになります。また、有料の乗客として、起業家のクリス・ボシュイゼン(Chris Boshuizen)とグレン・デフリース(Glen de Vries)、ブルーオリジン社の幹部であるオーブリー・パワーズ(Aubrey Powers)が搭乗します。
What does China want from COP26?
COP26で試される中国
第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が数週間後に迫っていますが、中国は、温室効果ガスの主要排出国の中で、新たなCO2削減計画を提出していない数少ない国のひとつです。世界最大のCO2排出国である中国は、2015年に締結されたパリ協定の目標である「産業革命前に比べて、気温上昇を1.5℃に抑える」という目標の達成において、決定的な役割を担っています。ここ数年、気候変動対策において、一連の重要な公約を発表していますが、その詳細は曖昧です。
COP26は、習近平国家主席にとって、クリーンエネルギーのリーダーとしての評価を国内外にアピールする重要な機会となります。この戦略を成功させるためには、3つのポイントを押さえておく必要があります。
1️⃣ 気候変動に対する信頼性の再構築
──COP26での中国の課題は、電力不足が続くなか、石炭の生産量拡大が進められているという国内事情の下で、クリーンエネルギーへの移行などの気候変動対策において、他国からの信頼性を勝ち取ることにあります。
2️⃣ 気候変動対策競争への注力
──米中両国は、一方の国が気候変動問題で重要な行動を起こすたびに、他方の国にもそれに追随するよう圧力がかかり、一種の競争状況となっています。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校エメット気候変動・環境研究所の共同所長であるアレックス・ワンはこう説明しています。
「中国は、世界からどう見られているかを気にしています。米国よりも優れていると思われれば、それは彼らにとって良いことです。そのため、米国が良くなれば、中国へのプレッシャーになります。中国の以前のメッセージは、『行動に抵抗し、米国を非難する』というものでした。しかし、今のメッセージは、『われわれは積極的で責任感のある人間だ』というものです。」
3️⃣ 細かい部分の調整
──今までも、中国は気候変動への対策としていくつか重要な公約を掲げてきましたが、その多くは詳細が曖昧なものとなっています。また、国有の石油・ガス会社が排出する膨大な二酸化炭素の問題に取り組んでいないことも問題視されています。シノペック(Sinopec)とペトロチャイナ(PetroChina)の2社は、世界の石油会社の中で最も高いCO2排出量を誇っていますが、これまでのところ、クリーンエネルギーの浄化や新しい分野への多様化にはほとんど取り組んでいません。COP26では、こうした問題へ取り組み、国内のエネルギー企業やメーカーに何を期待すべきかを明確に示すことになるでしょう。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- アポストロフィーの欠落により、オーストラリア人男性が名誉毀損で訴えられた。裁判官は、不動産会社が「employees」の退職金を支払っていないと主張した彼のFacebook投稿は、個人的な問題ではなく組織的な問題のように聞こえる、と認めました。
- R・ケリーへの有罪評決の翌週、アルバム売り上げが517%増加した。ミュージシャンのマリリン・マンソンも、物議をかもすと、ストリームが上昇していました。
- 『怒りの葡萄』の原稿の最後にある冒涜的な言葉は、おそらく悪意のあるものではない。ジョン・スタインベックが求めていたのは、“The end”(スウェーデン語で “slut”)だったのかもしれない。
- フランスのNetflix番組『ルパン』にインスパイアされた強盗。少なくとも、北イタリアの教会の礼拝堂のバーに盗みに入ろうとした泥棒は、警察にそう説明しました。
- ビザンティン時代の世界最大のワイナリーが発見された。年間200万〜300万リットルのガザワインを生産していたようです。
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