Daily Brief：中国で新たな亜種か

Daily Brief

世界で今起きている事

おはようございます。国連気候変動に関する政府間パネル（IPCC）が新たに公表した報告書は、現状への危機感を募らせています。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。

1. 中国で新しいオミクロン変異株の亜種が発見された。新たに見つかったのは、「BA.1.1」から分岐した新たな亜種とみられます。中国がパンデミック始まって以来最大となる新型コロナウイルス感染拡大の波と格闘するなか、上海は市全体のロックダウンを無期限で延長しました。
   China discovered a new omicron subvariant. As China grapples with its biggest wave of covid infections since the start of the pandemic, Shanghai extended its city-wide lockdown indefinitely.
2. 香港の行政トップは、2期目を目指さない。中国政府の後ろ盾で香港政府トップの行政長官に就任し、香港の自治と市民の自由の侵害を招いたキャリー・ラムは、5月に予定されている行政長官選挙に出馬せず、交代する予定です。
   Hong Kong’s chief executive won’t seek a second term. Carrie Lam, who took office with Beijing’s backing and oversaw the erosion of Hong Kong’s independence and civil liberties, will be replaced next month.
3. ジョー・バイデン米大統領は、ウクライナをめぐり戦争犯罪裁判を求めた。ウクライナの都市で民間人とみられる大量の遺体が見つかったことを受け、バイデン大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「戦争犯罪者」と呼びました。EUはロシアの残虐行為が報告されたことで、制裁を強化すると警告しましたが、ロシア産のガスはヨーロッパに供給され続けています。
   US president Joe Biden called for war crime trials in Ukraine. The EU threatened to ramp up sanctions over Russia’s reported atrocities, but Russian gas continues to flow into Europe.
4. 国連の気候変動報告書は、化石燃料の迅速な削減を呼びかけている。国連の気候変動に関する政府間パネル（IPCC）が、最新の評価報告書を公表しました。気候科学者は、世界は石油とガスの生産を削減する必要があるとしていますが、ウクライナでの戦争は、各国政府に正反対の行動を促しています。
   A UN climate report calls for quick fossil fuel cuts. Although climate scientists say the world needs to reduce oil and gas production, the war in Ukraine has prompted governments to do the opposite.
5. インド最大の合併により、金融サービスの巨人が誕生する。インド最大の民間金融機関であるHDFC銀行は、住宅金融大手のHDFCと400億ドル（約4.9兆円）規模の取引で合併する予定です。
   India’s biggest merger will create a financial services giant. HDFC Bank, the country’s largest private lender, will combine with the housing financier HDFC in a $40 billion deal.
6. イーロン・マスクがTwitterの株式の9％を購入。オンラインでの活発な活動で知られ、市場に影響を与えるツイートで金融規制当局の調査対象にもなった米EVメーカー、テスラ（Tesla）のイーロン・マスクCEOは、いまやTwitterの筆頭株主となりました。
   Elon Musk bought a 9% stake in Twitter. The extremely online CEO, whose erratic, market-moving tweets have prompted investigations by financial regulators, is now Twitter’s biggest shareholder.
7. ジェイミー・ダイモンは米国経済に大きなリスクがあると警告した。米大手銀行、JPモルガン・チェース（JPMorgan Chase）のCEOであるダイモンは、株主宛ての年次書簡の中で、ウクライナ戦争は同行に10億ドル（約1,200億円）の損失をもたらす可能性があると述べ、上場企業の衰退を嘆きました。
   Jamie Dimon warned of big risks for the US economy. In his annual shareholder letter, the  JPMorgan Chase CEO also said war in Ukraine could cost his firm $1 billion and lamented the decline of publicly-traded companies.

What to watch for

オートバイのテスラ

本日（5日）より、台湾の「オートバイ版テスラ」ことゴゴロ（Gogoro）がNASDAQでの取引を開始します。ゴゴロは電動スクーターをつくっているほか、他社のライドシェアネットワークにもバッテリーや充電システムを販売しています。上場から遡ること数カ月前、ゴゴロは中国およびインドの大手スクーターメーカーにバッテリーを販売する契約を結んでいます。

ゴゴロは特別目的買収会社（SPAC）を通じて上場していますが、時価総額は23億5,000万ドル（約2,800億円）となり、事業拡大のための資金として3億3,500万ドル（約410億円）を調達しました。当初の投資家には、インドネシア最大のテック企業GoToグループが含まれており、ゴゴロと提携して東南アジアでの事業拡大を支援する可能性もありそうです。

Are sanctions not working?

金融制裁、効果なし？

西側諸国がロシアに対して重い制裁を科してから1カ月。ルーブルの対米ドル相場は急騰し、ウクライナ侵攻前の水準まで回復しています。ルーブルが痛みを感じさせないのは、どうしたわけでしょう？

ルーブルの回復を支えているのは、通貨の内部操作と原油・ガス価格の高騰です。天然ガスの取引において、ロシアがルーブルで買うようにさらなる圧力をかけ、欧州諸国の“大口顧客”がその要求に実際に応じることになれば、さらに上昇する可能性すらあります。

しかし、極論すれば、ルーブルの動きだけで制裁の成否は判断できません。「ルーブルの動きとは関係なく、制裁はロシア経済に大きな打撃を与えている」と、エコノミストのウィリアム・ジャクソンは指摘しています。「インフレ率はすでに急上昇し、銀行は疲弊し、金融情勢は劇的にタイト化している」。

SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

1. 英国に初の「世界サーフィン保護区」が誕生した。ノース・デボンのビーチは、米カリフォルニア州マリブやオーストラリアのゴールドコーストなどが名を連ねる、国際的に保護されているサーフスポットのリストに加わりました。
2. 鶏にとっては、サプライチェーンのバッド・ニュース。米外食チェーンのチポトレ（Chipotle）は、物流上の問題から、人道的に育てられた鶏の購入計画を延期しました。
3. カルティエの新作は、ダイヤモンドをちりばめた柔らかい腕時計。「クッション」コレクションと名付けられた時計は、宝石を散りばめ、柔軟性のあるメッシュのケースに収納できます。
4. NASAの探査機「パーサヴィアランス」が火星から不気味な録音を送り返してきた。赤い惑星には、高音と低音で異なる2種類の音速があるようです。
5. グーグル「電動スクーターがあれば、従業員はオフィスに戻る」。同社は従業員に対して、週3日の通勤に使えるスクーターの無料利用券を提供しています。

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