Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。今日の「世界で今起きている事」をお伝えします。
- スイスはもはや中立ではない。スイスは永世中立国としての伝統にとらわれず、ロシアに対してEUと同内容の制裁を科すと発表しました。プーチン政権を支えるオリガルヒ(新興財閥)は、スイスの銀行に資産を保有しています。
Switzerland is no longer neutral. The country broke from tradition to adopt EU sanctions on Russia, whose oligarchs rely on Swiss bank accounts. - ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がEUへの加盟を正式に要請した。一方、ウクライナ第二の都市、ハリコフへの攻撃が始まり、民間人の死亡が報告されました。これまでに50万人のウクライナ人が国外に脱出しました。
Ukrainian president Volodymyr Zelenskiy made an official request to join the EU. Meanwhile, attacks began on Kharkiv, with reports of civilian deaths. Half a million Ukrainian residents have fled the country. - ロシアは財政難に陥っている。ロシアとウクライナの高官が会談するなか、ロシア通貨のルーブルは急落し、ロシアは対抗措置として制裁を発表しました。中国はロシアとの関係を強化し、ロシア国営ガス大手のガスプロム(Gazprom)は中国との大規模な取引を発表。同時に、英石油大手のシェル(Shell)はガスプロム関連のすべての共同事業から撤退しました。
Russia’s in a financial hole. As Russian and Ukrainian officials met, the ruble plummeted and Moscow announced counter sanctions. Beijing shored up its relations with Russia as the latter’s gas giant Gazprom announced a massive deal with the former—at the same time, UK-based Shell backed out of all Gazprom-related ventures. - 米国の防衛関連銘柄が上昇している。ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)やノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)などの軍需メーカーの株価は、紛争の激化に伴って上昇しました。
US defense stocks are up. Shares of arms manufacturers including Lockheed Martin and Northrop Grumman climbed as the conflict intensified. - 気候変動の緩和に向けた取り組みは、しばしば事態を悪化させる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)からの新しい報告書は、オーストラリアが記録的な洪水に見舞われるなか、いくつかの厳しい真実を伝えています。
Climate change mitigation is often making it worse. A new report from the Intergovernmental Panel on Climate Change told some hard truths as Australia bore them out with record flooding. - インド経済の成長が鈍化した。基本的に、上記のすべての状況に不安定な原油価格が重なり、数四半期にわたって目標が達成できませんでした。
India’s economy slowed its growth. Basically all of the above, plus unstable oil prices, adds up to a couple of quarters where targets were missed. - トヨタがサイバー攻撃を受けた。トヨタ自動車は、部品サプライヤーの1社がマルウェアの被害に遭ったため、日本国内の全工場での生産を一時停止しました。
Cyberattackers got Toyota. The automaker paused production in Japan after one of its parts suppliers fell prey to malware.
What to watch for
焦るバイデン、求む声援
ジョー・バイデン米大統領は今夜(現地時間)、逆風が吹く中で初めての一般教書演説を行います。彼が大統領に就任してからわずか1年ですが、すでに米国民の半数以上がそのパフォーマンスに不満をもっています。バイデンが何か言ったところでこのムードが好転するとは思えないものの、彼はその場に臨みます。演説は数カ月前から準備されていますが、急速に進むウクライナ危機を反映するべく、いま土壇場で原稿のリライトが行われています。
大統領が言及すると思われるイシューは次の通りです。
- 📈 インフレ:物価上昇が驚異的なペースで進んでいますが、バイデンには国民への共感を示し、予定されている政策がいかに痛みを和らげうるかを伝えられるかどうかが期待されています。
- 🦠 COVID-19:「パンデミック疲れ」についても同様です。政府はパンデミック規制を緩和しているので、演説会の参加者のマスク着用は不要です。
- ⚖️ 最高裁判所人事:判事候補に指名したケタンジ・ブラウン・ジャクソンに言及するでしょう。
- 🇺🇦 ウクライナ問題:プーチンによるウクライナ侵略への対応を誇るでしょう。
Coal-powered “clean” hydrogen?
クリーンエネルギー??
バイデンの頭を悩ませる問題がもうひとつ。民主党のジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州選出)の存在です。マンチンは、バイデン政権の社会保障および気候変動関連の歳出法案「ビルドバック・ベター(よりよい再建)」の通過を阻む一方で、水素研究開発に95億ドル(約1兆円)を出資する内容を含む「インフラ投資・雇用法」の成立に一役買っています。
いま、化石燃料に代わる低炭素/ゼロ炭素のエネルギーとして、再生可能なエネルギーを使ってつくられる「グリーン水素」が注目を集めています。対するマンチンは、水素製造においては地元ウェストバージニア州の誇る石炭・天然ガス資源が欠かせないと強調しています。
- 80億ドル(約9,100億円):インフラ法案の中で、4件の水素製造ハブ建造のために計上された金額。マンチンは、そのうち1枠をウェストバージニア州にあてたいと考えている。
- 2キロ以下:法案で定義された「クリーンな」水素1キロあたりのCO2排出量
- 18~20キロ:石炭火力発電で製造した水素1キロあたりのCO2排出量
- 2〜6倍:化石燃料から水素をつくった場合のCO2排出量を、化石燃料を直接燃焼させた場合と比較すると
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 19世紀の難破船「Ship of Gold」から写真が回収された。大西洋は多くの金鉱夫の命を奪いましたが、彼らが持っていた写真は助かったようです。
- イタリアで結婚式を挙げたいですか? ならば中部ラツィオ州がその費用を支援してくれます。補助金の金額は2,000ユーロ(約26万円)です。
- イタリアで式を挙げるとして、鐘は鳴らしたいですか? 誰もが在宅生活を余儀なくされているなか、イタリアのある町では、超活発な教会の鐘を黙らせようと、住民が立ち上がりました。
- 式を挙げたなら、それが「本当」であって欲しいですよね? ある米国人女性が挙げた結婚式は(しかも2回)、すべてフェイクでした。さらに、2回の妊娠も……。付き添いを務めたブライズメイドはただただ困惑しています。
- インドの結婚式のダンスの振り付けは、クラブで再利用できる。Quartz Indiaのレポーター、Manavi Kapurが実体験をもとに語ります。ボリウッドが巨大なインドのウェディング業界にどのような影響を与えたのか、Quartz Obsessionポッドキャストの最新エピソード(英語)でご確認ください。
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