Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。週の始まり月曜日、3月7日の「世界で今起きている事」をお伝えします。中国では5日、国会に相当する第13期全国人民代表大会(全人代)が開幕しています。
- 中国のGDP見通しが30年ぶりの低水準となった。2022年のGDP成長率目標が5.5%前後に設定された要因は、不動産業界の危機と中国の「ゼロコロナ」政策などです。
China’s GDP outlook hit a three-decade low. A real estate crisis and the country’s zero-covid policy are among the factors slowing growth to about 5.5% this year. - ウクライナのマリウポリで計画されていた避難計画がまた失敗した。ロシア軍は停戦合意にもかかわらず、マリウポリへの砲撃を続けました。一方、ロシア軍はウクライナ南東部にガスを供給するパイプラインを破損させ、ザポリージャ原発の管理を強化しました。
Another planned evacuation of Mariupol, Ukraine failed. Russian forces kept shelling the city despite a ceasefire attempt. Meanwhile, Russian troops damaged a pipeline that supplies gas to southeastern Ukraine and strengthened their hold of the Zaporizhzhia nuclear power plant. - イスラエルがロシア・ウクライナの仲介役に。イスラエルのナフタリ・ベネット首相は、イスラエルと関係が深いロシアのウラジーミル・プーチン大統領、そして、強固なユダヤ人社会をもつウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と個別に会談を行いました。
Israel mediated Russia-Ukraine talks. Prime minister Naftali Bennett held separate meetings with the Russian government, with which Israel has a close relationship, and Ukraine, a country with a robust Jewish community. - ビザとマスターカードがロシアでの決済サービスを停止した。クレジットカード大手のビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)は、ウクライナ侵攻への反発から、ロシアをさらに孤立させたい考えです。これとは別に、写真共有アプリ「Snapchat」はユーザーの安全への懸念から、写真をどこで撮影したのかを示す「ヒートマップ」機能をウクライナで停止しました。
Visa and Mastercard suspended service in Russia. The two credit card giants want to further isolate the country in rebuke of its Ukraine invasion. Separately, Snapchat turned off its public map of Ukraine due to concerns for user safety. - TikTokが国営メディアへのラベル付け計画を発表。Facebook、Twitter、YouTubeも同様の方針をとっており、一部の国営メディアの投稿を識別可能にすることで、プラットフォーム上のニュースソースについて、背景事情に関するより多くの情報をユーザーに提供することがねらいです。
TikTok announced plans to label state media. Facebook, Twitter, and YouTube have similar policies designed to give users more context about news sources on the platforms. - 米国のガソリン価格が1ガロン(約3.7リットル)当たり4ドルを突破した。ロシアのウクライナ侵攻によって価格上昇が続いており、全米自動車協会(AAA)によると、米国の平均ガソリン価格は、2008年以来の高水準となりました。
US gas prices topped $4 a gallon. Prices, driven up by the war in Ukraine, haven’t been this high since 2008.
What to watch for
中国は「対話」を求める
本日7日、中国の王毅(ワン・イー)外相の年次記者会見が行われる予定です。中国がウクライナで起きている戦争にどう対処するのか、今後の動向に注目が集まっています。というのも、米国および欧州がロシアに対して前例のない規模の制裁を加えたことに対し、中国政府は「違法」であり「逆効果」だとして非難しているからです。
中国は長きにわたって、米国のいわゆる「金融覇権」と、それによって世界の国々に制裁を加える能力に対して不快感を示してきました。王外相は、昨年行った演説で米国の外国への干渉に対する非難を露わにしましたが、今回も同様の内容になる可能性が高いでしょう。
5日土曜日(現地時間)、王外相がアントニー・ブリンケン米国務長官と会談した際も、同じでした。中国政府の声明によると、王外相は米国、EU、北大西洋条約機構(NATO)、ロシア間の会談を「奨励する」としたものの、ロシアに対するNATOの「継続的な東方拡大による悪影響」を非難したとされています。
What has Russia blocked?
ロシアの「禁止」リスト
ロシア政府は、意に沿わない言論を取り締まり、「クレムリンの支配下にないメディア」へ国民がアクセスすることを規制しています。
今月4日(現地時間)、ロシア国会では、ロシア軍に関する「虚偽の情報」を広めることを犯罪とする新法が可決されました。これは、先に紹介したビザやマスターカードなどの企業からの圧力(制裁・抗議を目的に、ロシア国民のアクセスを制限している)とは完全に「別物」です。
ロシアがブロック・規制・制限しているものは、次の通りです。
- YouTube
- BBCが提供するロシア語サービス
- 米国からの出資を受けている放送局「ラジオ・リバティー」 (Radio Liberty)
- 独立系ニュースサイト『メデューサ』(Meduza)
- ドイツの国際放送局「ドイチェ・ヴェレ」(Deutsche Welle)
- トランシーバーアプリ「ゼロ・ウォーキートーキー」(Zello Walkie Talkie)
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- ロケットの部品が月に衝突した。中国が打ち上げたロケットの残骸とみられる3トンの物体が、月の裏側に衝突しました。
- シカは人間に新型コロナウイルスを感染させるかもしれない。新しい研究で論じられたオジロジカからヒトへの感染の可能性は、初めての報告例とみられます。
- あるSF作家が自費出版のためにキックスターターで1,500万ドル(約17.2億円)以上を集めた。作家のブランドン・サンダースンは、パンデミック中に書いた小説4作を自費出版するために、米クラウドファンディング大手のキックスターター(Kickstarter)で資金を募りましたが、わずか35分で当初目標の100万ドル(約1.1億円)を上回りました。
- マーク・メドウズが不正投票をしたかもしれない。元ホワイトハウス首席補佐官は、2020年にノースカロライナ州のトレーラーハウスを住居として登録していました。
- 英国では、フィッシュスティックのことをフィッシュフィンガーと呼ぶ。Quartz Obsessionポッドキャストの最新エピソード(英語)では、このごちそうがどのようにして、英国の魚消費量の10%を占めるようになったかを紹介しています。
📫 Quartz Japanは一日2通のニュースレターを配信しています。
🎧 Quartz Japanでは平日毎朝のニュースレター「Daily Brief」のトップニュースを声でお届けするPodcastも配信しています。
👀 Twitter、Facebookでも最新ニュースをお届け。
👇 このニュースレターはTwitter、Facebookでシェアできます。転送も、どうぞご自由に(転送された方へ! 登録はこちらから)。